一日フル活動した28日。
最後は高崎市新町商工会で行なわれた講演会に行きました。
私がよく聞きにいく、佐滝剛弘氏(NHKチーフプロデューサー)の講演です。
今日の演題
「世界遺産を基本とする『高崎市新町のまちづくり』」
高崎市新町には明治10年(1877)につくられた官営新町屑糸紡績所の建物がのこっています。
生糸の生産に使えなかった屑繭や屑糸を紡いで、利活用する洋式紡績工場です。富岡製糸場開業から五年後に日本人技術者だけで作られた工場としても価値のある建物です。
この建物を「富岡製糸場と絹遺産群」として世界遺産に登録ができるよう活動している会が主催した講演会です。
講演の内容についての詳細は、富岡製糸場伝道師協会http://blog.goo.ne.jp/whtomioka/のブログに詳しいので、そちらをご覧ください。
佐滝氏の講演は、200ヶ所以上の世界遺産をご覧になっている見識から語られる世界遺産の実像、可能性、問題点、などどれも納得のいく話ばかりです。
講演を聴いて、システムとしての日本の絹産業に視点をあてると、国内でつくられた生糸は横浜から船でアメリカやヨーロッパに輸出されたこと、養蚕農家がいまも埼玉や遠く山形にも立派に残っていること、製糸場は長野にも現存していること、など他県にまたがって多くの関連施設が残っていることを考えさせられます。
佐滝氏はシルクについて、世界、とりわけヨーロッパにおける重要性、価値について語り、現在シルク関連で世界遺産登録されている4つを紹介してくれました。
①フランス リヨン 歴史地区
②イタリア ナポリの王様が作った絹工場
③スペイン バルセロナ 「ラ・ロンハ」絹取引所
④イギリス ダーヴェント渓谷 ペルピー絹工場
この4つはいつか行って見られたらいいなと思います。
とりわけフランスのリヨン歴史地区。
堅曹さんは130年ほど前に、横浜に生糸直輸出の同伸会社をつくっています。
そのときの設立趣旨が、世界一の絹布を製造するフランスに直接貿易をすること、そしてリヨンの情報を日本の製糸家達に伝えることが最重要、そのためには何を差し置いても、まずリヨンに支店を置きたい、と述べています。
そうして開業後すぐに精鋭の社員2名をリヨンに送り込み、リヨン支店を開設しています。
それほど世界の生糸の中心地であったリヨン。
現在のリヨンを以前NHKハイビジョンの生中継番組でみてからは、特に思いが募っています。
リヨン、行きたいな。