「あの『宇宙戦艦ヤマト』が実写映画になるらしい、しかも木村拓哉主演で。」
とのウワサを聞いた時は、単なる冗談かと思った。
日本で宇宙モノの映画を制作すること自体ギャグだし、主演とされる俳優さんは既に30代後半。
こりゃ有り得んでしょって感じ。
しかしウワサは現実となってしまった。
面白好きのメガヒヨがこれを見逃すわけが無い。
友人Tさんと映画館に足を運んだ。
とはいえ、メガヒヨはヤマトのアニメを断片的にしか見たことが無い。
小学校の時にさんざん再放送をしていたのだけれど、見ててもあまり理解が出来なかったのだ。
こういうのよりドラえもんとかの方が好きだったからね。
ヤマトに関する思い出といえば、中学生のときブラスバンド部でトラウマに近い様な経験があるよ。
隣接する小学校の運動会の入場行進の演奏をしたんだけどね、その曲がヤマトの主題歌だったのだ。
時は昭和60年代。
まだまだ小学生の数が多い時代である。
演奏を何度となく繰り返しても、まだまだ入場は終わらなかった。
メガヒヨの担当はクラリネットなんだけど、指や唇がエラいことになっちゃって大変だった。
でも演奏を止めちゃダメだから頑張ったよ。
曲を吹けども吹けども、入場門から湧いてくる小学生。
今でもあの曲を聴くとその時の光景がよみがえって来ちゃう
てなわけでヤマトに関しては、主題歌位しか知識のないメガヒヨ。
強い思い入れも無く、気軽な感じで観た。
結論からいうと、この映画はかなり楽しむことが出来た。
まず心配していたSFX。
これは想像以上によく作られていた。
どこかにも書かれていたけれど、スターウォーズ第一作品のレベル位には行っているんじゃないかな。
昭和に発表されたアニメ作品の雰囲気を、ちゃんと重視したのも好感が持てる。
ヤマトのデザインもオリジナルそのまんまで、現代風に勝手にアレンジされていないしね。
沖田艦長の医療器具など所々に出てくる未来とは思えない様なアナログ機器も、アニメを踏襲した演出なのだろうし。
ストーリーも細かい突っ込み所やぐだぐだ展開はあるものの、ちゃんと筋が通ったものになっていた。
メガヒヨの大っ嫌いな、「音楽でごまかす」「観客の想像に任せる」「夢オチ」などその手のウヤムヤが無かったのはいいと思う。
そしてそして。
一つのジャンルとして成立している「木村拓哉」さんについて。
この人は本当に何をやっても「キムタク」なんだよね。
ピアニストでも、パイロットでも、お侍さんでも。
今回は宇宙に進出しても「キムタク」ということを証明してしまった。
黒木メイサちゃん演じる飛行隊員・森雪は、木村拓哉演じる攻撃班班長・古代進に何かと反発して馴染まない。
それでも彼女は、ヤマト乗組員のいる場所を爆破するという過酷な指令を貫き通した。
仲間を手に掛けてしまったことで落ち込む森雪。
それをひたすら慰める古代。
上司と部下のやり取りかとゆるーく眺めていたら、脈絡も無しにいきなりのチューをかましてきた!!
でもって、更なる絡みを連想させる演出(笑) クレジットロールの映像の伏線にもなってるものね。
そんな訳でメイサちゃん演じる森雪は、次のシーンですっかりキムタク演じる古代進のとりこ。
コックピット越しにキスするなどデレデレ展開に突入していた。
これは他の俳優さんだったら「何じゃこりゃ!?」って思うのだろうけれど、キムタクだったら「まぁ仕方ないか。」で終わるよね。
あまりにもお約束通りの展開に、メガヒヨは笑いをこらえるので必死だったけど。
それでもやっぱり主人公とヒロインの年齢の差がどうしても気になるな~。
なんかセクハラか不倫みたいに見えちゃうよ(笑)
そういえばヤマトの乗組員に若い人ってそんなにいなかったよね。
浅利陽介くん位か?
同じジャニーズの人主演の映画でも、『大奥』とはエラく違うね。
あれはジャニタレ満載だったけど。
やっぱり大人の事情によって、キムタクより若くて美しくて背が高い人は採用されないのかも。
そんな訳で周囲の後押しも有り、観客の期待通りの仕事をこなしてくれた木村大先生。
いっそ還暦までこのポジションに立ち続け、我々団塊ジュニア世代の星でいて欲しいなぁとあらためて思ったのであった。