蛍のひとりごと

徒然に、心に浮かんでくる地唄のお話を、気ままに綴ってみるのも楽しそう、、、

音曲と講談(2)

2021年12月10日 | その他のよもやま
本日は先週の続きを。
---
【前半はこちら👇】
https://blog.goo.ne.jp/mayumi5312/e/0cdc22fede7d74015b5db3ef9ec6e3a5
---

娘深雪は、一日会わねば千秋の思いにかられ、邸を飛び出してしまいます。

恋い漕がれる八十次郎を追い求めて旅に出ますが、次第に路銀に事欠くように
なり、ついに門付け芸人となります。三味を弾きながら歌うのは朝顔の唄で、
さすがに仕込んだ芸の確かさで行く先々で評判をとります。

講談ではゴゼになったとありますが、この挿絵を見ると鳥追のような感じもします。
松浦検校が曲を付けた地唄の「鳥追」ですね。
これは能楽から題材を得たといわれますが、秋の稲穂が実るころ、これをついばむ鳥を追い払う行事です。

打つ鼓、しどろに声たてゝ と歌詞にありますが、芸人衆を引き連れて賑やかに行いました。
また、賤しき業を忍び寝に、という文に鳥追稼業の職業的地位がうかがえます。

結末がどうなったかといいますと、目出度く二人は結ばれます。
長い苦労が報われるという、まあまっとうな一席ですが、今の高座では誰も先ず演りません。

この席を借りて読み終わりといたします。
(文:篠原昌人)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。