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自らの命を守る教育を!(阪神淡路大震災から17年目をむかえて)

2012年01月17日 | 「学び」を考える

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阪神淡路大震災から17年になる。今年は、東日本大震災で被害を受けた人々と共に、やりきれない悲しみを分かち合うことになった。その間に新潟県の中越地方で起きた大地震に見舞われた人たちのことも忘れられない。毎年、この日に震災の記憶を振り返り、そして、また新たな自然災害が起こるたびに私たちは防災対策や備えを問い直してきた。それでも、未曽有の災害が起こる。自然の驚異の前に人は立ち尽くすほかないのだろうか。

人智は無力ではないと信じたい。過去の経験を風化させないで、これから起こりうる災害に備えるために教育の果たす役割は大きい。その意味で、阪神淡路大震災の後、兵庫県立舞子高校に全国で初めて環境防災科が設置され、優れた教育実践を重ねてきたことは高く評価されるべきだ。しかし、環境防災科を設けている高校は今も全国にただ一つである。できれば各都道府県に一校、少なくとも各地方に一校はあって地域環境に即して防災に関する人材の育成と地域への普及活動を担えればいい。いや、それよりも全国すべての学校で子どもたちが自らの命を守るための防災教育を実施すべきだ。

舞子高校環境防災課の科長として防災教育の必修化を訴え続けてこられた諏訪清二先生のことが、今朝の朝日新聞の「ひと」欄で紹介されている。

”専門家や震災体験者を訪ねて話を聴くことからはじめ、情報の取捨選択、災害発生の仕組みといったカリキュラムを手探りで作り上げた。”

昨年311日に釜石を津波が襲ったとき、市内の小中学校では児童生徒が教員の指示を待つことなく率先して避難し、ほぼ全員が主体的に自らの命を守った「釜石の奇跡」について・・・

”釜石では「奇跡」が起きたのではなく、教員も含め、自ら考え臨機応変に行動する力が日々の防災教育で培われていたのだと思っている。「覚えさえすれば点が取れる教育では命を守れない。今回の震災が教えてくれたことです」”

 

「防災教育って何?」諏訪清二)

高校生、災害と向き合う――舞子高等学校環境防災科の10年 (岩波ジュニア新書)
諏訪清二
岩波書店
夢みる防災教育
クリエーター情報なし
晃洋書房

 

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