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ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

ベンチャー企業のクオンタムバイオシステムズの威勢のいいお話を伺いました

2014年02月05日 | 汗をかく実務者
 先日、知的財産活用のフォーラムが開催された際に、その中の講演で、大阪大学発ベンチャー企業のクオンタムバイオシステムズ(Quantum Biosystems、大阪市)のお話を伺いました。

 同社の代表取締役社長・COE(最高経営責任者)を務めている本蔵俊彦さんは熱烈に同社の製品開発とその事業化の独創性を語りました。



 同社は、DNA(デオキシリボ核酸)の塩基配列を解析する第四世代のDNAシークエンサー(塩基配列解析装置)の装置開発を進めています。いくらかDNAシークエンサーのことをご存じの方は、日本はこの分野では後塵を拝していると思っています。

 ところが本蔵さんによると、「製品開発中の第四世代のDNAシークエンサーは“破壊的イノベーション”を起こす可能性を秘めている」といいいます。「1990年代に製品化され始めたDNAの塩基配列を解析するDNAシークエンサーの進化は速く、解析の仕組みが異なる第3世代まで製品化されている。この第3世代までは、欧米が先行しました。しかし、「まだ決定打といえるDNAシークエンサーは登場していない」といい、そして「当社が現在開発中の解析装置が実用化されれば、一気に世界の先頭に立てる」と力説します。

 DNAシークエンサーについては、「米国大手コンサルティング企業のマッキンゼー・アンド・カンパニーが効率的な次世代DNAシークエンサーが製品化されて、DNA塩基配列解析が1時間と短時間で100米ドルと低コストで可能になれば、1年当たりに2600万人に最適な治療を行うオーダーメイド治療に貢献でき、その経済効果は1年当たり70兆から160兆円との試算結果を発表している」と、“破壊的イノベーション”を起こす製品であると予想していると、本蔵さんは伝えます。

 クオンタムバイオシステムズは2013年1月7日に創業されました。同社の技術シーズは、大阪大学産業科学研究所の川合知二特任教授や谷口正輝教授などが参加して2005年から始めた最先端研究開発支援プログラム(内閣府が推進)の「1分子解析技術を基盤とした革新ナノバイオデバイスの開発研究」プログラムが産み出したものです。

 この技術シーズは、微細な空間でのトンネル電流を利用してDNAの塩基配列を解析する手法です。実は、これまでにも米国のIBMや韓国のサムソン電子、米国のインテルなどという蒼々たる企業が挑戦しましたたが成功していない難題です。

 本蔵さんは「トンネル電流を実現する超微細電極と超微細電流測定が必須になる点が難しい課題になっていた」と説明します。

 同社が製品化を図っている塩基配列解析の大まかな原理は、1本のDNAだけが流れる流路をつくり、その流れる速さを制御します。この1本のDNAが約1nm間隔の電極の間を通過する際に、1塩基分子の電気抵抗を連続的に測ることで、塩基配列を解析します。この基本原理を用いて、川合さんと谷口さんの大阪大の研究グループが2012年7月に塩基配列解析が可能であることを実証したことから、本蔵社長は「創業を決意した」と経緯を説明します。

 本蔵さんは当時、経済産業省が中心になってつくった産業革新機構(東京都千代田区)の戦略投資部ディレクターとして、投資先を調査し投資する業務に従事していました。2012年5月に大阪大学の川合さんと谷口さんの研究開発グループが発表した開発成果を本蔵さんは知って、破壊的イノベーションを起こす可能性があると考えたそうです。、

 本蔵さんは産業革新機構をすぐに退社し、クオンタムバイオシステムズ社を創業するための資金集めを始めたそうです。そして2013年1月7日に同社を創業しました。

 本蔵さんによると、作製したプロトタイプは1台当たり200万円程度で製品化することを目指しています。その低価格化のカギとなる使い捨ての半導体チップは1個当たり約5000円をメドに実用化を図っているそうです。この半導体チップは「最終的には1個50円を目指している」とのことです。

 現在、製品化されているDNAシークエンサーは日本円換算で6000万円から1億円程度と高価なので、製品化すればかなりの価格破壊をもたらすとも、付け加えます。

 同社の創業時から日本市場を含めたグローバル市場向けの事業戦略を立てています。製品開発メンバーも国籍、年齢などに制限を設けず、実力がある人材を集めて進めているそうです。このため、同社での主要言語は英語で、Webサイトも英語表記にして、全世界に情報を発進しています。



 また、測定器メーカーや半導体メーカー、名古屋大学などと連携するなどの外部リソースを活用し、製品化・事業化を早める工夫をこらしているそうです。

朝日新聞紙朝刊一面に掲載された「ムダ判定予算 8割復活」を読み考えました

2014年02月04日 | 日記
 2014年2月2日に発行された朝日新聞紙の朝刊一面に掲載された、見出し「ムダ判定予算 8割復活」を読み、考え込みました。

 この記事は、安倍晋三内閣が2014年度予算案で無駄遣いの点検を経て、カットした約4600億円のうち、少なくとも約3600億円が今年度の補正予算案に同様の事業内容で計上されていることがわかったと報じています。

 朝日新聞紙のWeb版である朝日新聞 DIGTALでは、見出し「『ムダ』と予算削減→8割復活 補正に付け替え」という記事で報じています。



 安倍内閣は今年4月の消費増税への理解を得るために、「ムダ」と判定したはずの事業費の約8割が補正予算に付け替えていたという内容です。

 安倍首相が議長を務める行政改革推進会議は昨年秋に、新年度予算案の概算要求のうち10府省の55事業について再点検した結果、麻生太郎財務相が2014年1月20日の同会議で、34事業の4574億円(一般会計ベース)を削減できたと報告していたのです。

 消費税率引き上げを決めたことから、安倍首相は「税金がムダに使われているとの批判は絶対に招かないようにしなければならない」と協調していました。

 ところが、財務省の資料によると、新年度予算案で1387億円削減したはずのインフラの老朽化対策費の「防災・安全交付金」は、補正予算案で削減額を上回る1847億円を計上していたと伝えています。

 現在の自由民主党が一強他弱になっている与党態勢がもたらした、補正予算案にようです。

 2014年2月3日発行の日本経済新聞紙の朝刊の中面に、コラム「池上彰の必修教養講座」の「現在日本の足跡に学ぶ」シリーズの15回目の最終回として、「2009年の総選挙で誕生し、2012年に終わった民主党政権の功罪」を振り返っています。

 日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では、見出し「民主の失敗、自民の現状に見る政権交代(池上彰)」として掲載されています。



 池上さんは、民主党政権の失敗として「一つ目はマニフェスト(政権公約)を掲げながら十分実現できなかったこと」を挙げ、「二つ目は脱官僚の試みです」。脱官僚は事務次官会議など各省庁トップらの調整力に頼らない、大臣や政務官による政治主導を目指しましたが、霞ヶ関が機能不全に陥ったと伝えます。

 政策実現の財源確保に対する見通しの甘さが露見したと解説します。その中で、「事業仕分けで予算のあり方を公開で議論した点は評価できますが、大きな成果を上げられませんでした」と説明します。

 現在の安倍内閣は「事業仕分け」の実施をどうみているのでしょうか。

 世界で断然トップの負債を抱える日本には、無駄遣いをしている余裕はありません。

国際ナノテクノロジー総合展で、電子ペーパーの試作品を拝見しました

2014年02月03日 | イノベーション
 2014年1月29日から31日までの3日間にわたって開催された、第13回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nano tech 2014)に行ってみました。場所は、東京都江東区の東京国際展示場(通常、東京ビックサイト)です。

 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議の入り口近くには、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の大きなブースがあり、その中に入ってみました。

 その展示の中で、次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合(JAPERA)が開発をしている電子ペーパー系の開発状況を垣間見ました。この技術研究組合に参加しているリコー、凸版印刷、大日本印刷が展示しています。

 この展示された電子ペーパーでは、プラスチックフィルムの上に、高精細な画像を表示する機能をつくり込むことによって、従来の液晶ディスプレーなどに比べて、軽くてしなやかなディスプレーを製品化しようとしています。

 約6型(15センチメートル程度)のフルカラーを表示できるフィルムパネルディスプレーの試作品です。



 マゼンタ(赤)やイエロー(黄)、シアン(青)、ブラック(黒)のそれぞれの原色を、透明状態と着色状態に可逆的に変化させるエレクトロ・クロミック・インクを印刷したものを重ねて、カラー表示できるディスプレーの試作品です。

 低温製膜技術や積層コーティング技術を盛り込んで、柔軟で軽いディスプレーシートが試作できたそうです。

 この試作品のディスプレーが画面を表示する様子の画像を、既存の液晶ディスプレーによって表示しています。ある意味で少し悲しい展示方法です。





 現在、電子ペーパー向けの薄膜トランジスタ(TFT)を印刷法によってつくる技術をほぼ確立し、高精細化や高機能化を図っている途中とのことです。各応用に向けて、現在どこまで来ているのかは、知識不足で読み取れませんでした。

 今回の電子ペーパー系試作品の展示品によって、将来、日本の企業がまた電子ペーパー系の表示系デバイスによって、グローバル市場で支配権をとることを祈るばかりです。

 つい先日の1月27日には、エプソンが電子ペーパーを表示デバイスとして採用した腕時計の「Smart Canvas」を発売すると発表しています。この電子ペーパーがどんなものなのかは、分かりません。日本の各企業が、電子ペーパーを表示デバイスに使う時代が近いのかもしれません。

埼玉県坂戸市の浅羽ビオトープで、小魚を捕まえるカワセミに出会いました

2014年02月02日 | 季節の移ろい
 埼玉県坂戸市の高麗川沿いに設けられた浅羽ビオトープに野鳥観察に行った話の続きです。

 高麗川から水を引き込んでつくった人工の小川のせせらぎ沿いには、カワセミが住みついています。小川のせせらぎの上を、カワセミが飛んでいくのをよく見かけます。

 夕方近くになって、せせらぎ沿いの雑木林の木の枝に、カワセミ1羽が留まり、せせらぎの流れを見ています。



 
 この時に一緒にカワセミを見ていた浅羽ビオトープの近所に住む方によると、最近は夕方になると、カワセミはこの辺の木の枝に留まって、せせらぎの中を泳ぐ小魚を狙うそうです。





 カワセミは10分程度と長い時間、小川のせせらぎを見ていました。

 その内に、急にせせらぎの中に飛び込み、くちばしで小魚を捕らえると、飛び上がって木の枝に留まって食べました。この小魚の補食を数回、繰り返しました。

 残念ながら、水中に飛び込んで小魚を捕らえるシーンはうまく撮影できませんでした。

 何回か小魚を捕まえて食べた後のカワセミです。成果に満足している様子です。



 せせらぎのよどみの場所に出てきたツグミです。





 このツグミは水を飲もうとしている様子でした。

 本当は、シメやアトリ、ベニマシコなどを観察したかったのですが、かないませんでした。

 浅羽ビオトープに流れている穏やかな時間を楽しみました。

埼玉県坂戸市の浅羽ビオトープで、冬鳥のクイナの水浴びを観察しました

2014年02月01日 | 季節の移ろい
 埼玉県坂戸市を流れる高麗川沿いに設けられた浅羽ビオトープは、高麗川から水を引き込んだ人工のせせらぎ沿いに、自然豊かな水辺環境風景が楽しめます。

 高麗川沿いや人工のせせらぎ沿いには雑木林やヨシなどが生えた植生豊かな水場などがあり、野鳥や昆虫などのさまざまな生物を観察できます。



人工のせせらぎの浅瀬に、水鳥のクイナが1羽出てきました。



 ツル目 クイナ科 クイナ属に属するクイナは冬鳥として本州以南に飛来し、水田や河川、湖沼などの湿地に住みつきます。

 せせらぎの浅瀬で、水浴びを5分ぐらい何回もしました。羽根の中に虫などがいるのかもしれません。





 全身を水中に沈め、ブルブルと身体を振って水をはね飛ばしています。

 人工のせせらぎ沿いには雑木林には、ジョウビタキやシジュウカラなどが時々、現れます。

 モズも何羽か登場しました。



 枝に留まった、この野鳥はホオジロではないかと思います。ホオジロの仲間のカシラダカかもしれません。



 浅場ビオトープの人工のせせらぎ沿いに設けられた小道は、どちらかというと年配の方々が散策したり、運動不足を解消するウォーキングなどに励んでいます。

 温暖な冬の日の平和な穏やかな風景です。