浦壁伸周(うらかべのぶちか)のマネジメント研究所

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浦壁伸周(うらかべのぶちか)のマネジメント第1原理

2009-12-15 15:46:15 | 浦壁伸周(うらかべのぶちか)
経営者が最も知らなければならないことは、経営とは利益を追い求めることではないということである。
その理由は利益というものがそもそも実態として存在しないということである。
損益計算書や貸借対照表の「差分」として計上される利益はどこにも実態がない。
これは、ピーター・ドラッカーのマネジメントの分析である。
実態のないものを経営の指標とすることは出来ない。
ではなぜ、経営者は売上計画やキャッシュフローの計画と合わせて、利益計画を立案し、公評するのだろうか。
それは、企業会計原則など、財務諸表の規則や税法、証券行政、金融行政などインフラによる。
これらはギルド以来の損益計算書や、賃借対照表など、その他の財務諸表を基にして制度化されている。
しかも、これらの制度化された仕組以外、企業に対する有効なマネジメント方式がないという事実もある。
このようにして、経営者は社会制度の制約の中で、利益目的説を現実の経営の実行の中で邁進している。
しかし、この限りに於いては経営の真のマネジメントは出来ない。
ではどうするか。
ドラッカーのマネジメントによれば、あるのは営業活動のコストであり、マネジメントのコストであり、研究開発のコストであり、生産のコストであって、それ以外の実態がない。ということである。
これらは明日のコストである。
利益の実態はどこにもない。
しかるが故に、経営者は利益の追求という架空の物語の中で踊ってはならない。
それ即ち、利益の最大化を目的にしてはならない。
何の成果も生まれない。
未来の変化に対して何の効力ある手段も生まれない。
では、経営者は何を目的とし、何をマネジメントすればよいか。
経営者の第1のマネジメントの原理は、他動性哲学を哲学し、我が社の存在が、我が社が、人々に、社会に、世界に提供出来る財やサービスを、真に他動的な具体的な形にするために、どのようにすべきか考えて、具現化することである。
これから先の人々、社会、世界のあるべき姿とは一体どのようなものか、それはどのような価値となり、どのように社会を支配するか。
そのためにどのような技術、ないし商品が必要か。
そのために必要な人材とは何か。
大事なことは、新しい時代にとって何が価値となるかを哲学し、これを商品化し、社会に投入して浸透させ、市場をつくることである。
そのために自らを含めて全体を否定し、且つ変革し、未来に合せて今の行為を選択する。