きょうも、廃車解体されてしまったセンゴックことEF65 1059号機の思い出を綴りたいと思います。
2008年11月16日の日曜日、JR東海道・山陽線を下って四国は高松に向かう73列車の牽引機関車にセンゴックがあてられました。この日は朝から雨模様でしたが、一介のサラリーマンにとって平日に休んで鉄道撮影をするのはほぼ無理です。したがって、貴重な撮影機会を逃してはなるものか、と出かけました。また、ちょうどこのころ、11月24日で岡山機関区のEF65の運用が激減する、というまことしやかな噂が流れていました。結局、うそだったのですが、当時は「もし本当だったら今後いつセンゴックに出会うことができるかわからない」と考えていたのも事実です。
では、どこで撮影するか。
ふだん撮影する場所が吹田以東ですので、吹田から西方面の撮影地はあまり知りません。
そんな乏しい撮影地知識の中で思いついたのが東海道線の西の終端、元町-神戸間でした。かつて神戸に10年ほど暮らした経験から、ここなら何とかなるだろうと考えた次第です。
本降りの雨の中、傘を差して待っていると元町駅の東方にEF65を示す高い位置の二つのライトが見え、間もなく黄色い顔とブルーの側面に大きくJRと描かれた特徴ある車体が近づいて来ました。その時、不思議に雨が小降りになってくれました。
(写真・左)
2008-11-16 JR東海道線元町-神戸 73レ
Nikon D700,AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED,44mm,ISO 1600,1/640秒,f5.6,WB:くもり
さて、73レのダイヤを見ると、鷹取の神戸ターミナル(貨物駅)でしばらく停車します。元町駅に戻って各駅停車に乗っても追い抜くことができます。そこで須磨駅で下車して国道沿いに塩屋方面にしばらく歩いた地点で待ち構えます。
この場所は上り列車撮影の有名ポイントですが、広角で下り列車も撮ることができます。
雨は降ったりやんだりになりましたが、空は厚い雲に覆われたまま。晴れていれば海がもう少しはっきり写ってよかったのですけれど、天候だけはどうしようもありません。
このあたりは海側が上下電車線、山側が上下の優等列車線に分かれており、下り貨物を国道から撮る場合、被る危険が多少薄れるのですが、それでも通過時刻が近づくにつれ、被るなよ、被るなよと祈るような気持ちになります。
幸い、ご覧のように無事に撮影することができました。
(写真・右)
2008-11-16 JR山陽線須磨-塩屋 73レ
Nikon D700,AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED,34mm,ISO 800
1/640秒,f5.6,-0.7段,WB:くもり
須磨を定時通過した73レですが、途中でまだまだ停車するため、さらに追い抜きが可能です。そこで須磨から各駅停車に乗車し、明石で新快速に乗り換えて西を目指し、さらに岡山方面へと走る山陽線の普通電車で、岡山県の万富へと向かいます。熊山-万富間の吉井川にかかる雄大な橋梁を渡るセンゴックを撮るのが目的です。
予定通り、上郡で待避中の73レを抜き、万富駅から急ぎ足で堤防のポイントへと向かいます。さすがに超有名撮影地ですので、先客が10人ほどおられ、後からも数人集まって来られましたが、非常に大きな橋梁ですから十分、余裕をもって撮影できます。
上郡で73レを抜くムド付きの2077レや湘南色の113系(115?)などを撮影しながら待つことしばし、轟音を響かせてセンゴックが橋梁を渡っていきました。
元町から開始した電車での追いかけも成功し、満足感にひたりながら岡山から新幹線で京都に帰りました。
2009-11-16 JR山陽線熊山-万富 73レ
Nikon D700,Sigma APO 70-200mm F2.8 Ⅱ EX DG MACRO HSM,135mm,ISO 800
1/640秒,f6.3,-1.7段,WB:くもり
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