鉄ある記

鉄道写真を中心に、京都の街角の情景なども写真で紹介していきたいと思います

水煙を上げて 豪雨の白沢-陣場を行く「日本海」

2010-08-27 | 寝台列車


 今や貴重な客車夜行急行「はまなす」を撮り、気分をよくした私たちは、今度はJR東日本奥羽線の白沢-陣場へJR西日本管内からはるばるやって来る4001レ「日本海」と上野発の寝台特急2021レ「あけぼの」を撮るべく移動しました。

 前日は車から降りるのもためらわれる豪雨でした。この日は山間に入るにつれ、どんよりと曇り、時折、小雨も降りますが、撮影可能です。目的地に着いてカメラをセットするころには、雨もやみ、雲とも霧ともつかない白いベールが山肌を流れる幽玄な雰囲気になりました。晴れてくれるのが一番ですが、深山幽谷という感じの中を走るブルートレインも絵になると思います。

 「日本海」の先走りの701系電車は1M1Tの短編成ですが、これで本番の機関車の位置などを確認します。築堤の草が丈を伸ばしており、足回りの一部が隠れるためです。
 「さあ、これで大丈夫」
 そう思っていたら、ポツリポツリと雨が降り出し、あっという間に大粒の雨が間断なく落ちてきました。

 みんな、あわてて傘をさし、タオルなどでカメラを守ります。D700は防塵防滴とはいえ、容赦の無い雨の降り方、いわゆるゲリラ豪雨のような大雨です。安全とは言い切れずカメラ用レインカバーで保護します。背負っているカメラザックにもカバーをかけ、肩に手持ち用でぶら下げていたD5000は首から下げて傘で守ります。

 雨で白くもやって線路も見えにくくなります。しかもトンネル飛び出しなので、気を抜くことができません。左手に傘の柄とD700のレリーズを握り、右手はいつでもD5000を片手撮りできる体制を維持したまま4001レを待ちます。ところが通過時刻になってもやって来ません。この豪雨で遅れているのか、じりじりしたまま苦しい体制で待ち続けます。その間も雨が弱まる気配はなく、かえって強まったようにも思えます。
 足元の地面にみるみる水たまりができ、撥水処理しているトレッキングシューズでも靴下がびしょびしょになっていくのがわかります。

 数分遅れて、ようやくトンネル出口に気流が関係する濃いもやが浮かび、その中から敦賀のパーイチが飛び出してきました。速いスピードです。まず右手片手でD5000で撮影し、次の瞬間、左手のレリーズでD7000を連写。雨の中、本当は置きピンにすべきところ、忘れてしまってAFのままだったのでピントが迷ったのではないかと、ぞっとしましたが幸いにもピンはきていました。終わってみると下着までびしょぬれになってしまって(他のメンバーもみんな同じ)の撮影で、ピンボケでは泣くに泣けぬ結果になるところだっただけに、やれやれでした。

 しかし、豪雨の白沢-陣場。24系の屋根にはねかえる雨が水煙になっています。こんなシーンも撮影させてやろうという天の采配だと感謝しています。

≪上の写真≫
2010-8-16 JR東日本奥羽本線 白沢-陣場 4001レ 寝台特急「日本海」 EF81-108
Nikon D5000,AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VRⅡ,150mm,ISO 1600
1/400秒,f5.6,+1.0段,WB:曇天

≪下の写真≫
2010-8-16 JR東日本奥羽本線 白沢-陣場 4001レ 寝台特急「日本海」 EF81-108
Nikon D700,AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ,80mm,ISO 1600
1/800秒,f3.2,-0.7段,WB:晴天


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14 コメント

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これもまた一興 (快特長天)
2010-08-27 20:00:33
こんばんは。

はまなすと打って変って凄い雨ですね。しかし、撮影に行けば高確率で晴れるまむしさんのことです、仰るようにこんなシーンを生み出したのは偶然ではないように思います。

もしスッキリ晴れていたなら、後ろの山々がどれほどまで見えるのか気になりますね。
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快特長天さん (まむし)
2010-08-27 23:07:03
こんばんは。
いやいや、最近は仲間うちで天候が悪くなる原因者ではないか、と見られることもあり…です。
後ろの山はどこまで見えるかって書いてもらっていますが、線路の後ろはすぐ山肌ですから、どこまでというものではないですよ。全部見えるっていうことですね。
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Unknown (昭和鉄道少年)
2010-08-27 23:43:51
こんばんわ!なかなか出てこないな、と思ってましたが、やはりこの場所は、外せないですよね、雨の中を疾駆するブルトレの姿が凛々しいですね!
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Unknown (さくらねこ)
2010-08-28 00:11:50
豪雨の中を疾走する「日本海」、いいお写真ですねぇ
特に1枚目のお写真、迫力ですね!
屋根の上が白く霞んでいて、かなりの強さの雨が跳ね返っているのがわかります
後の車両が見えず、白い雨煙の中からまるで湧き出てきたように見えるのが、幻想的ですね♪

大雨の中、81が見えたら雨のことなど気にならなくなり夢中で撮られたことと思います
で、撮り終わって気がつくと、びしょぬれ。。。
お疲れ様でした
夏とはいえ雨にぬれれば体が冷えます、大丈夫でしたか?
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雨煙が素敵です。 (弧鉄)
2010-08-28 10:30:44
お早うございます。暑さ厳しくも少し秋の気配を感じる様になりました。さて、今回の作品は凄い雨の中で撮影されています。「幽玄」が吹っ飛んでいます。でも、「撮影するぞ」との気合い、根性いや、意地を感じます。「有言実行」の「ユウゲン」ですね。そうでしょうここでの撮影は外せません。ところで、2枚目、草の都合からこの位置に釜を置かれました。そして、客車の後部がトンネルの中へと付連なっていますがトンネルで切れるのではなく雨煙の中へ消えて行き姿がとても良い感じです。釜も「トワ色」でなく良かった。言っても仕方なしですが客車の6両目が白帯だったらと思いました。それにしてもこの条件でも結果をしっかり残されるのはさすがですね。緑に被る雨煙これがいいなーと思った一枚です。
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すごい根気ですね・・・ (加古川125)
2010-08-29 13:59:17
こんにちは。豪雨の中、がんばって待っていらっしゃった管理人さんの根性がすごく感じられる写真ですね!!とても価値のある写真だと思います。
雨が降ることによって、81も客車もとてもかっこいい写真に見えます。さすがです!!!
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雨の・・・ (むくむく)
2010-08-29 16:34:41
毎度です。
雨の中ご苦労様、日本海も雨の中で撮ればまた
違う印象ですね、いやはや根性と根気ですね、
背景も好い所ですね。D5000雨の中大丈夫でしたか?。ますます好い写真を撮ってください。
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昭和鉄道少年さん (まむし)
2010-08-30 21:51:11
はい、この場所は外せないですね!(^^)!
なんとか1コマ撮影してまいりました。一風変わった写真になりましたが(この場所では)、よかったです。
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さくらねこさん (まむし)
2010-08-30 21:55:07
こんばんは。
水煙と日本海というと、さくらねこさんの長岡京の写真を思い出しますね。
雨が降り始め、うっとうしいなあと思いましたが、ここまで豪快に降ってくれてかえってよかったです。
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弧鉄さん (まむし)
2010-08-30 21:57:13
確かにこれでトワ釜だったら、泣きたくなりますね。ローピンでよかったです。
ここまで来ると、もう根性でいるしかありません。
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