1号旦那と知り合って10年ちょっとが過ぎ、毎日料理を作るようになって10年近くになる。24歳くらいの時に実家を出て27歳の時に完全な独り暮らしを始めた2号嫁だが、その頃は料理なんてほとんどしなかった。できないわけじゃないんだが、面倒だったし、会社の人に結構おいしいものを食べに連れてってもらえたり、仕事仲間や友人とご飯食べに行ったり飲みに行ったりすることも多くて、自分でひとり分をわざわざ作ろうという気にはなれなかった。ご飯だけ炊いておかずは買ってきたもの、という食卓も多かったなあ。
しかし、この27歳独り暮らしを始めてしばらく経ってから、それなりに料理をするようになった。おせち料理を作り始めたのもその頃だったような気がする。正月に遊びに来るような彼氏も友達も居らず、なのに三段重のおせちを作り、独りで食べきるという・・・今考えてもどういう動機だったのかよくわからないw
そんなこんなで、今は毎日のように何かしら料理しているのだが、たまに飽きちゃうのもこれまた事実。
ベテラン主婦の人が、旅行で食事する時とか外食の時に必ずといっていいほど言う(思う)のが、
『あー、やっぱり他人が作ってくれたものっておいしいなー!』
ってことなんだそうだ。
そういえばレストランのシェフってのも、家ではまったく料理をしない人が多いそうな。仕事として行う料理と毎日の食事は別なんだろう。家に帰ってまで仕事したくないってことか。そんなプロの料理人たちはたいがい『奥さんの料理が好き』なんだそうな。好きなことや得意なことを仕事にするのは、若い頃はいいなあと思っていたものだが、それを何十年と続けてくると、好きなことだったはずなのに仕事以外の時間ではやりたくなくなる・・・ってのはあるんだよな。
しかし、主婦にとっての料理というのは間違いなく仕事だと2号嫁は思っている。仕事なので、やらなきゃいかんのだが面倒な時や失敗するときもある。ゆえに面倒。もちろん中には料理をはじめ家事をするのが好きで好きで、という主婦のカガミのような人も居るのだが。
実際デブ夫婦の周りにも『家族においしいものを食べさせたいから、手をかけなきゃ! 手抜きなんかダメよ、家族の健康をあずかっているんだから』って言う70歳過ぎのおばさま(息子が居るのだが、できすぎるお母さんだからなのかどうなのか未だに独身で親と同居である)も居る。食事はもちろん、ケーキやジャムなんかもすべて手作り! いやあワタシのような手抜きエセ主婦なぞは『手をかけてなくてすいません・・・』と小さくなるしかない(*^^*ゞ
こういう愛情あふれるパワフルなお母さんを持つ男性だったら、ぐーたらな2号なんぞはとてもとても結婚できなかったろうなあ。
ここでふと考える。お母さんが料理に熱心で、いろいろなおかずがテーブルに並ぶのが当たり前の家で育った男性だったら・・・嫁さんになる人も当然のようにそれを要求される・・・だって彼にとってはそれが『当たり前』なんだろうからこれまたややこしい。
それで思い出したが、2号妹の昔の同僚で両親と同居している当時30代後半?の男性のハナシ。
その男性のお母さんは、毎朝彼のためにパンを焼き、バターを塗ってから彼の前に置いてくれるのだそうだ。
それを聞いた時は姉妹で
『うわー、じゃああれかね、結婚して奥さんがトースト出したら、あれ?バター塗ってないんだけど? とかって言われちゃうのかなあ{{{{( ▽|||)}}}}ぞぉ~~~~~』
という感想を抱いたものである。でも、多分そうだよな。それが彼にとっては当たり前だから。
さらに最近では『料理って楽しいじゃん』などとほざく男も増えているようだが、所詮男の料理は日常ではない。カレーひとつ作るのに肉から香味野菜からスパイスの配合までこだわって半日かけてみたり、パスタのゆで加減にやたらとこだわったりするヤツらは
『やっぱり手間と時間をかければおいしいものが作れるよな』などと涼しい顔で言う。主婦からすれば、だったら1年365日、毎日毎日朝昼晩の献立を考えて作ってみろ! てなことになる。気が向いた時だけ半日かけてやるような、男の趣味の料理とは違うのだ。
さて女性の中には別に料理が嫌いなわけじゃないんだけど、一生料理を作り続けるのかと思うといやになる時もある・・・というベテラン主婦の方が多いのではなかろうか。自分ひとりだったら何食べたっていいのに、家族の分を作るとなるとああ面倒! という・・・。
最たるものが我がシュートメ。
1号旦那の母親だが、若い頃は身体が弱かったため料理はほとんどしなかったそうだ。ただご飯さえ炊いておけばなんとかなるだろう、と思っていたらしく常にご飯だけは常にある家だったという。かといって別に料理ができないというわけでもなく、ひと通りきちんと作ってはいたそうな。
1号によると、子どもの頃は春巻きとか茶碗蒸しとかそういうちょっと手のかかるものだって作っていた頃があったらしい。
しかし、2号が嫁に来てからというもの、まったくといっていいほど台所に立たなくなった姑である。もともと1号旦那は早いうちに実家を出ていたので、あまり台所に立つことは無かったとは思うが、でもココロのどこかでこんなことを思ったのではなかろうか。
『やれやれ、ウチのバカ息子にもやっとお嫁さんが来てくれた♪ ああこれで食事作りの煩わしさから解放されるんだわ~』
・・・これって多分、何十年も家族のためにゴハンを作り続けてきたお母さんたちなら絶対に思うことなんじゃないかなあ。旦那サマのために、子どものために、毎日やりくりしてメニューを考えて・・・子どもたちが独立したって旦那のためのご飯はずっと作り続けなきゃいかんわけだし。
というわけで世の中のお母さんたちは、毎日面倒だなーと思いながらも、料理の本なんかをたまに買ってレパートリーを少しでも増やしたいと努力しなければならない。
なのに旦那は『今日おかずこれしかないの?』、子どもは『えー今日魚なのー』と文句を言う。
ああ、テーブルをひっくり返したくなる気持ち、今になってみるとわかるよ・・・。
さらに旦那に『ウチのオフクロは最低でも3品はおかずが並んでた』
などと言われようものならもう(ノ`Д´)ノ彡┻━┻
さてそこで今のデブ夫婦の状態を考えてみる。
米さえ炊いてりゃ何とかなる、というラフな育ち方をしてきたせいか、1号旦那は非常に楽なダンナである。
炊きたてのご飯があって、目玉焼き(彼の中ではベーコンエッグに2つ目玉が最高ランクらしい)と味噌汁(別にインスタントでも可)があれば大満足。おかずが何品無いとイヤだとか、魚はイヤだとか、そういうのはまったくない。何せ中学時代にご飯がぎっしり詰まったお弁当箱に牛肉のしぐれ煮と玉子焼きというおかずだけでも大満足だった子どもである。
おいしければいい、白いご飯がおいしく食べられればいい、という非常にシンプルなのが2号にとっては本当に助かっている。
10年も家族のために料理を作っていれば
『あー面倒くさい。作りたくない』てな時も当然ある。そんな時に『肉焼いてくれればいいよ~』『目玉焼きでいいよ~』とか『冷やご飯とカップラーメンでいいよ~』(これは最悪の組み合わせだがw)などと言ってもらえると『ああ、私のようなぐーたら嫁で申し訳ない・・・』と一応は思いながらも心底ほっとしたりすることもあるのだ。
食べることは大好きなのだが、家で食べる時は当然自分で作らなきゃならん。作った料理がことのほかおいしかったりするとそれはそれで幸せなのだが・・・。料理って作りたくなければお金を出して食べに行くか買ってくるかという選択肢しかなく、さらに外食や出来合いのものが続くとちょっと『料理を作っていない』罪悪感も伴う。ああ面倒・・・。食卓につけばさっと料理が出てくるお父さんや親と同居の独身男女、会社に行けば社員食堂で定食が食えるサラリーマン、好きだろうが嫌いだろうがお昼になれば給食が出てくる小学生たちがたまにうらやましくなったりもするのである。
料理を作り続けることって、主婦にとっては修行みたいなものかもしれん。一応は家族の健康も気遣いつつ、楽で、飽きなくて、イヤにならない程度に続ける術を長い時間かけて身につけるのかもしれんなあ。
そう思うと、2号嫁なんぞまだまだヒヨコ主婦なのだ~。まだまだ精進が必要なようです(*^^*ゞ