なぜか、電車内というのは、肩を揺らせて笑いをこらえなければならない事態によく出くわす場所である。
特にムスメと乗っている時はツボが同じなゆえ、「あとで!」と目配せしなければどうしようもない。
そのあとそれだけで一時間はイケル。
男子三人がナナメ前に座っていた。どうやら学生かなにかのようだが、熱心にサークルがどうした、という話題に。自分も経験があるが、話に夢中になると周りのことがだんだんと目に入らなくなって、とんでもない話を公共の場である車内でセキララに告白したりしてしまってる。
その男子たちは、特に真ん中にいる男子が「やっぱり、そんな中途半端なヤツがいるからいかん!」とか「そもそもなんでこのサークルを立ち上げたのかもう一回考え直してもらわんと困る!」とか「他のヤツにまで迷惑かかる!」とかとにかく熱弁を振るい、後の二人は「ああ」とか「おお」とか「うん」とか「そや」とか言ってた。他に喋ってる人がいなかったために、その声は車両中にこだましていたと思う。
「どこも似たような悩みがあるんやね・・」などど心の中で思っていたら、突然端で「おお」とか「「ああ」などとしか言ってなかった一人が「お前、裏じゃね?!」といきなり声を張り上げたのである。意味のなく、勝ち誇ったように。
それも真ん中で熱弁ふるってた子に向かって・・・場が凍りついたのは言うまでもないがその声が聞こえたと同時に「上目使い」でそいつが裏か確認している自分がいて「ギョッ」とした。
「え”!!・・・・・あ”。。。。」
裏だった。家政婦は、じゃなくて、ワタシは確かに・・・・見た!! 確認した。0.2秒で。
上着が・・・ああ、悲しいことに。それは夢じゃなかった。その子にとっては悪夢の始まりだと思われた。
今までの熱弁はゼロと化し、いや、それがあったからこそ、余計に・・・他二人の失笑(+ワタシの失笑←無関係)が耐え難いものとなっていた。
「ど、どうなるのこの展開!!」と緊張感を抱き、しかし「そんなの聞いてないよ、ワラッてないよ」と不自然なまでに下を向いて、ときおり「上目使い」で確認していた。
なんとそいつは何事もなかったかのように必要最低限に身体を動かして表に着なおし、またまた何事もなかったかのように「熱弁の続き」を始めたのである・・・・!
さすがじゃ~~!!!お見それいたしました!!
そして、別の日。
それはムスメと一緒に座っている時。前の席にはカップルが仲良く座っていた。その日は夜分遅く。。。な時間帯だったと思う。初めなにやらお喋りしていた女の子、彼の肩に「可愛く」もたれかかり、ウトウトし始めた。
ワタシとムスメは何気に「同時チェック」入っていたが、まあ、そこまではごく一般的なよくある風景で、なにか別のことを二人で話していた。
そして何分が過ぎたであろうころに、ふと前を見ると・・・・そこには見てはいけない光景が・・・!!!!
可愛くもたれかかっていた彼女は「爆睡」状態に陥り、肩の上にあるものは「かつら」かと思うほどに別の物体に変化。電車の揺れとともにそれも大きく揺れて、ある種、ホラー?!のよう・・・
おまけにスカートなのに「大股開き」に・・・
もちろん、「あとで目配せ」をしたワタシらだったけど、心底気の毒になってしまった。ああ、彼氏に嫌われてなければいいんだけど~~!!
ムスメは降りた後、「ヤバイねあれは!最初が可愛かっただけに。。。ワタシ絶対に彼氏が出来ても、もたれてウトウトは・・・やめとく!!」
そう、ムスメはキレイな顔しててもどこでも爆睡できる、という特技を持つため、ヒトゴトではなかったらしい。カワイくもたれてウトウトの先にあったものは。。。
ホラーだった。
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