▽村内家具店(本社八王子)は八王子市の中央高速道路インターチェンジ近くに「ホームセンター」を完成、今月十五日開店する。これは住まいとくらしの関連商品を集めた総合店舗で、住宅・家具・台所設備・電気・照明器具などのメーカー、専門店が十数社出店するほか、外車コーナー、旅行あっせん所、レストランもできる。また千台収容の駐車場を設け、米国並みに自動車客を主体にした買い物施設づくりをねらっている。(後略)
日本経済新聞、昭和四十四年九月二日夕刊のオープン予告記事である。この記事をはじめとして、オープン予告、オープン翌日にはとんどの新聞が村内ホームセンターの記事を写真入りで乗せてくれた。もちろんほとんどがパブリシティではなく、記事扱いであった。
念のために付け加えておくと、パブリシティとは、日本語で記事広告と訳される有料の記事であり、日本では、紙面の信用にかかわるという意味で、一流紙はパブリシティは扱っていない。一流紙の場合、広告とことわっていない限りパブリシティではないのである。
オープンのとき、一流各紙が記事にしてくれたのは、それだけニュース価値があったのであり、マスコミの報道は私に自信を与えてくれることになった。
昭和四十五年の三月から四月にかけて、読売新聞の多摩都民版に『頭脳で売ろう、シンクセール時代』という連続コラムがあった。その一部を少し引用させていただこう。
▽「あれから二年たちましたが、お買い上げの家具のぐあいはどうですか。もし悪ければすぐ直します」-と受け取り人払いの返信はがきを同封したダイレクトメール(DM)を出して客に安心を売っているのが、村内ホームセンター。(東京・八王子市)
「家具は寿命が長く、半永久的に使える。それだけに、引き出しのぐあいが悪いなどといった“欠陥”をそのままにしておくと、お客にいつまでも不愉快な思いをさせることになる。それは結局うちの店のイメージを悪くしてしまう」村内道昌同社社長はアフターサービスをきわめて重視する。
だから、全商品は一年間保証つきで、搬入後一週間以内なら返品、交扱自由。一年後には、前記のようなDMで、うかがいを立てて、“無理”して使っている客に、遠慮なく修理を申し出ることをすすめる。
しかもこれで終わらない。保証期間は過ぎても、サービスは、“セミパーマネント・サービス”、つまり、半水久的に責仕を持ってめんどうみようという。“永久”だとオ一バーになる。
「使える間、あるいは使っている間」だから、“半永久”と表現したわけだ。(三月十七日)
▽東京・八王子の村内ホームセンターのように、家具・インテリア、照明器具などを設置した四~十畳のモデルルームを店内に二十九室も展示して“生活空間を売る”店もある。これも部屋の中身そっくりを売ろうというわけである。
それぞれ、ねらう対象は違っても、客層や用途、目的あるいは、来店のひん度を基準にセグメント(細分化)したうえで、相互に関連した商品をそろえた店の特徴を印象づけている。単なる材料別や、物の属性別に売るのと違い、いわゆる“システムを売る”ことになる。(四月十四日)
この連続コラムで村内ホームセンターを紹介した部分は、シリーズ全体のごく一部分にすぎない。しかし、その内容は、シンクセールにふさわしいものだった。 次へ
日本経済新聞、昭和四十四年九月二日夕刊のオープン予告記事である。この記事をはじめとして、オープン予告、オープン翌日にはとんどの新聞が村内ホームセンターの記事を写真入りで乗せてくれた。もちろんほとんどがパブリシティではなく、記事扱いであった。
念のために付け加えておくと、パブリシティとは、日本語で記事広告と訳される有料の記事であり、日本では、紙面の信用にかかわるという意味で、一流紙はパブリシティは扱っていない。一流紙の場合、広告とことわっていない限りパブリシティではないのである。
オープンのとき、一流各紙が記事にしてくれたのは、それだけニュース価値があったのであり、マスコミの報道は私に自信を与えてくれることになった。
昭和四十五年の三月から四月にかけて、読売新聞の多摩都民版に『頭脳で売ろう、シンクセール時代』という連続コラムがあった。その一部を少し引用させていただこう。
▽「あれから二年たちましたが、お買い上げの家具のぐあいはどうですか。もし悪ければすぐ直します」-と受け取り人払いの返信はがきを同封したダイレクトメール(DM)を出して客に安心を売っているのが、村内ホームセンター。(東京・八王子市)
「家具は寿命が長く、半永久的に使える。それだけに、引き出しのぐあいが悪いなどといった“欠陥”をそのままにしておくと、お客にいつまでも不愉快な思いをさせることになる。それは結局うちの店のイメージを悪くしてしまう」村内道昌同社社長はアフターサービスをきわめて重視する。
だから、全商品は一年間保証つきで、搬入後一週間以内なら返品、交扱自由。一年後には、前記のようなDMで、うかがいを立てて、“無理”して使っている客に、遠慮なく修理を申し出ることをすすめる。
しかもこれで終わらない。保証期間は過ぎても、サービスは、“セミパーマネント・サービス”、つまり、半水久的に責仕を持ってめんどうみようという。“永久”だとオ一バーになる。
「使える間、あるいは使っている間」だから、“半永久”と表現したわけだ。(三月十七日)
▽東京・八王子の村内ホームセンターのように、家具・インテリア、照明器具などを設置した四~十畳のモデルルームを店内に二十九室も展示して“生活空間を売る”店もある。これも部屋の中身そっくりを売ろうというわけである。
それぞれ、ねらう対象は違っても、客層や用途、目的あるいは、来店のひん度を基準にセグメント(細分化)したうえで、相互に関連した商品をそろえた店の特徴を印象づけている。単なる材料別や、物の属性別に売るのと違い、いわゆる“システムを売る”ことになる。(四月十四日)
この連続コラムで村内ホームセンターを紹介した部分は、シリーズ全体のごく一部分にすぎない。しかし、その内容は、シンクセールにふさわしいものだった。 次へ