まえのりちゃん、読み聞かせとかもろもろ。

田んぼのことや、小学校での読み聞かせ、たまに仕事の事など書いています。

今月のチョイス

2023年07月29日 | 絵本

夏休みに入ってしまいましたが、小学校の1学期最後の読み聞かせは
2年生教室。
低学年さんでは何回も読んでいる、私のなかでは定番の「まめっこ太郎」の紙芝居。
いわゆる「小さ子ばなし」に分類されるお話です。
代表格の一寸法師よりも、かなり庶民的な(笑)お話です。
小さいのが災いして、「まあ小さいから、こうなるわな」というお話です。

小さ子話について、徒然と。

一寸法師はもともとずいぶんとずる賢く、自分のむぎこがしを寝ているお姫様の口元に塗り付け、
大臣をだましてお姫様をお嫁にもらう話です。この件は、明治時代に道徳的観点から削除されてしまいます。
うちでの小槌で大きくなった後は、出世して堀河の少将と呼ばれたという話が残っています。
一寸法師の生まれは大阪の住吉大社の近くだそうですが
大阪湾に程近い川から京都鴨川までおわんとおはしで、(上流に向かって)のぼっていくのです。
常識的に考えると、おわんもろとも海に流されるでしょうに。

五分次郎は大きくなるけど出世はしません。


たにし息子は、人間の子ではなくタニシを育てて、人間になる話。
すねこたんぱこ(たんぽこ)は、おばあさんのスネから男の子が出来て、馬に踏まれて巨大化する話(笑)
・・・などなど、呼び名が少しづつ違って、たくさんレパートリーがありますね。

そこで、類似話の一寸法師、5分次郎の絵本を持って、
ブックトークもしました。昨年、1年生の時に一寸法師の紙芝居を読んだ学年ですが
みんなそれも、よく覚えてくれていて、とても嬉しい!

写真は牛に食われる豆っ子太郎(笑)
子供が欲しい老夫婦が授かったのは、豆粒ほどの大きさの男の子。
大事に育てるも全く大きくならない子を、旅の男たちが見せ物にしようと
おじいさんに100両で売って欲しいと交渉。豆っ子太郎はずる賢いので
「うまく巻いて帰るから売っちゃいなよ」とお爺さんにささやきます。
まんまと100両手に入れたおじいさん、太郎は途中で草むらに隠れます。
途中、牛に食われ、狼に食われますが、腹の中から狼をそそのかし
自宅に誘導し、老夫婦が狼を叩き殺してしまって太郎はうまく自宅に戻りました。
太郎のおかげでお金持ちにはなりますが、大きくはならないし、
お姫さまとも結婚しません。

すごくテンポが良いお話で、ドキドキします。
子供たちもワクワクしながら最後まで見てくれた様です。


石のスープシリーズ

2023年05月13日 | 絵本

今年度も、読み聞かせの活動が始まりました〜!

私がスカウトした方が入ってくださったり、
若いお父さんが入ってくださったりと

今まで12名ギリギリで活動(6学年につき月2回ずつ)
していたので、ひとりずつの年間の活動回数は減るのですが
その分、内容は充実させていけるかなーと、今年もワクワクです。

今月は6年生!

珍しく、絵本です。紙芝居ではなく。

読んだのは「しあわせの石のスープ」
中国のお話です。
一緒に持って行った本は
「オオカミと石のスープ」
「せかい1おいしいスープ」
3冊を出して、その場で挙手で選んでもらいました。
圧倒的な名作、マーシャブラウンの「せかい1おいしいスープ」がこの中では
一番古い絵本で、ルーツに近いストーリーではありますが、ビジュアル的に不人気ですね(笑)
経年で色も褪せています^^;
オオカミと石のスープと、しあわせの石のスープで、クラスの半分ずつくらいに
意見が割れ、子供たちからもかなりの声が上がっていましたが。。。
最後は先生の独断と偏見で決定(笑)

ああ、技術の低さとメガネかけ忘れた事を反省です。
でも、すごくすごく、楽しんで聞いてくれていた様です。

民話、というのは本当に奥が深く、こうして本になってしまった時点で
すでに別物という気もしますが、
ポルトガル、スエーデン、中国、と(他にも多数あると思います)世界各地で同じルーツを持つ
お話が語り継がれているのは本当に面白いです。
写真左手前の「くぎのスープ」も石のスープとルーツが同じです。


絵本がなければ、こんな比較もできないし、各地で伝わっていることも
個人では知り得ることはできません。
でも、「何を伝えたいか?」は微妙に変わっているところもまた
とっても興味深いです。これが作者の意図なのか、国民性なのか^^
登場人物のキャラクター設定も、面白い本たちです。

世界の民話シリーズ「石のスープ」
他にも、たくさんの本が出ています。興味ありましたら読み比べてみてください。
おなかがぺこぺこの●●が言葉巧みにその土地の住民から感謝されつつ歓待を受ける話です。

「しあわせの石のスープ」道徳的。誰も損してない話。
「オオカミと石のスープ」狼の真の目的は?!受け入れた他の動物たちの人の良さ
「せかい1おいしいスープ」ルーツに近い、兵士が民衆を騙すけど悪い話ではない


凹2

2023年02月14日 | 絵本

1月に入ってから、今年度の小学校での読み聞かせ活動が中止と決定しました。
当然これだけコロナの感染拡大があるので、児童、ボランティア双方の
安全を考えればもっとも、と言いたいのですが。。。
学校側の事情で(詳しくはわからないけど)外部からのボランティアの
受け入れに、手がまわらないと言う事みたいでした。

コロナ禍という事で、メンバーで集まる機会もなくこの3年を過ごしている間
イレギュラーな対応や突然のメンバー変更や中止の連絡等、
また学校からのご提案もありオンラインでの読み聞かせに挑戦したりと、
役員さんには通常に増して大変な3年だったと思っています。

来年度からは、いつもの様に、地域のおばちゃんがもらえる10分間
子供たちが何も考えず のんびり楽しめる時間を。
私たちも楽しく活動ができればいいのになあと願います。
ボランティアの誰かに決定権もなければ
誰に責任があるわけでもないんですが
活動がなくなってしまっていてちょっと凹みます。

気持ちを切り替えて、こんな時こそ、次の活動に向けて
新作の紙芝居を作る時間にしたいです。。。

通常であれば、2〜3月は年度末に納める仕事で
年間で最も忙しい時期になるのですが、
今年は前倒しで早めに進行して納品が完了したものや、
年度縛りがないお仕事が多く、ありがたいことにピークが過ぎました。
12月から2月初旬にかなり大変でしたが、今お預かりしている仕事が
例年の1/3程度という感じです。

昨年からギャラリーのオーナーさんとお話をして、11月には個展を
開催させていただく事になってます。
ぼちぼちに、準備も初めていかないと間に合いません。
嬉しいことに、私の開催する11月に続き、12月は友人が押花作品の
個展をされると聞いて、何かコラボ展示ができないかと
一人でワクワクしています。

この数日、書けないことも多いけど、どうも気分が塞ぎこむことが
多いので、気持ちを上向きにシフトしていけるように
ちょっと休んだり、集中して創作する時間を作ったりの工夫はいりそうです。
失敗もいろいろあるけど、それもチャンスかもね^^

今日の午後は、おやすみ。
写真は一昨年、裏庭のお茶を刈り取って初めて作った紅茶に
乾燥なつめ、クコのハニーワイン漬を入れたオリジナルティー。
寝かせてみたけど、色も香りもそんなにありません^^;
今年の春に、紅茶作りリベンジしたいです


地域学習と紙芝居。

2022年08月08日 | 絵本

私の住んでいる地域は、かなり田舎です。
市内に小学校はいくつかありますが、どこも子供の数が減って、
近年統廃合を繰り返すので、児童数もですが学校の数自体も
約1/3程度になったのかなと思います。

そんな中でも、ありがたいことに地域の小学校は統合を免れ
児童数もこの10年近くほぼ横ばいで、
市内にある小学校では唯一、児童が全員徒歩通学ができています。

市内の小中学校ではバス、電車通学の子が多い中、
多少遠くても自力で登下校ができるというのはある意味
地域にとって財産だと思っています。
程度はあれ、地域と学校のつながりも多くなります。

話は戻りますが、ここはかなりの田園地域です。
道路の左右は田んぼや畑、山林が大部分です。
だけど、こんなに豊かな環境下にいながらも、自分たちの口に入るものは
スーパーで購入する事がほとんど。
親世代すら、食べ物のありがたみが感じにくい生活です。
幸い、我が家の米は100%自給自足ですが、
どの家庭でも昔の様に米は作っているという状況でもないです。
こんな地域ですら、米の自給率は5%くらいではないかと思います。
そうなると、田んぼの真ん中で育っているにもかかわらず、
子供たちが自分が普段食べているご飯と周りの田んぼや農業者とは
全く繋がっていないし、田んぼで稲がどうなってるか分からない。
もったいないな、と思います。雑木や草花、畑。野生動物との共生もしかり。
田舎で住んでいるのに、自然と生活が完全に解離しているんです。
これでは、都市部と比べてデメリットしかないです。
見て知っていて関心がないのと、聞いた事もないから関心がないのは
雲泥の差です。
子供がますます、地域から離れてしまいますね。。。

私は都市部で生まれ育ったのですが、生まれた所が好きです。
田舎で暮らし始めましたが、ここも大好きです。
ここに生まれ育った子達にも、最大限、そうであって欲しいと願うし
それって人生の幸福にも関係あるんじゃないかと感じています。
そのための、地域を知る材料として、この地域の農業については
小学校で語って行けたらなと思います。

私の思いをご理解くださり、ご協力いただいている
小学校と、学校運営協議会の皆様には感謝です。
紙芝居で、この地域特有のコメ作りや、お米についての話ができればと
鋭意創作中!


浦の嶋子伝説

2022年08月08日 | 絵本

8/7の世界ふしぎ発見で、なんと「京都府 丹後地域」がテーマになっていました。
この数年、「浦島太郎」についてずっとずっと、研究をしていました。
日本の昔話にしては、オチがなんとも腑に落ちないからです。
せっかく助けた動物に、恩返しをされる話は数あれど
いいことしてるのに、たった数日の報酬のために人生台無しなんて
あまりに理不尽です。

昔は漁に出ても無事に帰ってこられる事が保証されていたわけでないだろうし
息子をなくしたありふれた物語に、空想が添加されているのかな、とか
いろいろ考えたのですが、考える事はみんな同じで、多くの関連書籍がありました。
数冊読んでみた結果、共通しているのは

日本書紀、またはそれ以前から「浦島太郎」が存在していて日本最古の物語の部類に入る事。

ルーツは概ね京都府の北部、湾岸の町にいくつか存在し、浦島太郎を祀る神社も4社ほどある。

いじめられている亀を助ける話は明治時代にできたもの。

何を描きたいかは、時代とその時の思想にかなり影響されている。

詳細は別として、概ねそんな感じで私もかなり納得してしまったのでした。

京都府民として、地域の小学校で読み聞かせに使う紙芝居を不定期に作っているのですが
これはぜひ、作りたいと思ってこの数年、調べていて深みにはまってしまったという経緯もあります。

そこへ、
ご縁があって、SNSで知り合った方にご案内いただき、番組でも紹介された
「浦島神社」こと、伊根町の本庄が浜からほど近い「宇良神社」をご案内いただいたのはこの5月。

神社ゆかりの方ともアポをとっていただき、本当に面白いお話を詳細に聴く事ができた結果。。。
途中まで制作していた紙芝居の創作意欲が逆になくなってしまうという。。。
あまりに、奥が深く、私には手も足もでないなという印象です。
ここで挫けず、なんとか完成させたいと思う今日この頃です。
ストーリーもできているんですが、歴史的背景や思想の部分をしっかり聞いてしまうと
なんかいい加減な自分なりの解釈とかは入れるの難しくなります

何とか気を取り直して、せっかくなのでオリジナルの創作紙芝居として
今年中に作れたらいいなあ。。。。