モラルハラスメント・ブログ

モラルハラスメントな夫と壮絶なバトルの末離婚した二児の母のブログ☆モラハラブログリンク集もあります☆

うす甘い温室の中の、責任転嫁システム

2006年02月10日 18時51分52秒 | モラルハラスメント
昨日、兄妹一緒に入浴している風呂場から、
妹の泣き声が聞こえてきた。
結構大きな泣き声だったので、どうしたのか聞いていると
どうも兄が妹に水を掛けて、
嫌がるのにまだ掛けてを繰り返しているようだった。

先に風呂から上がった兄を呼び止めた。
「ねぇ、さっき○ちゃん苛めてたよね?」
「ええ、いじめてないよ?」
「だって、すごく泣いてたじゃない。なんで?」
「ううん、○ちゃん、泣いてないよ?」

冗談じゃない、と思った。私は声を荒げて真剣に叱った。
「ママ知ってるよ、○ちゃん泣いてたよ!どうして嘘つくの?どうして苛めるの?」
「ええと・・・わからんかった。ちょっと頭がボーッとしていた。」
苛めた上に、事実を認めず、証拠を突きつけると、
今度は責任転嫁である。責任能力がないと言いたげな発現である。
そんな風に育てた覚えはない、というのは親の常套句であるが
まさにそんな気持ちだった。
いや、間違いを正せばいい。ちゃんと言えばわかるはずだ。
悪いクセも幼いうちに矯正すれば治るはずだ。
「あのなぁ、○君。苛めるのはいい事、悪い事?」
「悪いこと・・・」
「妹泣かせるのは、いい事、悪いこと?」
「悪いこと・・・」
「嘘つくのは、いい事、悪いこと?」
「悪いこと・・・」
「なんで、そんな悪いこといっぺんにできるの?」
「ごめんなさい・・・」
「逆にそんなことされたら、嫌じゃない?泣いても苛められたら、嫌じゃない?」
「嫌・・・」
「じゃ、どうする?」
「これからいじめたりしない。」
「お友達に苛められたことがある○君ならわかるよね?」
「はい・・・」
大声で叱った後、妹に謝るよう言った。
すると息子。
「ちょっと最近俺、頭がおかしいねん。」
私は、立ち上がり、もう一度息子を呼び止めた。

「ちょっと待ちなさい。」
息子の言い訳が、許せなかった。
悲しくなると同時に、怒りが込み上げてきた。
私は真剣な顔で、さらに息子を叱った。
「自分が悪いことしているのに、言い訳なんかしたらあかん。
男は、自分の人生に責任取らないとあかん。
いや、人間は自分の人生に責任取らないとあかんのよ。
そんな風に、逃げたらあかん。悪いもんは、悪いんやから、反省しないと。
自分がボーとしてたとか、そんなつもりはなかったとか、
言い訳するより、ちゃんと反省しなさい。
悪いもんは、悪いんよ!!!」

神経質だろうか。
DVの果ての殺人犯人や、心中未遂で一人だけ生き残った父親が決まって
報道で同じ言い訳をする。
「殺すつもりはなかった。」
「自分も死ぬつもりだった。」
「その時のことをはっきり覚えていない。」
誰一人として、「申し訳なかった。悪いことをした。」などと謝罪する輩は居ない。
息子に、そんな人間に育ってほしくない。
人間誰しも、間違いはある。
間違いを犯した、あとが大切なのだと思う。
間違いを犯したときに、ちゃんと自省して、
自分の取った間違った行動に、真っ直ぐに責任を取る。
そういう人になって欲しいと思う。
だからいつもより厳しく私は、
息子にそんな人間になって欲しくないと本気で諭した。
息子は、顔を真っ赤にして、半べそかいて、娘の所へ行った。

「○ちゃん、ごめんな。」
すると、
なんと妹である娘が、泣き出した。
「お兄ちゃん、ごめんね・・・。・゜゜・(>_<)・゜゜・。」
「○ちゃんが、泣いたから、兄ちゃんが叱られて・・・」
「○ちゃんが泣かなかったら、お兄ちゃんが叱られなくて済んだのに・・・」
娘は、しゃくり上げて泣いた。
私は、これこそ大変なことだと、また立ち上がった。
「何言うてるの、○ちゃん!○ちゃんは悪くないよ!」
「どんなことがあっても、いじめられた方が悪いなんてことはない!」
「それは、絶対に忘れないで!○ちゃんが悪くても苛められる理由にはならないの!」
娘は、驚いていた。
でも、これまた二人を呼び寄せ随分話して、
誰が悪いのか、ちゃんとわかってもらったつもりだ。

大袈裟だろうか。
DVをする男や、モラハラをする男のまわりには、
またはそう成長する過程には、
それを容認する甘さが存在すると思う。
元義母は、スケープゴートになりたがる人で、
家庭内で起こる全てのことについて、自分一人で責任を引き受けていた。
例えば、孫(わが子)が風邪をひけば、
「おばあちゃんが薄着させたから・・・」
息子が事故をすれば
「おかあさんの信心が足りないから・・・」
夫に罵声を浴びせられても
「私が悪いから・・・私が悪いから・・・」
結果、
身近な人間がすぐに責任を取ってくれる
そういった好都合な環境システム設備の中で、
うす甘いモラ男が出来上がったのだと思っている。

事実、そのうす甘いシステムの中で育った息子が家庭を持った結果、
かつて家庭内で起きる都合の悪いことは全て私の責任とされ、
手柄はもちろん、元夫あってのことと自らが絶賛し評していた。
彼等は、自分で責任を取ることを知らないから、
周囲に責任を取ってくれる存在がないと生きていけない。
昨年の離婚に於ける度重なる話し合いの中で、
元夫の言い訳オンパレードを分析するに、
その完璧な責任転嫁システムを解析するに、
私の中で、そういう結論に至った。
「俺が目つきが悪いのは、無愛想に見えるのはおふくろがそう生んだせい。」
「俺が口が悪いのは、オヤジが口が悪いから、オヤジのせい。」
「お前に冷たくあたったのは、オヤジがそうしてきたから、オヤジのせい。」
「お前が受け入れてくれないのを責めたのは、おふくろは受け入れてきたから、おふくろのせい。」
「お前が年上で仕事のできる人間でなければ、こうならなかった。」
「もっと何もかも自分より劣る人間であればこうはなっていない。」
「結婚したのに勝手に出て行ったのはお前が悪い。」
「子供達がかわいそうなのは、全部お前が出て行ったせい。」
彼らは一人で立っていられない。
一人で立ったことがない。
犠牲者という支えあってこそ、立っていられる。
犠牲者あってこその、モラ男ということになる。

時が経ち
配偶者に愛想を尽かされたり、親に見離されたり、死別したりして、
その犠牲者が居なくなると、モラ男はたちまち、
アイデンティティの危機にさらされる。
自分で責任を取れないのだから、背負ったことがないのだから、
どこかにその背負ったことのない重いものを、転嫁しなければ生きていけない。
だから、周囲に責任をとってくれる人が居なくなったモラは、
「うつ病」など、自分の内部に責任転嫁する場所を見つけることが多い。
薬を飲んで、大変な状態だと、自慢する「うつ病患者」というのは珍しいらしいが、
モラの最終避難所である、ちょっとハテナの付く「うつ病」については、
その病気の重さを公表してこそ、意味がある。
「この病気がこんなに重いので、自分は責任が取れない。」と
行って回らないと、都合が悪いからである。
あくまでも、どこまで行っても、どんな犯罪を犯しても、
自分が悪いとは、言わないのである。

私は、子供だろうが一人の人間なのだから、幼い頃から
自分で自分の責任を取る機会を与えるべきだと思っている。
自分でしたことは、よくも悪くも、自分に返って来る。
だから、責任ある言動を取り、
得た果実も失ったものもすべて自分が責任を取る。
人生は、そういうものだと知って欲しい。
同時に、子供達に、
すぐに他人に責任を転嫁したがるような、
それができなくなったら病気に逃げ込むような、
そんな人間に絶対になって欲しくない。

逆に、娘は私や元義母に近い。
私や元義母というのはすべて、自分の責任にしてしまえば楽と、
幼い頃から全て自分のせいにして生きてきてしまい、
感情のゴミ捨て場になることによって、
その存在価値やかりそめの懐の深さを誇示してきたような人間である。
「仏のようないい人」と言われることもある。
他人に対し、けして怒ったり悪口を言ったりしないし、
右の頬を打たれれば、間違いなく左の頬も差し出すタイプだからである。
忍耐強く、辛抱強く、情に厚いように見えて、
計算高く、極めて依存的な人間である。
それも裏を返せば、極めて無責任なのである。
よく考えず、面倒くさいからなんでもかんでも責任を負ってしまう、
そういうことをするから、モラル=規範が狂ってくる。
自分の周囲のモラル磁場が、狂ってくるのである。

好んで責任を引き受け、それをチャームポイントと誇るオンナと、
人生の中でかつて一度として責任を負ったことのない無責任なオトコが出会えば、
それはもう完全なカップルとなる。
お互いにそのサガに気付かぬまま、
オトコが当り散らし、オンナが壊れるまで、
オンナがその過ちに気付くまで、歪みに気付くまで、
精神的な虐待は、モラルハラスメントは続けられるだろう。

娘にも、そんな余計な十字架を背負わせたくはない。
「キケン」と思えば即座にその場から離れる。
暴力を振るわれれば、直ちにその相手と距離を取る。
いじめを受ければ、それは理不尽だとちゃんと対処できる。
他人に境界線を譲りすぎず、また犯されず、
ちゃんとした立ち位置を確保できる、
娘には、そんな女性に育って欲しい。

今息子と娘が、並んで座ってハム太郎を見ている。
二人には、モラルハラスメントとは無縁な世界に住んで欲しい。
夫と二人で、この家庭の中で、
子供達の前で正しい人間関係を見せることで、
正しい人間関係を築ける大人になって欲しいと思う。

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13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
それは必要なこと (@fix)
2006-02-11 01:08:04
遅ればせながら1周年おめでとうございます。



私も日々の生活の中で「これはイカン!」と思うことがよくあります。まだ柔らかな思考ができる間に、ちゃんと教え諭さなければならないんですよね。



思春期は難しいです。堅い岩盤は見事にすべてをはじいて、何も染みこまない。それでもいつかわかってくれるかなぁと、かすかな望みを託して言うけれど。



小さくて柔らかな脳のうちに、(モラハラに)気がつくべきだったと常々思います。
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気持ち判ります (きくちよ)
2006-02-11 18:57:32
悪いことをしたのに、それをなんとも思わずシラをきって、追求されれば逆ギレという男の人にありがちな態度、何をされても私が悪いのよと泣き寝入りする女の人にありがちな態度、両方が日本人の普通の男女の姿っぽく見えてならないことが多いです。

女の子なんだから我慢しなさいと言われて、納得いかないことが多いです。反論するとただのキカナイ女扱いです。

女性にも人権があるということをみんなに認識して欲しいですし、我慢しなくてもいいことを我慢しなくて良い世の中になって欲しいと思います。

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深く考えさせられます (あずき)
2006-02-11 20:50:22
ものすごく考えさせられました。

夫の母もそうだったような・・・私の母も・・・

そして今の私の子供たちの環境・・・



どうしたらいいのでしょうね。

どうしたら、幸せになれるのでしょう。



モラハラを知ってる人には逃げろといわれ、

モラハラをしらない人には責められ・・・

本当に難しいです。

生命線を確保しつつ、軌道修正を願う私はきっとあまいのでしょうね・・・
返信する
刺さりました・・・。 (りんご)
2006-02-14 23:37:02
まっちーさん、お久しぶりです。

相変わらず素晴らしく核心をついた分析に感心させられてしまいます。

>忍耐強く、辛抱強く、情に厚いように見えて、計算高く、極めて依存的な人間である。それも裏を返せば、極めて無責任なのである。よく考えず、面倒くさいからなんでもかんでも責任を負ってしまう・・・

まさに私。ドキッとしました・・・。

自分では依存心は弱い方だと思っていましたが、確かに私は依存心の強い人間に依存されることで、自分の存在価値を見出そうとする傾向があるような気がします。
返信する
転用のお願い (りんご)
2006-02-15 00:21:36
すみません。

上記記事を少し転用させて頂いてもよろしいでしょうか??
返信する
読んでて辛かったです. (半三本)
2006-02-15 17:41:12
今回のお子様達のとった行動は,まるで自分の事のようで読んでて辛かったです.

私自身も,何も行動に移さない自分を「自分は馬鹿だから」などと言い訳をしています.

また,相手の言い分が1%でも正しいと,それを無条件に受け入れてしまいます.

先日からカウンセラの指示で自己分析を行っているのですが,責任を取りたくないという逃避癖が浮き彫りになっております.



結果を受け止めず,投げ出して,なかったことにしてしまいたい.

責任から逃げ出さなければ,一人で立っている事もできない.

貴方という人間はそんな弱い存在なのだ.

そう言われた様な気がして,ショックを受けております.



しかし最近になって,ようやく「責任をとるとは,罰を受けることではなく,結果を"正しく"受け止めること」なのだと思うようになりました.

逃げてはいけない.しかし,全てを受け止めてもいけない.

それが大切なのだろうと思います.



読んでて自分の弱さと至らなさを痛感したわけですが,これってきっといいことだと思うんです.

これからは,自分にとって辛いことでも受け止められるよう,気持ちを強く持って生きたいと思います.



これからも拝読させて頂きます.ありがとうございました.



返信する
過去の自分と重なりました (ちっこ)
2006-02-17 10:24:41
私の父親はモラハラでした

そんな中で育った私は正に義理お母様とそっくりに育ちました



そしてアル症の舅のいる家に嫁ぎました

依存症を気にするあまり、息子に盗癖が出た時

私は舅の様に物に依存する人間になっては大変と

息子を厳しく叱り、躾けようとしました



アル症の舅に傷つけられ命からがら逃げ出し

今度は息子の依存に苦しめられるんじゃないかという

恐怖感でいっぱいだったのです



自分ひとりがアル症の舅に傷つけられていると

思っていました

なぜこんな混乱に巻き込まれているのか説明もせずに

息子は子供なのだからと息子の傷に目をつぶっていたのです



わずか十歳にも満たない息子が「俺、おじいちゃんみたいになったらどうしよう」と言った時

私は自分の間違いに気がついたのです



生意気言ってすいません。



ずっと読んでいました

まっちーさんの生き方にとても勇気を貰ってきました

応援しています









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どうでしょう (通りすがり)
2006-02-18 22:50:48
通りすがりで失礼しますが、一言書かずにいられませんでした。



まっち~さんの意見、他皆さんの意見を読んでいて、

私の偏見でしょうか、どうも息子さんとモラハラ加害者を重ね過ぎているように感じます。



なぜならひどく叱りすぎるし、すべてを息子さん個人の問題にし過ぎていると思う。

子供が万引きをしたり、どもったり、いじめをしたりされたり、非行、ひきこもりなど精神的不安定は、家庭の影響も少なくありません。



子供は自分の気持ちを上手に表現して、母親に信号を送ることができません。

そうした信号を子供の個人の性格の問題にして、子供への無理解が更に子供を追いつめますよ。





問題行為の陰に潜む子供さんの心の問題にもっと目を向けてあげてください。

自分の子供を、加害者になるんじゃないかと疑いの目を向けること自体が、子供を信じない親の裏切りです。

絶対にやめてください。お願いします。



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はじめまして (ロビン)
2006-02-20 00:32:18
いつも読ませていただいています。今回の記事、「大袈裟だろうか」には「そんなことない!」と思いながら読んでいました。



通りすがりさんの書き込みで気になったのですが

>なぜならひどく叱りすぎるし、

そうは全く思いませんでした。まっち~さんが叱ったのは行動について、その後言い訳について、であって、息子さんの人格否定をするようなことは何も言っていませんよ。



>問題行為の陰に潜む子供さんの心の問題

を心配するから、きちんと対応されたのだと思いますが。



>加害者になるんじゃないかと疑いの目を向けること自体が、子供を信じない親の裏切りです。

疑いでなくて、しっかり見ている・見守っているのだと私は感じました。



子供を信じるって何でしょうか?「この子はいい子だ」と根っこのところで信じるのは大切です。でも、間違ったことをした時、それを叱るのは当然です。



>家庭の影響も少なくありません。

であるからこそ、まっち~さんは



>子供達の前で正しい人間関係を見せることで、正しい人間関係を築ける大人になって欲しいと思う。



と書かれているのだと思いますよ。
返信する
はじめまして。 (Yume)
2006-02-21 12:50:27
はじめて立ち寄らせていただきました。

ブログのタイトルをずばり検索して、ヒット!一部ですが読ませていただいて深く感じるところが多々あります。



私、25年間の結婚生活の何かがおかしい、間違っていると常に感じつつ過ごしてきましたが48歳で別居し、ごく最近になりこれは紛れもなくモラハラであると確信した次第です。

まっち~さんの鋭い分析、表現力にひっかっていたものが解けていくような感覚さえ覚えました。感謝です。



又、寄らせていただきます。

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