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子供の医療費、助成拡大続く 市町村3割、高校まで 日本経済新聞

2018年06月07日 | 医薬
子供の医療費、助成拡大続く
市町村3割、高校まで 日本経済新聞 朝刊2018/6/7 2:00

 全国の自治体が子どもの医療費に対する助成を拡大している。2018年4月時点の状況を調べたところ、すべての市区町村が助成を実施。このうち高校生まで助成する市区町村は全体の3割にあたる536に上り、厚生労働省の直近の調査(16年4月時点)に比べて4割増えた。特に地方で対象拡大が目立ち、住民獲得が目的になっている。医療費負担の過度な軽減は安易な受診にもつながり、医療費が一段と膨らむ要因にもなる。



 国が定める医療費の窓口負担は小学校に入るまでの未就学児が2割、小学生以上は3割。ただ市区町村が独自に助成し、無料にしたり受診1回あたり500円に抑えたりすることが多い。

 都道府県への聞き取り調査や自治体の公表資料をもとに今年度の通院医療費の状況を集計したところ、市区町村の9割が小学校卒業後も助成。16年と比べると高校生まで助成する自治体が4割増える一方、未就学児だけに助成する自治体は半分以下に減っており、対象を広げる動きが進んだ。

 医療費助成の対象が広がり始めたのは07年で、東京都が中学生まで助成する制度を導入。千代田区は11年度に高校生まで無料にした。これが次第に全国に波及し、今は福島県などは全市町村で高校生まで助成している。

 高校卒業後にも助成する市町村もあり、茨城県境町と奈良県山添村は20歳まで、北海道南富良野町で22歳まで対象だ。

 市町村の医療費助成はもともと乳幼児が対象だった。経済的な理由で受診を控え、子どもが亡くなる事態を防ぐのが目的だった。いまは人口減少に危機感を抱く自治体が住民を呼び込む手段になっているのが実態だ。

 今年4月に助成対象を18歳まで引き上げた大分県豊後高田市は「子育て施策の一環。定住促進も含めて人口増が目標だ」と説明する。山形県鮭川村は「他の市町村と足並みをそろえて子育て世代をつなぎ留める面もある」と話す。

 18年度の医療給付費は39兆2千億円と16年度に比べて1兆3千億円増える見込み。患者負担が無料になると安易な受診が広がり、医療費は一段と膨らみかねない。厚労省は全自治体が高校生まで無料にすると、医療給付費は助成がない場合に比べて8400億円増えると試算している。

 厚労省は独自に助成する自治体への「ペナルティー」として、国民健康保険の国庫負担を減額している。しかし歯止めはかからず、むしろ助成競争の様相だ。人口減で厳しさが増す自治体財政が悪化する懸念もある。

 医療費が増えるツケは保険料を納める国民や企業、納税者の負担増となって回る。育児支援として子どもの医療費負担を軽減するなら、高齢者向け給付を減らして財源を捻出するなど社会保障全体の再設計が必要だ。