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日本共産党 群馬・太田市議 水野正己のブログ
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国保税 限度額を最大4万円値上げ 法定軽減は拡大‐太田市5月臨時議会

2016年05月22日 | 市議会・市政ニュース

 
(表)国保税限度額値上げの影響試算

 5月13日に開かれた太田市5月臨時議会では、国保税の限度額値上げと法定軽減の対象拡大の専決処分(議会にかけずに市長が決定)について議案質疑を行いました。

 
国保税の限度額は、医療分で52万円を54万円に、後期高齢医療分で17万円を19万円に値上げ。介護分は16万円のまま据え置きとなります。

 
国保税の法定軽減は対象所得の上限を、2割軽減で(33万円+47万円/家族1人)→(33万円+48万円/家族1人)に、5割軽減で(33万円+26万円/家族1人)→(33万円+26.5万円/家族1人)(いずれも世帯主含む)に拡大。7割軽減対象所得は33万円以下のままで変更はありません。

 軽減されるのは国保税のうち1人につき課税される均等割と1世帯につき課税される平等割です。

金持ちとはいえない世帯でも
限度額値上げ

 
質疑で明らかにしたのは、限度額引き上げで負担が増える世帯数や引き上げ総額とともに、引き上げられる世帯が金持ちとはいえない世帯であることを示す独自の試算結果。法定軽減拡大で新たに軽減対象となる世帯数、軽減総額なども明らかにしました。

限度額は85万円から89万円に

 
国保税の限度額は、85万円(医療分52万円+後期高齢医療分17万円+介護分16万円)が89万円(医療分56万円+後期高齢医療分19万円+介護分16万円)に引き上げられます。

  限度額引き上げによる影響は、医療分で889世帯に約1,700万円、後期高齢医療分で589世帯に約1,000万円、合計で約2,700万円の負担増とされます。新たに負担増となる世帯の合計は、医療分と後期高齢医療分の単純合計とはなりません。

法定軽減拡大
新たに177世帯に680万円軽減

 また
健康医療部長の答弁では、法定軽減対象の拡大で、5割軽減では新たに99世帯が対象となり、その軽減額は約490万円、2割軽減では新たに78世帯が対象となり、その軽減額は約190万円、合計では新たに177世帯に総額約680万円が軽減される見込みとされました。

 
法定軽減対象の拡大で今年度の軽減対象世帯は、2割軽減で約4,400世帯、5割軽減で約5,200世帯、7割軽減で約9,900世帯、合計約19,500世帯となる見込み。

国保税限度額
3年間で12万円値上げ

 
私が質疑で指摘したのは、国保税の限度額がこの間、医療分、後期高齢者医療分、介護分の合計で、2011~13年度までは77万円だったものが14年度に81万円に、15年度には85万円になり、16年度には89万円になるということ。

 
そのうえで、国保税の値上げ抑制のため一般会計から、今年度予算で2.6億円、前年度(今年)3月専決補正予算で3.2億円を国保会計に補填したことを評価。その補填が更に喜ばれるようにするため、限度額引き上げを思いとどまるべきだったのではないかと市長に質問しました。

 
市長は、限度額引き上げは今年3月31日公布の国保法や地方税法の施行令改定で、事実上市町村に限度額引き上げが「命令」されたことによるもので、市町村は「命令」に従わないと国保への国の財政負担削減などペナルティが課される心配をしないわけにはいかないと答弁。

 
さらに市長は、限度額も引き上げたが、法定軽減対象の拡大で低中所得層への負担は軽減したので理解してほしいと答えました。

50代夫婦と
大学生2人、高校生1人の5人家族
借金の元利返済後の所得600万円で
国保税は4万円値上げの89万円

 
私は独自の試算結果(表)を示し、50代の夫婦と大学生2人、高校生1人の5人家族で、試算①の事業所得903万円、試算②の事業所得753万円、試算③の事業所得600万円の家族の例を指摘。

 
試算①では、国保税は昨年度も限度額の85万円でしたが、今年度は限度額引き上げによって最高額の89万円に値上げ。事業所得903万円といっても、事業主であれば借金があるのは珍しくありません。

 
事業所得は(収入-経費)ですが、経費には借金の利息は入りますが、返済元金は入らず、事業主は所得の中から元金を返済します。試算①では、仮に返済する元金が年300万円ほどなら、残る約600万円で大学生2人と高校生1人の教育費を含む生活費をまかなうことになります。

 
試算①のケースは、けっして金持ちとは言えません。そして試算①のケースでは、事業所得に対する国保税の負担割合は9.86%になりますが、今年度の群馬県の協会けんぽの健康保険料率は本人負担分で5.76%(介護分含む)。国保税の負担の重さがわかります。

50代夫婦と
大学生2人、高校生1人の5人家族
借金の元利返済後の所得450万円で
国保税は4万円値上げの866,200円

 
試算②は①と同じ家族構成で事業所得753万円。国保税は866,200円と4万円値上げ。借金の返済元金が年300万円なら残り約450万円で大学生2人と高校生1人の教育費を含む生活費をまかなうことに。

 
試算②のケースでは、事業所得に対する国保税の負担割合は11.50%。事業所得903万円の試算①より所得に対する国保税の負担割合が重くなります。国保税の限度額引き上げが逆進性をもっていることがわかります。

50代夫婦と
大学生2人、高校生1人の5人家族
借金の元利返済後の所得300万円で
国保税は2万円値上げの811,100円

 
試算③は①、②と同じ家族構成で事業所得600万円。国保税は811,100円で2万円値上げ。試算①、②同様に借金の返済元金が年300万円なら残り約300万円で大学生2人、高校生1人の教育費を含む生活費に。

 
試算③では、所得に対する国保税の負担割合は13.52%。もともと国保税は所得が低くなるほど負担が重くなりますが、限度額引き上げで逆進性がいっそう強まります。そもそも借金の元金返済をした残り300万円で大学生2人を含む5人家族が生活することはかなりの困難を伴います。

 
質問ではそれらの問題を指摘し、国保税の値上げを抑制するための一般会計から国保会計への今年度の2.6億円の補てん、昨年度(今年)3月専決補正予算での3.2憶円の補てんを大いに評価。

 
そのうえで、社会保険加入者や社会保険料の事業主負担をする企業などの税金を含めた一般会計から国保会計への補てんは「税の二重負担」という理論は成り立たないことも指摘。

 
そもそも企業の社会保険料負担の原資はその企業の売上・利益ですが、その売り上げ・利益は、国保加入者・事業主の消費も源泉となっていることも指摘しました。

 
国保加入の事業主が大企業の下請単価の買い叩きの犠牲になっていること、大企業の下請いじめで労働者を社会保険に加入させられない中小企業も少なくないこと、社会保険に加入すべき人が国保に加入している事実も考えれば、税金・一般会計から国保会計への補てんは当然です。

 
市長は、企業の売上・利益の原資が国保に加入する事業主の消費も含まれることは認めたものの、これ以上の一般会計から国保会計への補てんには難色を示しました。国保税の限度額引き上げの専決処分の了承を求める議案は、共産党以外の議員の賛成で可決されました。

 
質問では、自治体の医療費無料制度に対する国のペナルティである、市町村・自治体の国保会計への国の交付金削減に対して、市長として、市長会・町村長会・知事会とともに国のペナルティ廃止をさらに強く求めることも要求しました。

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