美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




場所は銀座のクラブ。奇形の家族の歴史が語られる朗読劇。語り部
はク・ナウカの阿部一徳...

陰惨な話ですが、登場人物の声色を使い分ける阿部さんの声を聴い
ていると不思議と嫌じゃない。ビジュアルを使って表現しようとす
るとこうはいかないのではないかな。

異形の愛。愛にもいろんな形がある。異形の愛。その形が似ていれ
ば固く結ばれそうな気がする。異形の愛。一方通行の愛もある。異
形の愛。だけどそれが届くことを、人は信じてやまない。異形の愛。
世界の端っこに棲む人々の物語。異形の愛。そこに投げ出されたも
のは、余計な形容詞を必要としない、愛そのもの。

いわゆるクラブの一室なので、演じる阿部さんとの距離がとても近
い。ラストの阿部さんの遠くを見るようなまなざしと私の視線が交
差した。眼鏡を通してみる阿部さんの顔が、照明の光とまざりあっ
て、デモーニッシュに見えた(例えればフランシス・ベーコンの絵)。

『異形の愛』阿部一徳のちょっといい話してあげる (銀座クラブ桃李) 6/9

劇団としては解散状態のク・ナウカですが、その遺伝子は姿かたち
を変えながら、いろんなやり方で生きていくのだな。
ク・ナウカシアターカンパニーのニュース

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