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美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




最近は若手主体の公演も多く、また、上演作品も現代劇から不条理、
コメディと多岐に渡っていましたが、今回は久々にク・ナウカだな
ぁ...と感じさせる公演でした。観劇は27日。

先週からの地震やら台風やらで、こうした生ものの公演を見せる方
々は苦労しているのではないでしょうか。この日も京浜東北線が止
まった関係で開演時間が少し遅れました。

会場は東京国立博物館。これまでの公演で、東洋館の地下、本館前、
と少しずつ歩を進めてきましたが、遂に本館に切り込むことになり
ました。今回は特別5室、今年の三月に中宮寺菩薩半跏像が展示さ
れていた場所です。

高い天井に方形の空間。舞台左手には初演にも登場した本の塔が天
に向かって直立しています。この作品は1999年の初演時に浅草のき
んとうんの下で観たのですが、舞台セットも含めて演出は初演とほ
ぼ同じではなかったかと思います。

芝居についてはちょっと言葉にできないや。

演出の宮城聰さんが千葉商科大学の先生を招いたアフタートークは
面白かったです。二人の先生がク・ナウカの芝居を言葉にしようと
する、それぞれのアプローチは対照的です。

男の先生は思い付きをどんどん言葉にすることで自分の中のク・ナ
ウカ像に形を与えていく様子です。ほんとかなぁ...と突っ込みたく
なるアイデアも多数なのですが、こうして思ったことをぽんぽんと
口にできる姿勢はうらやましいなぁ...と思いました。
# 自分はそういうことが苦手なので...

また、西洋の舞踏を専門にしている女の先生は、ク・ナウカの俳優
の体の動きはいつまでも見ていられると言い、その秘密に切り込ん
でいきます。思索しながらひとことひとことを紡いでいくその姿勢
に好感が持てました。今回、演出の宮城さんは『重心』に重きを置
いているとおっしゃっていました。芝居の言葉を体に通し、その中
から自分なりに動きを作っていく、例えば驚くときには重心が高く
なり、悲しむ時には重心が低くなる、そんな体の重心を意識するよ
うに演出しているということなのですが...

なるほどク・ナウカの芝居ではいつもムーバー(踊り部)の動きに目
が釘付けになります。動静のメリハリがついたその動き、時には動
きのないムーブメント、目を離せません。また、スピーカー(語り部)
や奏者が出す声や音もとても重要な要素で、打楽器の音は時に鼓動
のように聴こえ、あふれ流れる台詞は時に音楽のようにも聴こえま
す。視覚に集中していると、言葉が言葉に聴こえなくなってきます。
人の声の抑揚に身をゆだねるのがとても心地よい...こうした刺激が
私を中毒にする要素のひとつなのではないかと思います。

宮城さんはク・ナウカの芝居を焼き物に例え、焼く前はあれだこれ
だ創意工夫するけれど、一度、火の中に入れてしまうと自分の意志
とは離れたもの、まるで傍観者のようになってしまうとおっしゃっ
ていました。面白いなぁ...

宮城さんのトークはとても気さくで軽妙です。今年2月の『山の巨人
たち』での役者姿もなかなかでしたし、これからもどんどんフロン
トに出てくるのではないでしょうか...

トークの最後は宮城さんの女性観について...男の先生の『女優さん
にテロられたりしないのですか...?』という質問に『最近はうまく
なって...』という受け答え。テロってこんなところにも使うのか...!?
というか、今時の大学ではそんな行為が流行っているのか...!?
というか、宮城さん、以前は女性にテロられていたのか...!?

緊張する本篇の核心に迫る、和やかなアフタートークを聴き、心地
よい夜風に吹かれながら、上野公園を家路についたのでした...

これからも暫く、目が離せない劇団です。

ここ数年に観たク・ナウカの芝居...
節操がないバラエティ豊かです...
○2002年10月『欲望という名の電車』ザ・スズナリ
◎2003年7月 『サロメ』日比谷公園
◎2003年11月『マハーバーラタ』東京国立博物館東洋館地下一階
○2004年3月 『ウチハソバヤジャナイ』東京芸術劇場小ホール1
・2004年6月 『アンティゴネ』バンカート横浜1929ホール
・2004年10月『アンティゴネ』東京国立博物館本館前・野外特設舞台
○2004年11月『マクベス』ザ・スズナリ
・2005年2月 『ぼくらが非情の大河をくだる時』スズナリ連続公演
○2005年2月 『山の巨人たち』ザ・スズナリ
○2005年6月 『巷談宵宮雨』和敬塾敷地内 和楽荘
◎2005年7月 『王女メデイア』東京国立博物館本館特別5室

王女メデイア 8/1 まで...

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