ありがとうのブログ

毎日、家族や仕事関係の人たちとのふれあいで感謝していることをつづります。

ある書物の書評より感じたこと

2021年02月22日 10時07分56秒 | Weblog
 『つみびと』山田詠美
●今回の書評担当者●宮脇書店青森店 大竹真奈美


夏の猛暑の中で、ふと思い起こすことがある。
 過去に起こった、子どもの車内放置や育児放棄などの放置事件だ。炎天下の車内に乗り込む時や、息苦しいほど暑い部屋に居る時、「あぁ、あの子たちは一体どれ程苦しかっただろう」と胸が痛む。

 特に強く記憶に残っているのは、2010年、3歳女児と1歳9ヶ月男児を自宅に閉じ込めて約50日間放置し、餓死させた「大阪2児餓死事件」。事件当初は、居間の扉には粘着テープまで貼られていたことや、からしのチューブなども含め冷蔵庫は空っぽだったことなど、衝撃的でむごい話ばかり。やり切れない思いが燻り、未だ灼熱と共に記憶が炙り出されるのだ。

 本作は、その「大阪二児餓死事件」をモチーフに描かれた小説だ。
 タイトルの「つみびと」とは誰か。それは読む前からわかりきっている。「鬼母」と呼ばれた彼女こそ「罪人」に違いない、と。

 しかし、読後その確信が揺らぐ。むごたらしい事件を引き起こした怒りの矛先に迷いが生じるのだ。

 この育児放棄をした母親は、自らもネグレクトの母親に育てられている。壮絶な生い立ちの母を追うように自らも過酷な人生を歩む。ネグレクトがネグレクトを生む。負の連鎖である。

 灼熱の中、幼い子どもを部屋に閉じ込め、充分な食事も与えず、家にも帰らない。とてもまともな人のすることじゃない。そう、「まとも」じゃないのだ。しかし、そもそもまともな家に育たず、まともを教わることなく育った子が、一体どうやってまともな大人になるのか。それは想像以上に困難なことなのではないだろうか。

 子ども二人を死に至らしめたことは、何がどうあれ絶対に許されないことだ。しかし読み進めるうちに、自分はそれを責めることが本当にできるのだろうか?という疑問が生まれてくる。

 今の自分の人格は、なにで形成されているのだろう。生まれ持った人格は何パーセントくらいで、育った環境や経験は、今の自分にどのくらい影響を与えているのだろう。彼女と私は、たまたま人生で積まれたピースが違っただけなのではないか。そんな可能性の恐ろしさを感じずにはいられない。
タイトルである「つみびと」=「罪人」。
 脳内でふと変換された、もう一つの「つみびと」。それは、その罪に至るまで、沢山の苦しみや悲しみ、幾多の不幸が積み重なってしまった=「積み人」だ。

 我が身に全く同じものが積み重なり「積み人」となった時、同じような「罪人」にならないという確証などどこにもない。それと同時に、いつどのようにして、積む側の人間に加担することになるかもわからない。「つみびと」は思いのほか、ありふれているのではないだろうか。

 小説だからこそ読み解ける闇が本作にはある。闇の中で浮き彫りになる母子家庭の貧困問題、誰にも助けを求めることができない社会からの孤立感。彼女は、幸せになりたい、良い母親になりたい、きっとただそれだけだったのではないだろうか。その結果があまりにもかけ離れていてやり切れない。

 二度とこのような悲劇をくり返さないために、自分に何ができるのか。




この書評の方は、この悲劇を繰り返さないために、書評で取り上げて人々に知ってもらうことで考えてもらい、周りにそういう人がいたら、気をつけて見守ってもらえたらいい、と思ったのだと思う。
自分もそう思う。
自分も母子家庭で息子を一人育ててきた。
育児への国からの支援金やサービスを受けることができて、周りの友人や保育所、学校の先生たちにも助けられ、息子は自立するまできた。
子育ては楽しかった思い出ばかりが残って、今の自分を救っている。
息子が6歳くらいのこと、夜中に眠っている息子を置いて、友人の誘いを受けて街へ飲みに行ったことがある。
そのときに、息子が私を捜して家を出たり、マンションで火事がなかったのは、今でも感謝している。
そういう行動の間違いを自分もした。
だから、アパートや車において買い物へ出て熱中症にしたり、火事にあってお子さんを亡くした親御さんのニュースを見て、批難できない。
私の親としての間違いを反省し、人間として恩返しや使命を果たすことで、許してもらおうと日々生きている。
笑顔をふりまき、今、周りにいる人たちといい時間を過ごしたいと心がける。
ニュースに出てくる犯罪を犯したり、被害に遭わないことに感謝し、もしそういう人にあったら、その人の責任というより、その行動に至った何か背負ったものに対して、共感する。
そして祈る。
心が穏やかになるようにと、祈る。
道で子育てしているママに会ったら、微笑んで心で応援する。
声をかけられるようになれないか、と考える。

近い将来、外国でシングルマザーの仕事を支援するような仕事もしたいと希望している。
物書きもしたい、その支援もしたいと夢は大きく、準備は健康管理とこうやって書き散らしている。
ま、自分で考えついたことを次から次へとやっていく。

すべてに感謝。


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