4年に1度の今日
自分へのご褒美
ずっと行きたかった博物館へ
多少彷徨いながら住宅地を抜け
観光地の程近く
溶け込むように佇む目的地
お洒落な洋館に辿り着きました
お伽噺に出てきそうな扉を抜けて
一歩足を踏み入れた其処は
アンティークな空気の漂う異空間
大型のオルゴールに囲まれたカフェを横目に
カーブを描きながら伸びる階段を上り
薄暗い展示室へ
品良く並ぶ
美しい調度品として愛されたオルゴール
解説と共に
次々と歌い出す自動演奏装置
そのシンプルな仕組みからは考えられない
豊かな音が溢れだす
奏でられる優雅な旋律と共に
シリンダーからディスクへ
少数貴族の特権から多くの人へ
オルゴールの歩みを聴きながら
20世紀初頭の人々が
身近に音楽を楽しむ姿に思いを馳せる
その優雅な空間の裏には
職人の精密な技術と
弛み無い努力が透けて見えるよう
科学の進歩は凄いことだとは思いますが
電気も電子信号も使わずに
ディスクの自動交換やリピートといった
現代のデジタル音楽機器にも通じる機能
其れを薇の力のみで実現するカラクリ
昔の人もかなり凄い技術を持っていらしたのですね
一番驚いたのは
リードオルガンの音を奏でるオルゴール
シリンダー式なので
それほど大きくはない木の箱
なのに
オルガンの音が響く不思議
まるで魔法のよう
次に見たのは
アンティークの調度が並ぶ
居心地の良さそうなお部屋
インク壺 ビールジョッキ 椅子
日用品の数々に
オルゴールが組み込まれていて
カラクリ仕掛けの音楽に彩られた生活を垣間見ました
何て素敵な文化でしょう
そして
わたしの大好きなオートマタ
道化師とはいうものの
美しい造作の顔を持つお人形
じっと見てても飽きません
磁器の顔と精巧な衣装による人形としての美
精密なカラクリが演出する機能の美
組み込まれたオルゴールの奏でる音楽の美
オートマタって凄まじい芸術品ですね
装飾の施された美しい調度品
剥製が棲む鳥籠
見るだけでも十分に楽しい
でも
薇の独特の音
透き通った音色
豊かに響く旋律
耳を楽しませることに本来の魅力がある
オルゴールがますます好きになりました
外観も内装もとっても素敵な博物館
またいつか
足を運んでみたいものです