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英国はヴィクトリア朝をメインに創作関係や自サイト、雑記などを写真やイラストと共にお送りしていくのらりくらりなブログ。

ヴィクトリア時代の使用人 vol.17 男性使用人:ヴィクトリア時代の男性使用人

2007-05-21 12:36:15 | 使用人関係

さてはて、マナーハウスのDVD発売までもう数えるところまできているのにもかかわらず、やっと男性使用人に入ってる状況。DVDをさらに楽しめるようにという目的もあるこの記事なんですが、発売に間に合わない?けどよく考えたら発売特典に使用人についての記事があるんだったり。しかも森薫さんさやもとなおこさんや村上リコさんが書いてたりするのでそっちを読むほうが手っ取り早いという自滅的事実があるかもしれません。けど、それはそれ、これはこれ。携帯でも読めちゃう便利記事ということで納得しましょう。
ちなみにマナーハウスの公式ブログで森薫さんと村上リコさんがDVDについて語っている対談が掲載されています。特典の冊子とはまた違うものなので必見です。しかも前編!後編も気になるところです。そして説明を見る限りでは、どうやら男性使用人については冊子のほうということで自分としてはうれしい限りです。
で、今回からは男性使用人の項目です。使用人といえば女性はメイドで男性は執事というイメージが大きいですが、男性使用人は執事だけではもちろんありません。また男性使用人のイメージに多い、堅さが実は現実にはメッキがかったところがあったことがわかってきます。それでは今回は男性使用人全般についてみてみたいと思います。


◆ヴィクトリア時代の男性使用人

当時の英国では女性使用人はまさに使用人として扱われる存在に対して、男性使用人は使用人としての存在の一方で立派な家柄であることを示すために必要な高級な装飾品として扱われていた事実がありました。そのため男性使用人へ支払う賃金の額は世紀を追う毎に上昇し、また男性使用人にかかる雇用税が増加していき、彼らを雇用できる家庭は極一部となりました。そのために19世紀は特に女性使用人の時代でした。1881年の国勢調査の報告では住み込みの使用人の人数として女性使用人1,230,406人に対して男性使用人は204,032人というように女性の6分の1程度しか存在していなかったとでています。(パメラ・ホーン著 / 子安雅博訳『ヴィクトリアン・サーヴァント―階下の世界―』 p. 333.)

このように存在数が少ない男性使用人は貴重ではありましたが、彼らを雇う側もまた一緒に働く人々の間でもあまりよくは思われていませんでした。男性使用人は自分が「男性使用人」であるという特別意識を必要以上に持ち、さらに仕着せを着ている者は虚栄心に拍車がかかり横柄な態度をよくとっていたからです。また自らの仕事が役不足と感じれば手を出さないという怠惰な面も見られた。しかし、このような男性使用人たちは「本職の使用人」としての価値もなかったのはいうまでもありません。そのためにより洗練された男性使用人を手元に置くことは至難の業であったのは容易に想像できます。

男性使用人の世界にも女性使用人と同様に種類はありましたが、女性のそれと比べると少ないです。それは冒頭でも述べたように男性使用人の人数の減少で男性使用人の種類も減少したということと、雇用賃金の少ない女性使用人が男性使用人の仕事を兼務することで次第に男性使用人の仕事がなくなったということが挙げられます。



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