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英国はヴィクトリア朝をメインに創作関係や自サイト、雑記などを写真やイラストと共にお送りしていくのらりくらりなブログ。

ヴィクトリア時代の使用人 vol.12 女性使用人:奥様のおそばに

2007-04-11 14:36:52 | 使用人関係
先日エマのアニメ版の第二期に先駆けて一期の総集編を流したのですが、これってエマ8巻の特装版のDVD特典のアニメなんじゃ……。特装版のカバーより通常版のカバーのほうがよかった気がする自分としてはお得感から少し残念感が出てきたのは悲しい気がします。二冊買えばいいじゃん!という方もいると思いますが、残念ながらそこまでは自分も買えませんです。いつか森薫画集がでることをきたいしています。
んでは~、本題の女性の使用人第二弾です。今回からそれぞれの職種を見ていきたいと思います。順番は上位使用人から複数回に分けてのご紹介になると思います。かなりの駆け足な内容なのは例のDVDの発売までにせめて使用人の職種を終わらせてDVDを見る人が少しでも楽しめたらいいな~、なんて勝手な思いからのものですがわかってくださるとありがたいです~。では今回の内容をどうぞ~。
追伸(今までの記事内容などで質問などありましたらお気軽にコメントなどを残していただけるとありがたいです♪)


◆奥様のおそばに

1. 家政婦 Housekeeper

女性使用人の最上位であったのは家政婦です。女主人の代理として女性使用人の人事面、家計面の指揮をとる役目を負っていました。下級の使用人にとっては女主人と顔を合わせる機会がないことも多く、家政婦が女性使用人の実質的な主人にあたりました。家政婦の存在に関してはビートン夫人は『家政書』の中で以下のように述べています。


(家政婦は)家の第二の司令であり……自分自身を女主人の代理人として家政を取り仕切り……たえず不正や悪事が家庭に起こらないよう監視し、また使用人が快適であることを確認し、それと同時に彼らの仕事が適当に行われているかを管理する」(Isabella Beeton Mrs Beeton’s Book of Household Management  p.33 .)

このように家政婦は使用人に関しての最大の責任と公正公平さが必要とされていました。また家政婦の特徴としては、よく大きな鍵束を想像されます。家政婦は食料貯蔵庫、銀食器の入った棚、部屋などを管理する鍵の束を腰のベルトに付けていたからです。厳格な彼女が鍵をじゃらじゃらと音立てながら歩く姿は下級の使用人にとっては脅威の象徴とされていたといわれています。



主に家政婦の仕事としては、女性使用人の人事と指揮(ただし保母と小間使いを除く)、一家の家計簿の管理、リネン、陶磁器類の管理、食料品貯蔵室の管理、生活必需品の注文などが挙げられます。そして家政婦には食料貯蔵室女中という部下もいたため、彼女らにコーディアル(ハーブと砂糖を漬け込んでできるシロップをアルコールと混ぜた甘味酒)、ジャムなどの調合仕事を任せながら訪問客の滞在するための部屋を割り振ったりとしていましたが、全体的な大きな仕事は一家の家計簿の管理でした。


2. 小間使い Lady's Maid

家政婦の次に力を持っていたのは小間使いです。時に横柄な態度をとることもあり下級使用人たちは嫌っていましたが、直接女主人に仕えていたことが他の使用人たちを恐れさせたのです。小間使いに反抗したら、いつ女主人に告げ口されるかわからなかいからです。小間使いたちは給料も高く、また人数も少数だったこともあり、裕福な家庭にしか存在しなかったようです。

小間使いの職を得るためには少なくとも高度な裁縫の技術を要しました。なぜなら仕事は女主人の身の回りの全般であり、服の仕立て、帽子作り、化粧品の取り扱いまでにいたったからです。そのため彼女らは、読み書きができ、針仕事もうまく、宝石類や衣類を扱うことから道徳的な面が要求されるという高いハードルを越えなければなりませんでした。しかし高給であり、また他の使用人と違い制服も華やかな部分もあり若い女性の憧れの上級職であったようです。


また小間使いの待遇は良かったのですが、その職に問題がなかったわけではありませんでした。小間使いの年齢は若いことが女主人たちの間で望まれていたため、年齢が増える毎に給料も減額され、失業した後に小間使いとして再就職する可能性はあまり高くはありませんでした。そのため結婚退職を夢見る小間使いが多かったようでしたが、女主人に長い間仕えていた分、物の考え方がお高くとまっており、さらに料理もできないため、その職が結婚する障害となったのは確かでした。


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