この年齢になって初めて、クルマを買うことにした。
いままで持っていなかった理由はとても単純、お金がなかったから(苦笑)
20代の頃は、原チャリの免許だけで済ませていた。だから愛車も原チャリ。
20代最後の方は仕事で辛酸を嘗め、今でいう「ワーキング・プア」に。生活するのもおぼつかない日々、2台持ってた原チャリも1台は売り、細々と暮らしていた。クルマの免許もないのに、クルマの所有だなんて、考えもしなかった。友人たちはほとんど皆クルマを買っていたので、それに乗せてもらっていた。
…でも、意外に気にならなかった。クルマのことより、明日をどう切り抜けるか、今月の家賃を払えるか、そっちのほうを考えるので精一杯だったから。
30代半ばにさしかかるころになってようやく仕事が安定した。いままでやりたかったことに次々飛びついた。仕事がらみの勉強、音楽、バイク…
自動車の運転免許を取ったのもその頃。「仕事で必要になったから」というのが一番の理由。
クルマ自体は、子どもの頃から大好きだった割には、何だか淡白だった。
仕事でクルマに乗るようになり、また音楽活動で楽器を担いであちこち行くようになり、そんなこんなしているうちに、「クルマ欲しいなあ…」という気持ちも芽生えた。けれども、いろいろなことに手を出していて、蓄えがあまりない。むしろローンに追われる状態。クルマが必要な時は、レンタカーを使っていた。これはこれで、いろいろなクルマに乗れて楽しかった。
様々なローンもだいたい完済し、今はシルバーウィングのローンだけになった。少しばかり蓄えもできた。具体的に購入を考えても良いタイミングになった。「でも、維持費がかなりかかるだろうなあ…」そんな気持ちもあって、二の足を踏んでいた。
3月11日、あの地震が起きた。
報道で知る被害、仕事として利用者の生命を預かることの意味の重さ、利用者全員を帰宅させた後で自分が帰宅しようとした時の街の混乱ぶり…いろんなことを目の当たりにした。
自動車交通も大混乱したし、ガソリン不足も経験した。
けれど、高齢者となった自分の親、その親と暮らす弟夫婦の子どもたち、あるいは自分の友人や仲間たち、もし救い出す必要が生じたら…
そんなことを想ったら、
「自分のクルマがあったなら、何かできるかもしれない」
交通網は混乱するだろうが、それでも何か可能性があるだろうという気持ちになった。
そんなわけで、クルマ探しをはじめた。
どうせ手に入れるなら、以前から興味のあったタイプにしよう。
仕事でキャブオーバータイプに乗っていて運転がしやすかったのと、子どもの頃からバス好きでもあったので、箱型のクルマと決めた。
で、先日、契約に手をつけてきた。
こんなクルマ↓
…仕事で時々乗っているのと大差ない、古いハイエース(笑)
20世紀のクルマ(爆)
何がよかったのかというと…とにかくタフ。20万キロ乗っても壊れないエンジン。
世界中の途上国で見かけるくらいだから、ちょっとやそっとじゃイカレない。
私が仕事で使っているのは、ハイエースの福祉車両(後ろから車椅子を出し入れできるように改造してあるタイプ)。10万キロを超えているけれど、エンジンは快調。ただ、ドアが開かなくなったりしたけど(大爆)
納車はしばらく先だけど、ちょっと楽しみになってきた。