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「一八〇秒の熱量」山本草介

2024-01-16 | 小説・漫画他
新聞の割と大きな広告に三浦しをんさんの感想がデカデカと載っていて、それにそそられて読んでみました。

以前NHKのドキュメンタリーで何度か放映されていたそうですが、全然知らなかったです。
普段、72時間は割とよく見てるんだけど

いやはや、びっくりです。
こんな人がいるんですね。

そもそも37歳でボクサーは年齢制限があって辞めなくちゃならないっていうのを知りませんでした。
しかし例外的にそれを除外できるのがチャンピオンになった人というのがあって、それを目指す男性のお話なのです。

真面目なお人柄、温厚で人当たりがよく、練習や仕事をさぼることは決してない。
しかし、生活するためには仕事もせねば生きられず、夜は夜勤のIT管理系の仕事で働きづめだったり、寒い部屋の床に寝たり、ドトールで少し仮眠するだけ・・・ その後は毎日決まったボクシングの練習やランニングやルーティーンを欠かさずやってるって・・・
ほぼ寝てない(寝られない)日々、食事も最低限の質素で同じメニュー。暮らしぶりも質素。
本人も何故こんな長年ボクシングをやっているのか?解らない。

そして彼の心の支えになっている彼女さんも、またすごい!凄すぎる。

そして彼の幼い頃から今に至るまでの人生や経緯、体は大きいが気が小さくていじめられる事も多かったがレスリングで名をあげたら周りの見る目が変わった、父親は褒めるより彼をけなし自信を失う様な言葉が多かったこと、レスリングの先輩や友達が突然亡くなって死生観に大きい影響を与えた事など。

戦う事が嫌いで、人を殴ったりするのも嫌い。それでもボクサーとして30過ぎてもやっていこうと思うのも凄いよなあ。
彼を支えてくれたボクシングジムのスタッフさんたちも凄いよ。

オーストラリアで対戦の時の飛行機手配(やたら遠回りで疲れるルート時間)やスケジュール等、勝つために対戦相手を弱られるための作戦はイヤだな・・・。

★以下ネタバレ★



そして最後、彼がボクシングを辞めて6年が経っての現在の状態。
燃え尽き症候群になってましたね・・・。
彼だけじゃなく、この作家の方も少々そういう影響を受けてたみたい。
仕事はまだ同じ会社の契約社員で、結婚して穏やかに暮らしてはいるんだろうけど・・・。

以上

一八〇秒の熱量 2020/7/20
山本草介
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