宮下奈都さんの小説のファンなので、新作が出るたびに読んでいます。
本作は、私も化粧品ではないけれど、販売員の仕事をした経験があるので、割と身近に感じるお話だったのですが、なんだろうなぁ~、なにか物足りない感が・・・。
一緒に働いている馬場さんや、学生時代の幼なじみの鉄仮面ちゃんも、妹や母も、みんなのもうちょっと突っ込んだ処も読みたかったな・・って思いました。3つ☆
そういえば、宮下さんの「スコーレNo4」の時も、姉妹と、靴の販売員という設定でしたっけね。メロディフェアの音楽と共に上がって(帰って)ゆく夫と子持ちの先輩の販売力と人気の凄さに凹む。そして自分の前に働いていた美人スタッフが、何故辞めちゃったんだろう・・?とずっと気になっているけれど、聞けない・・。など、販売職に就いた経験がある人なら、共感するシーンがあるはず。
美容部員という職業の、化粧品会社にも人気のランクがあって、働く場所もデパートが花形で、田舎のショッピングモールだと、なんか格が下がる様な気がしてしまう・・っていうのは初めてこの本で知りました。私も子供の頃、資生堂が大好きで花椿を毎号読んでいたことや、マリークワントで初めてフルメイクをしてもらって嬉しかった事、お化粧品を買うのが大好きだった事など色々思い出しました。
ところで、幼なじみの友達が、鉄仮面のように濃い化粧でバリアを張る様になった理由が、どうもバシー!っと来なかったんですよ。。勉強も運動も出来て元気ハツラツに生きて来てたのに、小学校5年位以降から急に回りの尺度が変わった様に感じた・・女の子は可愛い事が一番になってしまい・・って言う処があったのだけれど、そうなのかな・・?私はそこまでそう感じた事は無かったけれど・・。宮下さんのお話に出て来る女性の中には、小学校時代そこそこ何でも2番目位に出来て、こわいもん無しだったってキャラがそういえば「紳士服の~」でも出て来ていたっけ^^
ミズエさんというお嫁さんと同居している浜崎さん。化粧品を買う気も無いけれど、愚痴の相手をしてもらうために、しょっちゅうやって来る。う~~ん、、こういうお客様は困るよなあ・・・。
家を出て行った父親と、その恋人の印象=赤い口紅
その出来事に対する、幼き姉妹や母の気持ちには、ドロドロした物語が色々あっただろうと思われるのだけれど、そのあたりはあまり触れられていません。そこをあえて控えめにとどめておくのが、宮下流なのかもしれませんね。性的な事もあえてあんまり描かない作家さんかな~という印象^^ 下世話な雰囲気にはならず、品良い感じの小説というか。
とはいえ、いつかドロドロした内容のも、一回読んでみたいな~
「asta」という雑誌に掲載されていた小説
「メロディ・フェア」 宮下 奈都 / 2011-01-14
「田舎の紳士服店のモデルの妻」
「太陽のパスタ、豆のスープ」
よろこびの歌
宮下奈都「新しい星」、恒川光太郎「夜行の冬」
「遠くの声に耳を澄ませて」
「スコーレNO.4」ネタバレ感想
読んで、同感です。
「鉄仮面」や「赤い口紅」をメインに据えた、角田光代さん流ではなく、宮下奈都さん流にディープにつくりこんだといえるような小説、本当に読んでみたいですね。
確かに宮下さんの小説は上品な読み心地ですね。
私は妹があそこまで頑なな理由がよくわからなくてもやもやしてしまいました。
同級生のエピソードもサラリでした。
ドロドロしすぎるのもしんどいので、たまにはこういうのもいいのかな?
でももうちょっと書き込みがあってもよかったような…
実はこの本を読みながら、角田光代さんなら、ドロドロに書きまくるんだろうな~なんて、ふと思いました。 彼女も姉妹ものや、幼い頃にかいま見てしまった、母の女としての一面・・・みたいなのを何度か書かれていらっしゃいましたよね。
宮下さんの、角田さんとはまた違った感じのドロドロ、是非読んでみたいです。
さっき、ちきちきさんの処でも書いて来ましたが、私は幼い頃~10代の頃は化粧品が大好きで、よく色々買っていたのですが、大人になってから、あまり買わない様になりました。普段はファンデと口紅と眉をちょっと整えてビューラーって位なので・・。
海外旅行の空港みたいに、自由に見れる場所だと気楽なんですが、デパートのお店なんかだと、緊張して入れない!って感じです・・。うわぁ~この人、すんごい手抜きな化粧、って呆れられそうです