「太陽のパスタ、豆のスープ」 宮下奈都

失恋した２０代後半の普通のOLが、段々元気になって行く話。毎日のごはん作り、自分じゃなくても誰でもが出来ると思っていた事務職、それがつまんないものじゃなくて、大事だと気がつくようになる、とても良いお話。４つ☆半
宮下さんの文章には、はっ！とさせられる部分や、あ～～解るなぁ～という部分が色々あって、そこが大好きです。

今回の小説は、自分が若かった頃は気がつかなかった母への感謝の気持ちと、現在はご自身も母になられ、こういう風にいつか子供が思ってくれる（気がついてくれる）日が来たら、嬉しいな・・・っていう両側の気持ちを感じる事が出来るお話でした。
毎日ご飯を作り、洗濯をするということ・・。そんな日常が実は重要でそれを続けるというのは大変だということ・・・。

131ページの、自分が以前いた部屋が、母様に模様替えされていたのに気がつく。DVDでイタリア映画と、イタリア語講座の本が・・・。
母の部屋というのは無かった事に気がつく、家事をしてその合間にはのんきのお菓子でも食べてるんだろうと思ってた。昼間何をしているかさえ知らなかったし、耳もかたむけなかった、知ろうともしなかった。

それと、会社の友達の郁ちゃんが豆についての活動をしていた・・・。弟がソムリエの資格を取ろうと勉強していた・・・。身近な人が自分の知らない世界や、活動をしていたのを知って焦る・・・。

★以下ネタバレ　白文字で書いています★
郁ちゃんの知人の男性が、一目惚れしちゃった・・・って処では、あ～～もしかして、その男子とめでたし、めでたし・・・って展開になっちゃうんだろうか・・・・って心配になったけれど、さすがの宮下さん。そんなありきたりで陳腐な展開にはしてなかったところも嬉しかったな。
ただ、友達みたいなお姉さんみたいなロッカさんは、良い感じに肩の力が抜けてる人で、とても良い存在っていうのは解るんだけど、でもなんだか、あまりに頻繁に出過ぎて（やって来過ぎっていうか・・）私は、あまり好きってわけじゃなかったかも。以上

自分のやりたい事や夢などを紙に書き出してリストにする、っていうのはなかなか良いっていうのは以前より何かで聞いてました。逆に妙に落ち込んだり、不安が一杯で凹んだ時も、リストに箇条書きに書き出してみると、冷静に見れて、これだけなの？って気が軽くなれるそうだとか。


太陽のパスタ、豆のスープ 宮下 奈都 2010-01
突然彼に結婚破棄される明日羽。ショックでどん底に。叔母のロッカさんは、やりたい事“リスト”を作るよう勧める。そんなこんなで、引っ越しもしてしまうわ、新婚旅行の為に取る予定だった休暇も何をするわけでもないが自分のために取ってみる・・。

よろこびの歌
宮下奈都「新しい星」、恒川光太郎「夜行の冬」
「遠くの声に耳を澄ませて」
「スコーレNO.4」ネタバレ感想