これは3月24日に掲載した記事を再度アップしたものです。
「東北大学田村裕和先生の見解(2)」という記事と合わせて読んでいただければ、放射能に関してより良い理解ができると思われます。
東北大学大学院理学研究科物理学専攻教授の田村裕和先生に、水道水の放射能汚染に関する質問をメールで行った所、返事をいただきました。
返信内容を公開するという了解を田村先生にいただきましたので、このブログで公表したいと思います。ですが、あくまで田村先生の個人的見解という形にしてほしいということです。
以下、田村先生のメールの転載部分となります。
○○さん(○○には私の個人名が入ります)
ご心配はよくわかります。宮城県は発表されるデータが少なく、
野菜の放射能を発表しないなど、対応がおかしいですね。
みなさん不安に思うのではないでしょうか。
水道水や野菜の放射能を定量的に測るのは簡単ではありません。
いま私はサーベイメータで簡易測定をしているだけなので、「たくさん入っていない」
ということだけはすぐ分かりますが、今の仙台の水道水や野菜のように
おそらくごく微量しか入っていない場合は、バックグランドと区別がつきません。
我々は、γ線のスペクトルを正確に測る装置があり、どの核種がどれだけあるかも
わかるのですが、野菜の測定などに使われている専用の装置ではないので、
校正が難しく、震災のあとまだ装置の準備ができていないこともあって、
ベクレル数に換算することは簡単にはできません。
この数日中には始めたいと思っているのですが。
なお、私のデータや、他の施設のデータをみると、15日の仙台の雪に
少ないながら放射性物質が含まれていたことは明らかで、
実際に雪を吸い込んだ土壌の線量が上がり、その後ゆっくりとしか
下がっていません。(ヨウ素131の8日の半減期に対応しているように見えます。)
なお15日以降は放射性物質がほとんど降っていないことも明らかです。
放射線量から考えると、仙台に降った放射性物質は、
茨城県や栃木県などに降った量よりは少ないと思われる
ので、野菜や水道水への影響も少ないだろうと思っています。
いずれにせよ、健康への心配はないでしょう。
しかし今日の東京の水道水の話はショックでしょうね。測定値が
ない以上、仙台の水道水も心配になるのはもっともです。
今後、測定して公表できないか検討したいと思っています。
同様の測定を進めつつある東北大サイクロトロンRIセンターとも
相談してみます。
田村裕和
以上が先生のメールの転載部分になります。
田村先生、非常にいそがしい中、このような丁寧な返信をいただき、ありがとうございます。
また、ネット転載の了解もしていただき、本当に本当にありがとうございます。
専門家の意見に、私が何かしらのコメントをすることは非常に失礼だと思いますので、この記事はここまでにさせていただきます。
今後も、チェックしていこうと思います。
よろしくお願いいたします。
ご期待にそえるかわかりませんが、できる限り頑張っていきます。
海外からに「田村教授のサイトをみるように」とメール画は入り毎日それをみておりました。東京の水道水のことで不安を抱き、仙台市水道局に電話をしましたら、計測する器機がないと知り愕然としました。思わず東北大の田村教授にお願いして早く数値を出して頂いてTVで住人に知らせて下さいと懇願しました~たまたまなのかやっぱりなのか~どなたの計測なのか分かりませんが、、、翌日に(昨日)「計測の結果~安全です」と県知事が発表しましたので安心しました。
これからも毎日見させて頂きます。ありがとうございます。
私は大学からのメールで田村先生のサイトを知りました。測定を行っている田村先生とそこにいる人たちにはただただ感謝ですよね。
私は今宮城県外に住んでいて被災はしませんでした。
しかし実家が仙台でして、震災前から離婚をして2歳の子供を連れて仙台に帰ろうと思っていました。
今の場所にいれば放射線のことなどまったく気にせずに外にも連れていけますが、仙台では考え方の違いはあれど外で遊ぶのはためらわれる親御さんが多いのではないでしょうか?
知り合いは窓も開けずに生活しているようで、どの情報を信じていいか解りません。
仙台での子供がいる生活の様子を教えていただけませんか?
洗濯物も外に干せない状況でしょうか?
あえて仙台に移り住むなんて間違ってるでしょうか?
どうかご助言お願い致します。
今の仙台では、小さな子を持つお母さんは食べ物に気を使っているくらいで、震災前と変わりなく、子供を外で遊ばせているし、砂遊びもさせています。(うちの近所の子は・・・です)
もちろん、外遊びをさせないお母さんもいるかとは思いますが、私の周りには聞いたことがありません。
一応、(普通ですが(笑))家に帰ったら手洗いうがいをし、ちょっと汚れた服は着替えさせています。
洗濯物も外で干してますし布団も干してます。
食べ物は、昆布をご飯に入れて炊いたり、産地は妥協しながら安心と思われるものを買っていますが、近所のスーパーでママ友のカゴを覗くと気にしてない方が多いようです。
放射能の会話はあまりしません。
たま~にしているくらいです。
(週に5日会って、週に1回10分程度かな)
それより、便秘の息子の排便が気になる今日この頃・・・。野菜沢山食べさせてます。
紫ノ森さんもおっしゃっていましたが、ストレスの方が体に悪いと私も思っています。
仙台に来ることによって、放射能が気になりストレスを感じるのであれば安心な土地での生活のほうがいいかもしれませんね。
もし、周りが気にしていない環境なら大丈夫なのであれば、仙台のご実家に戻られるといいと思います。
小さなお子さんを持って大変かもしれませんが、頑張ってくださいね。
…だそうです。仙台の汚染状況をご理解頂けましたでしょうか。
村井知事も凶悪で宮城県の汚染状況を測定させずに農産物や畜産の汚染やホットスポットの状況なども隠蔽しようとし続けています。ある意味でメディアで報道されている福島の方が、安全である、と言えるかもしれません。
私の妻は仙台人ですが、原発より遠い関東に二児ともども移住させています。汚染されていそうな野菜は食べさせていません。牛乳は絶対禁止にしています。
金銭的理由や家族との兼ね合いで仙台から避難できない状況の人にとって、
「貴方達は仙台で被爆してください」
と言っているかに見えます。
もっと他の言い方があるのでは?
少し場が荒れだしたため、口を挟ませてください。
私はこのブログを「原発に関するあらゆる立場に関わらず、仙台に住んでいる人に取って、判断材料になるような、そして建設的な思考を手助けできるような情報を提供する場所」と考えています。
その観点から、田村先生に批判的なコメントに関して意見するならば、「真偽のほどはわからないが、このコメントはきちんとした科学倫理観を持たない方が、ただ感情任せにコメントしているにすぎない」と断じてしまっていいと思います。
もし、このような見解を正しく皆様に伝えるならば
「チュルノブイリの第3地域~第4地域のレベルはこれぐらいの危険性がある」
「そして、ロシアの場合、このレベルではこのような対策をとった」
「今、このレベルの汚染地域は、この地域が該当し」
「日本ではこのような対応が取られている」
「ロシアの場合と比較した時、(不十分だ)(十分だ)と思う」
という、一連の流れを述べた後で、もし、田村先生に対し批判する意思があるなら
「私はこのような理由で、田村先生の意見、立場に反対します」
とするのが筋でしょう。
実は、私はこの話を以前から把握していましたが、情報ソースが「第三者の口からの伝聞」の形でしか示されていなかったため、気に留めていませんでした。この情報を完全に否定することは私にはできませんが・・・
少なくとも、旧帝大系の一教授(研究室のトップ)が面識のない人たちに向かい出前授業を行い、丁寧なメールのやり取りをして頂いているだけでも非常にありがたいことです。教授職は非常に激務です。その中で、このような対応をしていただいてることを考えると、私は田村先生の人柄を察し、「信頼できる方だ」と思っています。私はそう思います。