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ダンカイリー氏の前作「ピーターパンシンドローム」では、 わがままいっぱい夢を追い続け、大人としての責任を回避し、大人になりきれない男 が引き起こす社会的心理学的問題を取り扱っている。
一方、この「ウェンディジレンマ」では、このピーターパン型男を好きになってしまうウェンディ型女性を扱っている。
ウェンディ型女性は、極度に責任感が強く、責任を取りたがる「殉教者精神」を多分にもちあわせているのだ。
夫に不満があっても、夫を失うまいと一言も文句を言わないのである。
自己犠牲を自分のアイデンティティとするために、自分の心から欲する男ではなく、大人になりきれない男に惹かれ結婚してしまうのだ。
この精神状態は歳をとれば成長するわけではなく、逆にとればとるほど、恐怖や不安を母親役を演じることで隠そうとするのである。 (なるほど、父親がダメな男だと、娘は父親と同じようなダメな男に惹かれてしまうというのは、岩月謙司の分析と一致している。詳しくは,かれの著「女は男のどこを見ているか」を参照してもらいたい。)
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なぜ、はたから見てどう見てもおかしいこのような精神状態に成長してしまうのだろうか?
それは、その女性の父親が原因であるとダンカイリーは分析する。
ウェンディ型女性の別の特徴として、「自分は人より劣っている」というネガティヴシンキングを常にしているのだ。
そして、常に世間体を気にしながらいい母親を演じて生きているのだという。
それは、そのウェンディ型女性の父親が未成熟で、子供じみた態度で妻や娘に自分のわがままを押し通す男であった!
あれこれと、操作をするタイプなのだ。
大人のフリをしているだけなのだ。
そのためウェンディ型女性は、じっと感情を押し通すことを強いられてきた。
感情を大切にすることは女々しいと教えられれば、それを吟味することなくそれを踏襲してきた父は、愛情や温かみなどのメッセージをくれたことがないのである。
このような環境で育った女は、どうすれば気に入られるか考えるようになる。
人を愛そうとしなければ自分はもっと幸せになれると思うようになる。自分の才能を仕事で発揮することで、それを気にしないで暮らすように努める。
そして、他人に気に入られるように努める。
この繰り返しを永遠に繰り返すのだという。
しかし、このような精神状態でしあわせなはずがない。
いずれは伴侶になったピーターパン型の男との破綻が待っている。
その破綻のパターンの類型は第三章に8つの例が出ている。
このような女性が、ウェンディ型の状態から抜け出して自立した女性になるためには、どうすればいいか、自分がウェンディと思う女性は、第四章にいろいろと書いてあるので、そこを参考にして実行してもらいたいものである。
なるほど、これまでの多くの心理学者の指摘するように、パーソナリティの形成は親からの影響が大きいのは間違いないようである。
しかし、この本を読んで痛感したのは、親になるのは大変難しいということであり、誰でもがなるべきではないということである。
ピーターパン型の父親の下で育てられた娘は、これほどにも精神的にきつい人生をおくることになるのだというのがよくわかった。
不幸な女性を、この先、生み出したくないという男性は、絶対にピーターパン型の男になってはいけない!
ピーターパン型の男とは
「未成熟で、子供じみた態度で妻や娘に自分のわがままを押し通す男。あれこれと、操作をするタイプ。大人のフリをしているだけ。愛情や温かみのあるメッセージをくれない。」
こういうタイプの男である。
では、なぜこういう男性ができてしまうのだろうか?
それは「自尊心」がないからだ。
では、どうすればその自尊心が持てるか?私の経験で知る限り、2つある。
●1つは、小さな頃から、親から愛情たっぷり育ててもらうこと。
小さい頃からというのがポイントである。
「三つ子の魂百まで」とはよく言ったものである。
小さい頃、親から愛情たっぷりで育てられた子は自尊心があり、人に優しく出来る。
では、小さい頃親から愛情なしで育てられて、自尊心がない男はどうするか?
●それがもう1つの、格闘技をやって自信をつけることです!
経験者は語るというが、まさにそのとおりです。
某男性の言を引用しましょう!
「 恥をしのんで経験談をさせてもらうと、実は私も高校時代までは、「未成熟で、子供じみた態度で自分のわがままを押し通す男。あれこれと、操作をするタイプ。大人のフリをしているだけ。愛情や温かみのあるメッセージをくれない。」 こういうタイプのピーターパン型の人間であった。 このままではいけないと思い、ある武道を真剣になって練磨した。
すると、男としての自信がでてきて、このようなピーターパン的な行動がばかばかしくて出来なくなった!
そういった意味で、武道には感謝している。
最近、家庭内暴力や学校でのいじめが、社会問題になっているが、それはいじめをするほうが自尊心を持ってないからだとしか思えない。自分に自信があれば、暴力やいじめなどばかばかしくて出来ないものである!
こういった自尊心のない人に心理カウンリングを施したり、宗教的な祈りを捧げたってなんの効果もあろうはずがないし、解決がやってこようはずもないです。
私は、武道を学校の教科に取り入れるのを提案したい。 かつて、沖縄では、学校の教科に空手が取り入れられていたと聞きます。」
ということです。
かつて読んだ、心理学の本の中で、人間にはふたつのタイプに分別されるという。
それが本当の事であると思うので、そのまま書きますが、
1つは、人の心に繊細な人。
この人は、絶えず人の心を大事にし、人を傷つけることができない人。
もう1つは、人の心を慮ることが出来ない人。
この人は、人を傷つけても平気だし、人から嫌われようが好かれようが全然気にしないという。
この人に、人の心を慮れというのは、猫に英会話を教えるようなものだという。
後者の人には土台期待していないし、無理だと踏んでいるので全く相手にしないが、 自分が前者だと思い、尚且つピーターパン的な人間であると思うのなら、この本を読んでこれに書いてあることを実行するか、なんでもいいから格闘技をやって自尊心をつけて、幸せな男女関係(恋人関係、夫婦関係)を作り上げていってもらいたいものです!
その助けにこの本がなると思います。
ウェンディ型の女性がかわいそうと思う心の優しい男性、これ以上ウェンディ型の女性を生み出したくないと思っている心の優しい男性には、是非ともこの本を読んでもらいたいのです!
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