国立大学職員日記
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 異動ネタをもう一つやります。

 通常「異動」と言えば部局が変わったり課が変わったりするものが一般的ですが、中にはキャンパスの外に出る「異動」も存在します。多いのは他大学への出向ですが、文部科学省所管の独立行政法人への出向なども珍しくありません。若手職員の場合、希望すれば文部科学省(職員は「本省」と呼びます)へ1年間の研修にである場合なんかもありますし、民間会社に研修にいく場合もあるようです。

 そんなキャンパスを飛び出しての異動にはもちろん「引越し」という作業がともなうわけで、金銭的な出費は免れえません。そこらへんを相互互助するのが「餞別」という習慣です。実際に引越しを伴う異動をした同期に聞いたところ、大学を離れるというわけでお世話になった係などに挨拶に行ったときに「餞別」と書かれたのし袋を渡されたそうです。最初に渡されたときはてっきり個人的なご好意からいただいたのだと思ったらしいですが、挨拶回りをすると会う人会う人ほぼ全員から餞別をいただき、結局20個ちかいのし袋が手元に集まったとの話です。ちなみに金額に関しては全員一律に3,000円で、渡す方も手元にあらかじめ5~6通の餞別を用意しておいてるものとのことでした。

 ネットで調べて見ると、これは国立大学や公務員関係に限ったことではなく、広く社会一般で行われているみたいですが、そういうことを知らなかった同期の職員は「そういう習慣があるなんて知らなかったよ」と言ってましたし、かくいう自分も話を聞いて初めてそういうことをするものなんだなと知りました。

 ちなみに、引越しを伴う異動を命じられた場合、業務上の命令から引越しという出費を伴う行為をしなければならないので、大学(あるいは出向先)から手当金が支給されるそうです。同期の言うところによれば大体9万円くらい出たとのこと。また出向中も出向先の地域によっては「特地勤務手当」と「特地勤務手当に準ずる手当」が出るので、給与的には引越しの伴う異動をすると年収が少し上がるそうです。某独立行政法人に出向した先輩も、「出向すると金が貯まるぞ?」と言ってました。

 話が少しそれましたが慣れない土地に赴く人への励ましに職員相互で金銭的補助を出すってのもなかなか乙な習慣ですね。自分も将来は職場異動する後輩に「元気にやってこいよ!」なんて一言と共にクールに餞別を出せるようなカッコいい先輩職員になりたいものです。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )


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コメント
 
 
 
Unknown (nami)
2008-04-20 22:42:47
異動というのは、出向でなく学内の他部署のことですか?
また、旧帝大の方が他機関(文科省など)に行き易いなどはあるのですか?

よろしくお願いします。

 
 
 
Unknown (管理人)
2008-04-21 05:24:22
>>nami

>異動というのは、出向でなく学内の他部署のことですか?

 規定の用語の定義がどうなっているのかわからないので厳密にはお答えできませんが、自分の周りでは「所属が変わること」を広く「異動」と呼び、「出向」も異動の一種だと捉えています。が、通常は「異動」と言えば学内のものと考えて支障ないかと思います。

 文科省への行き易さなどについては自分もよくわかりません。ただ旧帝大だから行きやすく、地方大学だから行きにくいというようなことはないのではないかと思います。仮に文科省に出向・研修に行っている職員に旧帝大が多いとしても、それは大学全体に占める旧帝大の職員の人数割合が多い(旧帝大は一つの大学に事務職員が1000人前後います)からなのではないでしょうか。
 どのような大学でも人事課に「本省での勤務を希望します」と言えばヒアリングを行う機会くらいはあるのではないかと思います。大学職員の文科省離れは進んでいるとも聞き及んでいますし、意欲があれば文科省側も欲しがるのではないでしょうか。
 
 
 
Unknown (ブライアント)
2009-03-26 09:09:39
少なくとも旧帝大は地方大学と比べ職員数が断然多く、幹部クラス、中堅クラスの人材も豊富であると同時に、他機関出向のパイが多いのは確かです。私の勤める地方国立大学の場合、地元志向の職員が大多数で他機関出向のパイを持っていても行く人材がいないという現状があります。よって、他機関への出向先(人事交流)も減ってますよ。
 
 
 
Unknown (管理人)
2009-03-30 08:17:29
>>ブライアントさん

返答遅くなり申し訳ありません。

出向・人事交流に関するご意見、参考になります。「地元志向の職員が大多数で他機関出向のパイを持っていても行く人材がいないという現状」という書き込み、自分の大学の人事の方もほとんど同じことを話していました。どこの大学でも似たような状態のようですね。

個人的には若いうちにほかの機関でも働いて見たいとは思っているのですが、引越しの手間や環境が変わることを考えるとどうしても二の足を踏んでしまうところがあります。大学側も職員に他機関での業務経験を積ませることを決して軽視してはいないと思うので、経験ある職員との座談会を開くとか人事交流の呼びかけを行うとか、もっと積極的に働きかけをした方が良いのではないかなと思います。職員の自発的な申し出を待つというのも悪くないとは思いますが、「意欲はあるのだけれど情報が少なくて思い留まっている」職員の背中を押すことなども必要なのではないかなと思います。
 
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