国立大学職員日記
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 大学事務職員になった当初、高校生の子供を持つ知人から冗談半分で「うちの息子をいれてやってくれないか?」なんて聞かれたものです。ちなみにこの要請に対する返答は明確に言って「無理」の一言です。


 自分も大学受験を経験した身なので、大学における大学入試試験のありようには少なからず興味があります。そしてそろそろ勤め始めて1年が経とうとしている今、大学事務職員の身分からはっきり言えることがあります。それは「大学入試というのは学務部の入試系の課が行っている業務の一つであり、その課に所属していない大学職員にとってみると大学入試は世間一般の人間とあまり変わらないくらいの感覚で自分の生活とは疎遠なものである」ということです。

 もっともこれは僕のいる大学が割りと大きいためにおこる、縦割り業務の弊害なのかもしれません。あるいは僕の職場への帰属意識が薄いのか…。まぁとにかく、大学事務職員と言えども全員が全員その年に行われる入試の日程をみっちりと知らされるわけでもないし、ましてや試験前に試験問題をみることができるわけでもありません。そもそも試験前に試験問題を見ることができる大学事務職員なんて各大学で1人か2人、いるかいないかのレベルだと思います。(合格番号くらいなら発表前に知る職員も多いとは思いますが。)

 そんな大学入試なんですが、じゃあ全く無関係かと言うとそうでもありません。センター試験を含め、大学入試というものは定員をはるかに上回る人数が受験し、その数はその大学にいる事務職員数すら上回ります。当然、そのような大規模な行事を学務部一つの人数で行うことは不可能であり、ここで入試関係業務にあたっていない僕のような職員にも出番が回ってくるのです。

 前置きが「かなり」長くなりましたが、この季節の大学事務職員の季節物業務の一つには「センター試験及び二次試験の監督員を勤める」というものがある、ということです。

 監督員の業務は大きく分けて二つ、室内監督員と室外監督員です。室内監督員に関しては大学受験の経験がある人には想像しやすいでしょう。部屋の中にいて「試験始め」とか「これこれ以外のものを机の上に置かないように」とか注意しているあの人達です。室外監督員は試験受付時に受験票の確認をしたり、途中退席した学生の誘導を行ったりするものです。

 監督員に選ばれる職員は恐らくランダムでしょう。ただしいきなり入社一年目の新人に「試験始め」の号令をかけさせるとも思えないので、監督員の経験が何度かある係長クラスの人間が室内監督員に優先的に配置され、僕のような新人はまず室外監督員をやらされるのだと思います。回数も2~3年に一度くらいでしょうか。もっともこれは各大学の受験希望者数と事務職員数の比率によるはずですが。

 ちなみに監督員に選ばれると試験日1週間くらい前に講習会のようなものがありますし、講習会の他にも1ヶ月くらい前に小冊子が渡され、非常時の対応などに目を通す必要があります。しかし正直言って、監督員の業務についてみっちりと指導を受けるわけではないようです。

 こんなことを書くと「じゃあ大学事務職員は適当半分で監督員をしているのか」と思われそうですが、そうではないと思います。個人的な感想ですが、この手の業務で一番重要なのは「経験」なのだと思います。監督員マニュアルを頭に叩き込むのも大事ですが、それよりも、現場に臨んでその雰囲気を感じることでしか学べないこともこの業務にはあるような気がするからです。その証拠かどうかわかりませんが、大抵年の若い監督員は係長クラスの人とペアにされて監督業務にあたります。自ら臨み、また経験ある人から学ぶことで少しずつ「入試監督員」が出来上がっていく、監督員はそういう仕組みになっているのではないでしょうか。

 またそういう意味では、「監督員」というのはその職員がどれだけ大学というものに慣れて来たかを計る物差しみたいなものなかもしれません。まだ新人の僕ですが、いつかは「あぁ今年もそんな季節か」とかいう台詞を吐きながら監督員業務依頼の文書に目を通す日が来るのかもしれないと思うと、妙に感慨深い気持ちになる今日このごろでした。

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )


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コメント
 
 
 
教えて下さい (nami)
2007-03-24 21:21:09
現在大学2年生で国立大学職員を志望しています。
そこで、どんな参考書・問題集で勉強したら良いか、を教えてください。お願いします。
 
 
 
Re:教えて下さい (管理人)
2007-03-25 09:00:34
 僕の場合は国家2種志望だったため、国立大学法人一本にしぼった勉強はしませんでしたが、参考までに「教養」問題の勉強にあてた問題集を下記に記しておきます。

・スーパー過去問シリーズ(実務教育出版社)
・ウォーク問シリーズ(LEC書籍)
・GUTSシリーズ(Wセミナー)

上記シリーズの数的処理・文章理解・社会科学、人文科学の内の日本史・世界史・地理を全てやりました。自然科学と時事問題はやりませんでした。また参考書の類は買わないで、ひたすらに問題集の答えを暗記していきました。

 あまり無責任なことは言えませんが、上記問題集の全ての問題に、最終的に9割以上答えられるようになれば、まぁ一次の試験には通ると思っています。(僕自身、それを目標に勉強しましたので。)

 最後に一点。僕は予備校は利用しませんでしたが、模擬試験では大いに予備校を利用しました。自学自習は推奨するところですが、模擬試験だけは受けれる限り受けておくことをおすすめしておきます。

 では勉強の方、頑張って。二次試験の面接対策も早目からコツコツ考えておくこともお忘れなく。幸運を祈ります。
 
 
 
ありがとうございます (nami)
2007-03-25 16:52:06
ありがとうございます。
国立大は試験が割と簡単らしいので、なめてましたが、結構大変そうですね。。。でもがんばります。
 
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