暖かい午前中だったけれど、
昼からは雨催いの空で、小雨が散じたところもあったよう、
早くなった日暮れの後、いつの間に雲が霧散したのか、
高天に月があって、路面にはっきりとした電線の影を投射している、
数日前には、直ぐ側にあった火星は離れている、
今日は十三夜、
檸檬のような月。
昼からは雨催いの空で、小雨が散じたところもあったよう、
早くなった日暮れの後、いつの間に雲が霧散したのか、
高天に月があって、路面にはっきりとした電線の影を投射している、
数日前には、直ぐ側にあった火星は離れている、
今日は十三夜、
檸檬のような月。
宮内庁式部職楽部の秋期雅楽特別演奏会は、十月二十三、四、五日に催されて、
その二十五日の午前の会に、行きました。
二十四日の夕に東京に着いた時には霧雨で、
入った丸の内ホテルの窓から、プラットホームに煙りながら到着する列車を眺め降ろしました。
翌朝は、細かな雨が降っているかいないかというほどで、それでも傘を手に持って行きました。
宮内庁楽部は皇居東御苑にあって、私は大手門から入ったのですけれど、
門に至る橋にかかった時に、お堀の白鳥が、水面の上に立ち上がり羽を拡げて迎えてくれました。
それからは、緩やかな坂が、最初は左へそれから右へ回っていました。
豊かな森の山道のようで、道に拓かれた森の際では、石蕗の花があちらこちらで咲いていました。
息が軽く切れた頃、天守閣跡下の広い平地の東御苑に出ました。
楽部は、城の門のような、あるいは、社のような、
コンクリートだとは思うのだけれど、硬く見える太い白い柱と梁が組み合わされた古典的な建物。
ポーチの前には、大きな楠が立っていました。
中には、四角の舞台。舞台の周りは白い砂利が敷かれていました。
私は、砂利を音を立ててて踏みながら、左一番前の角の席に着きました。
舞台は、席に座ると目の高さより高い位置です。
黒漆塗りの材木で台が作られていて、舞台の上は柵のように朱漆塗りの桟が囲んでいます。
天上は四角格子に不透明なガラスが嵌められていて、でも、格子のすべてがガラスではなくて、
照明の入った格子がいくつか置きに備えられて、自然光と照明の両方が当たるようでした。
白い布で覆われた舞台に、緑の敷物が敷かれていて、その中で舞が舞われました。
天皇陛下即位二十年記念ということで、「太平楽」が演じられました。
舞台の後ろには、左右に龍と鳳凰が意匠された吊り太鼓が据えられていて、
その後ろに、楽人の席があります。
演奏が始まる暫く前に、白袴の人が白陶磁の火鉢を楽人の席に運んできました。
それから、楽人が入って来て、座について、
笙の音から「太平楽」は始まりました。篳篥と竜笛が緩やかな旋律を奏でて、
舞人が一人ずつ舞台に上がって来ます。
朱色の裳裾を引きながら、白い沓の足を擦り投げるように。
萌葱色の衣装に甲冑姿の四人の舞人です。
金色の兜、白い太刀、左の脇の魚袋は四人とも同じ、
腹の帯喰の鬼の面と、両肩の肩喰の獅子の面は四人とも違っていました。
鉾を地に置いて、手だけで舞う曲と、鉾で舞う曲と、太刀を抜いて舞う曲の一具。
曲の合間、演奏が止むと、甲冑に付けられた鈴が静かになる音が聞こえました。
太刀で舞う破の曲の時には、朝には小雨まじりで曇っていた空が晴れたからなのか、
華麗な舞に私の目が冴えたからなのか、黄金の兜が、輝きだしたように思えました。
四人の舞人は、たぶん、年嵩の順に並んでいるのだと思いましたけれど、
一番後ろの若い痩身の舞人が背を弓なりにして立っている様子は、
百済観音像のように美しく思えました。
その二十五日の午前の会に、行きました。
二十四日の夕に東京に着いた時には霧雨で、
入った丸の内ホテルの窓から、プラットホームに煙りながら到着する列車を眺め降ろしました。
翌朝は、細かな雨が降っているかいないかというほどで、それでも傘を手に持って行きました。
宮内庁楽部は皇居東御苑にあって、私は大手門から入ったのですけれど、
門に至る橋にかかった時に、お堀の白鳥が、水面の上に立ち上がり羽を拡げて迎えてくれました。
それからは、緩やかな坂が、最初は左へそれから右へ回っていました。
豊かな森の山道のようで、道に拓かれた森の際では、石蕗の花があちらこちらで咲いていました。
息が軽く切れた頃、天守閣跡下の広い平地の東御苑に出ました。
楽部は、城の門のような、あるいは、社のような、
コンクリートだとは思うのだけれど、硬く見える太い白い柱と梁が組み合わされた古典的な建物。
ポーチの前には、大きな楠が立っていました。
中には、四角の舞台。舞台の周りは白い砂利が敷かれていました。
私は、砂利を音を立ててて踏みながら、左一番前の角の席に着きました。
舞台は、席に座ると目の高さより高い位置です。
黒漆塗りの材木で台が作られていて、舞台の上は柵のように朱漆塗りの桟が囲んでいます。
天上は四角格子に不透明なガラスが嵌められていて、でも、格子のすべてがガラスではなくて、
照明の入った格子がいくつか置きに備えられて、自然光と照明の両方が当たるようでした。
白い布で覆われた舞台に、緑の敷物が敷かれていて、その中で舞が舞われました。
天皇陛下即位二十年記念ということで、「太平楽」が演じられました。
舞台の後ろには、左右に龍と鳳凰が意匠された吊り太鼓が据えられていて、
その後ろに、楽人の席があります。
演奏が始まる暫く前に、白袴の人が白陶磁の火鉢を楽人の席に運んできました。
それから、楽人が入って来て、座について、
笙の音から「太平楽」は始まりました。篳篥と竜笛が緩やかな旋律を奏でて、
舞人が一人ずつ舞台に上がって来ます。
朱色の裳裾を引きながら、白い沓の足を擦り投げるように。
萌葱色の衣装に甲冑姿の四人の舞人です。
金色の兜、白い太刀、左の脇の魚袋は四人とも同じ、
腹の帯喰の鬼の面と、両肩の肩喰の獅子の面は四人とも違っていました。
鉾を地に置いて、手だけで舞う曲と、鉾で舞う曲と、太刀を抜いて舞う曲の一具。
曲の合間、演奏が止むと、甲冑に付けられた鈴が静かになる音が聞こえました。
太刀で舞う破の曲の時には、朝には小雨まじりで曇っていた空が晴れたからなのか、
華麗な舞に私の目が冴えたからなのか、黄金の兜が、輝きだしたように思えました。
四人の舞人は、たぶん、年嵩の順に並んでいるのだと思いましたけれど、
一番後ろの若い痩身の舞人が背を弓なりにして立っている様子は、
百済観音像のように美しく思えました。
お天気だから歩く、
川土手を歩くと、川下から風が吹いて、並木のの桜樹から葉を落として、頭に当てる、
それから、
川を離れて、竹林の丘の方へ行くと、
丘の裾野を取り巻くように石垣で盛土された畑地があって、
柿の木が一本立っていて、
緩い坂の下から望むと、
柿の樹冠が竹林を隠してる、
柿の実はまだ落ちない。
川土手を歩くと、川下から風が吹いて、並木のの桜樹から葉を落として、頭に当てる、
それから、
川を離れて、竹林の丘の方へ行くと、
丘の裾野を取り巻くように石垣で盛土された畑地があって、
柿の木が一本立っていて、
緩い坂の下から望むと、
柿の樹冠が竹林を隠してる、
柿の実はまだ落ちない。
Alex Budovsky 作品:
Return I will to Old Brazil
http://www.figlimigliproductions.com/
Return I will to Old Brazil
http://www.figlimigliproductions.com/
テレビ放送で、『街道てくてく旅 山陽道 - 秋編』を見る、
菅茶山の廉塾が撮影されていて、
知らなかったのだけれど、廉塾が、そのまま残されていて、驚いた。
菅茶山記念館
廉塾案内:菅茶山遺芳顕彰会
NHK|街道てくてく旅 山陽道~大宰府から平城京へ~
菅茶山の廉塾が撮影されていて、
知らなかったのだけれど、廉塾が、そのまま残されていて、驚いた。
菅茶山記念館
廉塾案内:菅茶山遺芳顕彰会
NHK|街道てくてく旅 山陽道~大宰府から平城京へ~