昨日は、『藤田嗣治展 生誕120年~パリを魅了した異邦人』を見に
京都国立近代美術館に行ってきました。
充実です。 魅力満載です。
朝10時頃から入ったのですが、平日の午前にもかかわらず人が多い。
人の多いことに驚きました。
生誕120年ということで、藤田嗣治の生涯を網羅した回顧展は、日本でもフランスでも初めて
というくらい充実した内容の展示会。
パリに渡った頃、若い時代の作品には、ルソーやモディリアーニ、ピカソら
交流のあった同世代の画家達の影響を受けたことがうかがえる。
その頃の作品は、暗く重い。
そして、中南米の旅での人々を描いたものは、今までみたことのある藤田氏のものと
イメージできないような作風。 少しロートレックのポスターを思いおこす。
女性を描いたものは、藤田氏らしい印象。
自画像も結構多かったし、戦争画やキリストなどの絵もあった。
イソップをテーマにした服を着た動物たちもいたし、
想像の子供たちを描いたものもあった。
そのときどきの状況や土地の影響を受け、どの作品も繊細ながらも印象の異なる作品の
数々に、飽きずに見ることができた。
『カフェにて』
『カフェにて』という、黒いドレスのカフェで頬杖をつく女性の絵は、
何枚か描かれているようで、展示では2枚の絵が飾られていた。
間違い探しのように、少しずつ異なるところを探しては、
『・・・ここも・・・ここも』と、色やデザインの違うことによる絵の印象の違いを見るのも面白い。
服のドレープや色が少し違ったり、ウエイターの髪の毛、看板、窓のデザインやカーテン、
わずかな色の違いなどが、絵全体の印象を微妙に変えている。
見比べて見ることができる機会は、そうないことだと思う。
絵の中の数々のファブリックの色、デザインにも魅力のあるものも多く、
繊細でレーシーな素材、スケ感やシルキーな素材の表現。
藤田氏のファッションやインテリアへの興味やセンスのよさも、
それぞれの作品をおもしろく見せていた。
想像の子供たちを描いた作品は、子供たちの『・・ある・・ある・・』というような、
動きや表情もカワイくて描かれているひとりひとりをじっくり見てしまう。
奈良美智(Yoshitomo Nara) の描く子供にも似た『コワかわいい』雰囲気も・・。
おもちゃやセンスのいい子供たちの服も繊細に描かれ、動きのある表現に、
私も子供になってその中で遊びたくなるような楽しさがある。
キリストを描いた作品にも、自画像である藤田氏自身も登場していたり、
自画像では、その時代の生活感や自身の暮らしぶりなどの家の様子も描かれ、
どの絵にもあるストーリーが、見る人の感覚で想像でき、
ひとつひとつの作品を見ることに飽きない。
絵の中に、ユーモアがあったり、描いている本人が楽しんでいるような遊び心があったり、
見ごたえたっぷりの展示会・・久々に満足です。
美術館のサイトから、展示会の会場の様子を見ることができます。
すいている日に、もう一度行きたいかな・・というくらい楽しめた。
子供たちのポストカードも楽しい。
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ネコたちも楽しい。
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展示会の図録の他にも、ポストカードやクリアファイルなどなど・・。
子供たちの描かれたクリアファイルが ・・・ → 中に紙を入れるとこんな感じ。
このクリアファイルも、ユニークでかわいい。
100年以上を経た今でも、藤田嗣治氏の描くことを楽しむ心が伝わるような作品たちに出遭って、
私まで楽しくなった。
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