"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

住吉神社例大祭~番外編~夢見心地な祭りの夜

2005年08月15日 19時14分50秒 | 日々のことなど

旧七月十一日。月の姿も段々と大きくなってきました。
今日は太平洋戦争終戦60年目の記念日。鎮魂と平和への願いの一日です。
例年、この日を過ぎると少しずつ秋の気配を肌で感じてゆきます。

今日までの三日間。深川の富岡八幡宮例大祭が行われました。今年は三年に一度の本祭りですから、鳳輦の渡御(8/13)と、神輿連合渡御(8/14)があります。昨日午後に永代通りの八幡前に帰ってくる各町内の大神輿の渡御を見物に行ってきました。どの町の御神輿もそれぞれに特徴があって美しいですね。伝統的な「わっしょい、わっしょい」という掛け声にこだわる渡御は、どっしりしていて勇壮。さすが御神輿の深川祭りです。

さて、佃・月島は祭りが終わって一週間が経ち、普段のリズムを取り戻そうとしています。今日は祭りの夜、住吉神社のお膝元、佃島の旧家で体験した粋で素敵な出来事を振り返って、番外編としてご紹介します。


8-7iida話はちょっと遡って佃島盆踊りの時。友人のかつてのお仕事仲間(通称:ヒメ)がご親戚だったというご縁で、唄の名手飯田恒雄さんを紹介して頂きました。そのヒメが祭り見物にやって来るという話を友人から聞いていました。で、その昼に少し自由な時間があったので佃島方面を自転車で回っていると、ツネさんのお宅(僭越ながら親しみを込めてそう呼ばせて頂いています)に「佃囃子奉納、若山社中、今夜午後九時半」という貼り紙があるのを発見。これは見逃す手がない、と期待感が高まります。午後の御神輿巡行も終わり、この日は解散。夜になって皆と月島のもんじゃ屋さんで合流していざ佃島へ。

8-7iidamikoshi飯田恒雄さんのお宅は、江戸の末期か明治の初期に建てられたであろう大8-7iidaohayasiとなります。胴太鼓に二つの締太鼓、篠笛と鉦という祭り囃子のシンプルな編成。ゆったりと静かな篠笛の調べで始まり、徐々に高揚してゆくかのようにテンポがアップしてゆきます。難解な規則性があるリズムと日本独特の間と旋律。癒しと活性が不思議に同居した精神の浮遊感が全身を支配します。まるで江戸の町にトリップしてしまったかのような・・・、あぁなんとも貴重な体験でした。飯田家の皆さんありがとうございます。また遊んで下さい。

wakayamaCD若山胤雄:四世若山胤雄(わかやま たねお)。若山流家元。江戸時代より続く神楽の血筋。1928年蔵前生まれ。「江戸里神楽 若山胤雄社中」として重要無形民俗文化財の指定を受ける。
「囃子組曲/若山胤雄・若山胤雄社中」日本クラウン(CRCM-60065)がお薦めです。