行こう!と思ったら、光速で計画立てて、即行動してしまう性格です。
思い立ったが吉日。
しかしまあ、この時はさすがに遠かった。
2014年9月。
2泊3日で、岡山、福岡、愛媛へ行こうと決めたのは、前日の夜。
当日はあーでもないこーでもないと、行き先や乗り継ぎのプランを練って、
気付けば15時。
やべー今日はどこも行けない。
とりあえず目的地近くの宿に行くべし。
という事で、名古屋駅で新幹線のチケット買って宿の予約して、のぞみで2時間半弱。
岡山市に到着です。
岡山ってなんか、もっとすごーく遠い気がしてたけど、意外と近いのね。
そこから在来線に乗り換えて、いざ総社市へ。
総社駅からはタクシーに乗り、初日のお宿に着いたのは
すっかり陽も落ちた18:30でした。
さて翌朝。
頼んでおいたタクシーで15分。
前泊してまで来たかったのが、
吉備国の温羅(うら)がいたと云われる、古代の山城、鬼ノ城です。
メーター止めて駐車場で待機してくれている運転手さんにしばしの別れを告げて、
遊歩道を登ること10分弱。
滞在時間が約45分というタイトスケジュールにつき西門あたりしか見れなかったのが残念でしたが、
いやぁ、ほんとに行ってよかった。
ビジターセンターの方も優しくて、時間があればじっくり中を見たかったです・・。
西門の建物は再現だけど、石畳や城壁は、飛鳥時代のものがそのまま。
照りつける残暑の日差しにもめげず、しばらく石をナデナデする私。(←不審者)
ヤッホーとやりたい衝動を必死に抑える。
総社市が一望できて、すばらしい眺めでした。
悪行を働く鬼として、中央の伝承に残された温羅。
それを “退治” したのが、吉備津彦命。
むかし話の、桃太郎と鬼のモデルです。
でもね、大和朝廷に従わなかった在来勢力は、もれなくみーんな“悪”にされちゃうのですよ。
国栖も土蜘蛛も熊襲も。
まつろわぬ民として、歴史の闇に葬られてしまう。
先住の統治者は悪者にされ、かれらが崇拝する神々は、ヤマトの神の荒魂に。
勝てば官軍です。
古代吉備地方の統治者だった、製鉄の王、温羅。
高千穂の鬼八と同じ。
消された歴史を思わずにはいられません。
帰路、地元民だという運転手さんと色々おはなし。
「子供のころから、この新山(鬼城山)には遠足なんかでよく来た。でもそれっきり。
遺跡があるのは皆知ってたが、今こうして開発されて観光地になるなんて
思いもしなかった。
山には大昔から住んでいる住民がいて、昔は十数軒あったが、
今は3~4軒になってる。苗字もみな同じ。」
身近すぎで、仕事以外じゃ登らないという。
なんか、わかる気がする。
でもでも私だったら毎週末通うのにーっなんて思いつつ、総社市をあとにする。
遊歩道を登っていたとき、とてつもなく温かい気に包まれました。
実は、縁のある場所シリーズ(※魂が~とかいう、スピ系な縁では無い。)のなかでは、
ホームでもありアウェイでもある場所です。
「温羅を裏切った側」として繋がれた縁なのに、あたたかく迎えてくれてありがとう。