よき故郷を次代へ

どこで生まれようが、そこが故郷。日本にうまれてよかった!と思える幸せ。幾多の先人の素晴らしい遺産を・・・

「殺してください」

2016-06-17 20:22:30 | 老々介護
2016.6.17

 2回目のおしっこを済ませ、布団のなかでうとうとしているときでした。電話のベル。「だれや、こんなにはやく!」枕元の時計を見ると7時。しつこく鳴るので電話に出ました。
 「秀雄」と。母94歳の介護をしている68歳の弟です。「ばあちゃんが殺して、といってるから電話に出て」で、大きい声で「もしもし、くにひこです。おはよう!」というと「はようころして!」としっかりした声が帰ってきました。
 
 2,3日まえの夜中に、秀雄から「水を飲んでくれない。口を閉じて、水のみの口を入れることができない。」と電話があり、「それだけ、意思がはっきりしてるんだったら飲ませなくてもいいんじゃあない」と言っておいたのです。「いらない、というのを無理やりやるのは虐待」とまで言ったのですが。

 母が電話で何度も言ったことを要約すると
1 早く死にたい。あの世に行きたい。
2 30歳で死んだ夫の50回忌もすませた。
3 死んだ夫の病院での世話は、実の母が「あんたは家の仕事をしい」と言ってしてもらった。
4 近くに兄弟や、子や孫がいるので、帰ってくるな。(私が住む兵庫と母が住む山口は400  km離れている)
5 あんたも長生きしいよ。
6 また、あの世で会いましょう。
 
 それらに対する私の返事は「わかったよ」「前から何回も聞いてます」「ありがとう」の繰り返し。「死ぬも、生きるも仏さま神様の決めることです」は、同意見でした。
 
 寝たきりになり、3,4年たちます。その介護は今68歳の弟がしてきました。(このことは何度かこのブログに投稿しています)
 弟がせっかく呼んだ救急車を「乗らない」と追い返した意思がまだ健在であることに、熱くなりました。まだまだ死にそうにはありません。
 母の母が、痴呆で施設に入り、見舞いに行き「あんた、だれ?」といわれたときから、それまでして長生きはしたくないが、母の口癖でした。体のあちこちは痛いし、(特におむつを替えるときが痛い)しんどいし、何より人の世話になるのがいや!腹を痛めた我が子(弟)でも世話にはなりたくない。
 わたし73歳にも、その時が近いことを体を通して覚えます。2,3日前より左股間節が痛くなり立居がままなくなりました。