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御坊市顕彰事業、寺内町会館コーナーリニューアル 〈2017年7月17日〉

2017年07月18日 08時30分00秒 | 記事

柏木市長らが出席し、リニューアルオープン


 御坊市、和田勇顕彰会は、名誉市民第1号で東京にオリンピック(1964年)を呼んだ男として有名な和田勇氏の顕彰事業で、御坊寺内町会館=中町2丁目商店街=の和田勇コーナーをリニューアルし、15日に関係者を招いてオープニングセレモニーを行った。和田氏の二女、真理子・和田ロースさん=アメリカ・サンフランシスコ在住=から借用している遺品をはじめ、新たにパネルを設置して和田氏の功績を紹介。2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリンピック噺~」に登場させてもらえるように地元の気運を盛り上げていく。

 寺内町会館は昨年10月にオープン。和田勇資料館を常設し、和田夫妻の写真やアジアでただ一人委員に任命されたロサンゼルスオリンピック(1984年)組織委員会ユニフォーム、オリンピック誘致などの功績を称える叙勲や日本体育協会感謝状など各種表彰、書籍などを展示しているが、部屋が奥まったところにあるため、玄関に近いところを間仕切りして新たにコーナーを拡充、整備した。和田氏の経歴や功績をまとめたパネルを新たに設置し、随時更新する。旧資料館の部屋は映像シアターとして和田氏のビデオやDVDを観賞できるようにした。
 オープニングセレモニーには市、顕彰会、教育委員会ら関係者50人が出席。柏木征夫市長は「オープン以来、2000人を超える人が会館を訪れてくれており、こうして立派なコーナーも完成した。より多くの人に和田氏の功績を伝えていきたい」、吉田擴・同顕彰会長は「和田氏の偉業と精神を広く伝え、大河ドラマに偉業を取り上げてもらえるように顕彰活動に頑張っていきたい」とあいさつし、コーナーを見学した。
 和田勇氏は明治40年アメリカ生まれ(日系二世)。4歳で帰国、父の故郷・名田町祓井戸で過ごし、9歳でアメリカに戻った。東京オリンピックを誘致するため、岸総理から特命全権大使級の権限を与えられ、私費を投じて中南米やヨーロッパを回り、支持を呼びかけるなど東京オリンピック開催に大きな功績を残した。メキシコやロサンゼルス、札幌冬季各オリンピックの委員等も務め、誘致に努めるなど国際的に活躍。2001年に93歳で死去。

「厳しい時代に生きた勇気ある人」
和田氏の二女が顕彰活動を支援

 顕彰事業に伴い、岡本恒男・顕彰会事務局長が、二女の真理子・和田ロースさんに活動内容をメールしたり、作成したビデオやパンフレットを送付するなど連携して取り組んでいることを報告。真理子さんは2004年、和田氏の名誉市民表彰式に来坊しており、来年、再訪問することも計画している。
 メールのやりとりで真理子さんは、送られた資料等に「感激した」ことや、15日に開催した和田勇シンポジウムに「うれしく思います」と感謝の気持ちを伝えるとともに、ニューヨークNHKに顕彰事業をPRしたり、NHKへの要望活動の参考になればと、和田氏を称賛する安倍総理の演説内容や和田氏のプライベート写真を送り、顕彰活動を支援。和田氏を「厳しい時代に生きた勇気ある人」と語り、人生の終焉には和田氏夫妻とも「人生に感謝していた」と記している。

 安倍総理も称賛 真理子さんから送られてきた安倍総理の演説は、2020年開催が決まった東京オリンピックの招致活動出陣式でのスピーチ。「和田氏は東京開催のサポートを得るため自費で回ってくれた。後に『日本国民に勇気と自信を運ぶのが私の使命と責任だ』と語っている。和田氏の努力がなければ招致が成功することはなかったでしょう」と和田氏の功績をたたえている。


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