私が加工見積りの金額を決めるにあたり悩む事の一つに
今回のお題、リスクがあります。
例えば手のひらサイズのSS製のブロックの中心にM6のネジ(有効深さ20mm)をあける
という単純な加工ですが、0からと1から加工ではリスクが違います。
0からとは黒皮からブロックを削り出してスタート
1からとは6面削された素材を持ちこまれてスタートすること
もちろんこの場合は削り出す工程分0からスタートの方が高いのは当然ですが
もし1からのスタートとは言え、持ちこまれた6面削の素材が特別だったら?
ありえないけど説明のためにあえて書くと
超有名人のサイン入りの世界で一つのブロックとか・・・
M6で深さ20mmだと径の3倍以上となかなかの深さで
もし一番深いところでポチンッと折れ込んだら
0からならポイと投げ捨て再スタート出来ますが
1からのそれも特別なのだと、そうはいきません。何とかしないとね。
超硬ドリル?放電加工?どちらにしても大事ですよ!
これが私の言うリスクです。
このパターンが特に多いのが一般個人のお客様からの依頼です。
お気に入りの何かが破損したので修復とか
こだわりの品の更なるカスタムなんて言うのは全て
この1からの、それも特別な素材なわけで
同じ加工でもリスクが大きいのです。
これをお客様に理解して頂くのが非常に難しく
お見積りの回答を聞いて驚かれるパターンがよく有るのです。
これからも出来る限り丁寧にご理解いただけるように説明して
同時に弊社から他社様との相見積もりをお勧めするようにしていきます。
同業者さん向けにリアルなケースで書くと
凄い加工がされた最終段階の工程って、同じ加工単価じゃ
やってられないですよね~
PS
6/26 文章の一部を修正しました。
M3で深さ20mmだと径の3倍以上→M6で
お恥ずかしい