万葉の鳥「山鳥」

思へども
思ひもつかぬ
あしひきの
山鳥の尾の
長きこの夜を

作者未詳「万葉集」第十一・二八〇二

季語　春「山鳥」

山鳥よ枝垂れ尾抱え一人寝の　季鳥

長き尾を
一人抱えて
寝る夜を
恋するひとの
ため息ひとつ
季鳥

 

 

万葉の鳥 オシドリ

池水の荒立つ鴛鴦の妻娶る季鳥

鴛鴦のをしの字描くしなやかさ　季鳥


(藤原信実　夫木和歌抄
巻第十七　六九六一)
池水に　
をしの剣羽　
そばだてて
妻あらそひの
けしきはげしも

 

 

百合鴎 都鳥

戲れて何処へ行きつく百合鴎

僕が先貪欲までも都鳥

群れなして追われ追い駆け百合鴎

季鳥

冬深し 冬の夜 冬籠り

地図広げ旅にでようか冬深し

冬の夜地図を辿りて旅気分

冬の旅地図を片手に冬籠り

季鳥

母の介護中　母の鼾を聞きながら

久しぶりの句です。