平々凡々な人生を目指して

~技術士(建設部門)を所有するエンジニアパパの日常日記~

「少数鈑桁橋の採用抑制」・・・

2012-07-19 13:20:11 | 技術士
前職を辞める頃に全盛を極めていた少数主桁橋・・・

誰もがこぞって,合成床版と組み合わせて新技術と売り込んでいたなぁ.

「維持管理の確実性」が明記された今回の道路橋示方書の改訂を受けて,
少数主桁橋の採用を抑制するようなお達しが国から出たらしい.

肉厚化となるが,補剛材の少ない主桁で,荷重分担のない簡易な横桁を
採用した,本当にスッキリとした構造である.私もこれ以上の合理化は
ないな,鈑桁橋の終着点だなと思ったものである.

そうそう床版との合成構造とすることで,中立軸が床版近くに上がり,
正曲げモーメント領域では,鋼桁は常に引張状態となるため,さらなる
少補剛設計の研究も盛んでした.設計思想としてはすばらしく,私も
勉強した記憶があります.ちなみに,この頃でもなお,私は従来鈑桁橋
の腹板の薄板化の研究をやっていたなぁ...

その少数主桁橋では,車線規制をしながらの床版打替ができないらしい.
確かにそうだ.少数主桁橋の床版を打替えようと思うと,通行止めが必要
になる!なんせ2本の主桁で広幅員を受け持っているんだから,半分ずつ
打ち替えようと思うと,主桁1本で荷重を受け持つ,非常に不安定な状態
になってしまう...

仮設材を設計当初から設けておけば採用も可能とのことらしいが,スッキリ
感が売りの少数主桁橋の思わぬ落とし穴である...

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