ホリスティックヒーリング宙『心の扉を叩いてみたらきっと何かが見えるはず聴こえるはず』

ホリスティックヒーリング宙(sora)のヒーラー&臨床心理カウンセラー株本のぶこが心・心と身体について綴っています

コーマワーク☆究極のあるがまま

2010-09-09 10:53:40 | 心・身体・癒し

 セミナーでは、友人のSさんも参加していた。
Sさんは学院時代の同期生で、今年五月の連休に開催されたアーノルド・ミンデルのセミナーでも一緒になっている。それ以来の再会だった。

卒業後の勉強会などで会うと、身近な方にコーマワークを提供したいと話していたSさん。現在すでに、コーマワークを提供しているという話を聞いたことから、是非、Sさんのコーマワークを体験させてほしいとお願いして、してもらうことになった。

時間にしてわずか20分ほどのワークではあったが、今までにない感覚を味わった、そんな感じだった。例えるなら、「安らぎと安心の時空にただ在った」そんな感覚とでも言おうか。
こんなにも時間とはゆったり流れていくものなのか…そんな驚きにも似た感覚を味わった。

ワークは、三人一組だったことから、次に体験するひともせっかくの機会と、Sさんのワークを受けてもらうことにした。結果、Sさんが実際、どんな風にワークを進めていくか、その様子の一部始終を観察できたことは、とても大きな収穫だった。

最初にワーカーが昏睡状態の人に向かって、自己紹介するところからからコーマワークは始まる。

今、ワーカーはクライエントのどれくらい離れたところにいるかどんな風に近づいているかを昏睡状態の人に伝えながら、すぐ傍まで近づいたワーカーは耳元に顔を寄せ、クライエントの呼吸に合わせて、やさしく語りかけながら肩に手を添え、昏睡状態の人の呼吸に合わせ、その肩に圧を軽くかけていくそして昏睡状態の人の表情や、身体の一部、指先といった細かな部分にまで最新の注意を払いながら、同時に周りの雰囲気や様子を昏睡状態の人に伝えていくという、何とも複雑な仕事である。

こうしたことを実際のコーマワークでは一時間から一時間半、途中二十分ほどの休憩を入れながらが続けていくのだという。

自分が昏睡状態でコーマワークを受けていたときは、コーマワーカーとのかかわりの中でしか、自分の周囲に漂う時間と空間を味わうことしかできなかったが、第三者という立場で、コーマワーカーのワークを提供するすべてを見られることはそうあることではない。

コーマワークが始まった段階からすでに場の雰囲気は独特な様相を見せ始めていたがワークが進むほどに、Sさんとクライエントさんの空間だけが別の空気感を醸し出していた。それはまるで、何かの舞台を見ているような…ゆったりとした動きのなかに独特の流れ、リズムのようなものを感じとるこことができたのだった。

そのとき痛感したのは、コーマワークは提供する側の居ずまいや、佇まいが試されるものであるということだった。その場にコーマワーカーが「存在する」、そこからすでにコーマワークは始まっているのだ。そして、クライエントに語りかける口調も言葉、動き、流れすべてが、Sさんの感性から滲み出てくるものであることが空気感から伝わってきたのだった。

ここにこうして書き記していると、あのときの光景がまざまざと甦ってくる

本当にひとつひとつの動作を丁寧に、慎重に進めていくSさんの様子を見ながら感じたのは、いかに自分がカウンセラーとしての繊細さに欠けていたかということだった。

ボディフォーカスト・アプローチを学び、瞑想を日課にして、他人よりはそういったところでのトレーニングをしてきたつもりだった。しかし、実際にコーマワークを体験してみて、まだまだ自分は繊細になっていかなければいけないのだと痛感したセミナーでありエクササイズ体験であった。

私は今回が初めての参加であり、コーマワークはまったく初歩の初歩である。
案の定、ほとんど上手くいかなかった。そんなこともあって、現在はSさんがワークしてくれたそのときの声、間合い、空気感といったものを思い出し、自分のなかで体感として反芻することを毎日やってみている。

あれから10日あまり。
改めて感じるのは、コーマワークは究極の「あるがまま」の姿であるということだ。

自分の意思では何もできない、言葉も話せない、動けない。その現実を昏睡状態の人はそのままに受容れて生きている。そしてコーマワーカーはそうした状態にある昏睡状態の人に対して、「そのままでいいですよ」、「あるがままにいてください」とのメッセージを伝え、そのあるがままの状態がときに示す微細な変化を捉え、逃さず再び昏睡状態の人に返していくのである。

それは本当に、気の遠くなるような作業であり、長い時間、根気をもって接し、関わり、ふれあったことによって、奇跡のような意志の伝達、心の交流を育んでいく。

コーマワークの世界の入り口をちょっと覗いた程度のレベルでしかまだない私だが、こうした究極の世界に触れたとき、心の底から湧き上がった思い、それはコーマワークは、テクニック・技術以前に、ひととしての居ずまい、佇まい(純粋性と言ったひとがいましたが)が試されるものであるとの思いであった。

勝手な解釈、判断、思い込み、想像さえも自らの内から消して、ただひたすらに昏睡状態の人が発する微細なメッセージを受け取ることだけに全神経を集中させる。

そこに求められるものは、ただただ、純粋に誠実に、真摯に意識障害・昏睡状態にあるひとと共に在ることだろう。そして初めて、そうしたひとたちのかすかなメッセージを受け取ることができるのだと思う。

学院に入学して担任となったO先生が、授業のなかで「是非読んでほしい」と紹介してくれた「昏睡状態の人と対話する」という本。

今回、コーマワークセミナーに参加して、どうしてO先生がこの本を薦めたか、本当の意味がわかったような気がした。


 

 ホリスティックカウンセリング『宙』(sora) http://www.kokoro-sora.com



ブログ『心の扉を叩いてみたらきっと何かが見えるはず聴こえるはず』

http://blog.goo.ne.jp/kokoro-tobira-sora



ブログ『ボディフォーカスト・アプローチ』 

http://blog.goo.ne.jp/kokoro-sora-karada


ブログ http://ameblo.jp/cocoro-iyasi-sora


元気読本WEB 身体と心の不思議な関係』

http://www.genki-book.jp/columns/mental/-22-005534.php



日本カウンセラー学院ブログ 『講師のひとりごと』

http://www.therapy.jp/hitorigoto/

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。