静岡古城研究会会長:もっちーのブログ

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伊豆の国市文化財シンポジウム「武田信玄襲来!!」無事終わりました

2019-02-17 23:37:35 | 報告、その他お知らせ

先週末の2月9日(土)、伊豆の国市の韮山文化センター(韮山時代劇場)の大ホールで、韮山城シンポジウム「武田信玄襲来!!」が開催されました。

当日は、当初雨の降るあいにくの天候にも関わらず、ホールがほぼ満席となる約430名の皆様においでいただきました。

シンポジウムは、伊豆の国市の小野市長の挨拶の後、伊豆の国市史跡整備委員会の韮山城跡整備部会長である齋藤慎一氏(江戸東京博物館)から趣旨説明があり、このシンポジウムでは、武田信玄が永禄12年(1569)に北条氏領国である伊豆北部に侵攻して韮山城を攻撃するという事件から今年はちょうど450年後の節目の年に当たり、群雄割拠から信長・秀吉による天下統一へ時代が大きく動く時代にあって北条軍・武田軍の韮山城をめぐる攻防にスポットを当ててみようという趣旨が述べられました。

講演は先ず、竹井英文氏(東北学院大学)の「群雄激突!永禄12年(1569)の世界」が行われました。竹井氏は、武田信玄が甲相駿三国同盟を破って駿河に侵攻し今川氏真を掛川城に追い北条氏と対立・抗争に至る過程、北条氏はそれまで対立していた上杉謙信と「越相同盟」を結ぶものの有効に機能せず、北条氏康・氏政親子はしきりに謙信に出陣を求める状況、最終的には氏康没後氏政は謙信と断交し信玄と再び同盟を結ぶ過程など、複雑怪奇な大名同士の関係・人間模様を、アニメーションなどを用いて史料をわかりやすく解説しながらお話ししてくださいました。

それを受けて不肖私が「信玄襲来に備えた北条氏の城ー東駿河・北伊豆を中心にー」と題してお話をさせていただきました。永禄11年(1568)末から元亀2年(1571)までの武田信玄と北条氏の合戦(第一次甲相合戦)の際文献史料に登場する城郭について触れ、縄張研究・発掘調査の成果などから得られる各城郭の構造についてお話しし、更に武田軍の攻撃を迎え撃った韮山城について、発掘調査の成果等から同時期(16世紀半ば以降)大規模な改修をされた可能性があることなどについて話させていただきました。

その後、部会長の齋藤氏を司会・進行に、城郭ライターの萩原さち子氏も加わってシンポジウムが行われ、永禄12年の韮山城攻防の実態とその結末、当時の韮山城の防御体制等について熱い議論が交わされました。聴衆の皆様も熱心に聴いていただき、盛会のうちに終えることができました。静岡古城研究会の会員の皆様や県内外の方々にも多数お越しいただき、どうも有難うございました。

来年度はいよいよ没後500年を迎える北条早雲(伊勢宗瑞)と韮山城についてのシンポジウムが予定されています。どうぞご期待ください。