欧州雑派

欧州に関する気になった情報の備忘録

■「不滅」~読書メモ(4)・・・・・「不滅」は、優れたブックガイドでもある その1

2013-11-20 | 欧州文学

 「不滅」の展開において、その螺旋階段の踊り場に該当するのが、文学(小説)、音楽、絵画(画家)についての語り(≒披露)である。特に、文学に関しては、優れた読書案内としても読める。

不滅 (集英社文庫)
菅野 昭正
集英社

ゲーテとある子供との往復書翰    

この本はどこかの図書館で探すしかないだろう。でも、僕の地元の図書館には保蔵されていないようだ。では古本では?アマゾンでの価格はどう考えても異常値だ。

誰も読もうとしないから図書館にも所蔵がないのだろうか?だから希少価値として(古本の値段が)高いのだろうか?であれば、益々、誰も読めなくなるではないか。何という悪循環!

クンデラが小説「不滅」で”不滅”にしようとしたのが、この本の作者、”ベッティーナ・フォン・アルニム”である。小説「不滅」では”ゲーテが不滅である”ことを言及証左しない。ゲーテは既に不滅であるから、敢えて(そのことを)証明する必要はないのである。・・・ただ、クンデラは、「不滅」の人=ゲーテの思考を推測して、想像力を逞しく披露している。でも、ゲーテはクンデラが考えたように、そのように考えたのかなぁ?・・・・

逆にベッティーナの再評価(≒不滅化)を只管(ひたすら)狙っている。クンデラは、ロマン・ロランやリルケの思索を担保にベッティーナの不滅化を試みている。ここが大事だ。

螺旋階段の踊り場で語られるのが、たとえば、ロランやリルケのことになる。彼の語りの知的レベルは高い。

高価で割高な古本として(この本を)購入するくらいなら、ロマン・ロランやリルケ等の思索を逍遥した方が懸命だ。この本を軸に、「不滅」というテーマをいろいろな角度で分解してみせるクンデラの知的格闘にインスパイアされてしまう。

「不滅」の面白さは、この本が提示するテーマとは別に、踊り場での与太話が面白いのである。知的に高度な与太話としての小説「不滅」。テーマの本質については、後日。 


ローベルト・ムージルの作品

 

クンデラが最も愛する作家だそうだ。そう(「不滅」には)書いてある。僕はさっそく、この作品から読もうと思っている。 


共産党宣言

マルクスもエンゲルスは「不滅」なのか?それとも「不滅」になれなかったのか?解釈は時代(世紀)で変転するのか?資本主義の行き詰まり。金融資本主義の隘路。再び、不滅となるのか?

 

青い花  

 彼をここで使うか?という驚きがあった。

 

地獄の季節 

 p230~「絶対に現代的であること」として、彼が引き合いに出されている。

 

手記

 結構好きで、この日に感想を書いている。

 

クレーヴの奥方

先日観た「美しいひと」の原作。先日、映画評を書いた。映画鑑賞後に妻は(この小説を)読んだそうだ。

 

白痴

 早く読みたい。


ロマン・ロランの作品

 

 特に、これを読みたいな。


※ゲーテの作品

 

ファウスト

僕にとってはゲーテは難解であり過ぎる。ヴィルヘルム・マイスターなど、消化難だった。ファウストはそれなりに理解できたが、、、、ファウストに関しては、3.11後に、いろいろ考えていて、こんなことを書いている。⇒「ファウストのカオスと福島のカオス 4  オンカロ」

色彩論

色彩論 (ちくま学芸文庫)
Johann Wolfgang Von Goethe,木村 直司
筑摩書房

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ■ブルータス最新号は、「小津... | トップ | 次の記事へ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

欧州文学」カテゴリの最新記事