KNZのロー後&新司法試験

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新司法試験対策⑤商法

2008年09月30日 12時43分16秒 | 科目別新司対策
会社法は行政法と構成が似ているので、好きでした。

会社法は一貫して「手段を述べよ」「問題点を述べよ」というオープンな問い方で聞いているので、
「手段・問題点をできるだけたくさん挙げる」という点に尽きます。
つまり行政法と同じく総花的に、思いついたことを広く浅く書いた方がいいということです。

今年の問題でも、出題趣旨を見てみると事前の予想以上に書くことが多かったようで、多くの種類のことを書けば書くほど点が伸びそうでした。
いくら定義や論証を完璧に覚えていても、手段を思いつかなければアウトです。

ただ、手段が一つしか思いつかない場合は、できるだけ事実を用いて厚く書く方針でもOKと思います。去年みたいなパターンもありうるので。

■自分のした勉強法

手段は、あらかじめ場面や主体を想定しておいて、考えられそうな定型的手段をインプットしておくという方法が有効だと思います。基本書を読む際にも、実際に用いられる場面を想定しながらインプットするというのも有効です。

たとえば、会社が違法なことをしそう、した場合の株主のとりうる手段という場面を想定した場合

A:不当な行為がおこなわれそうな場合→差止(違法行為差止、新株・新株予約権発行差止)
B:不当な行為の効力を争う→無効の訴え、無効確認の訴え、請求訴訟での無効主張
C:会社に変わって責任追及(会社の損害の回復)→株主代表訴訟による責任追及
D:個人的損害の回復→429条責任、民709
E:これらの手段を用いるための前提としての情報収集:議事録・書類閲覧謄写請求権

などなどの定型的手段をストックしておくといざという時、取り出しやすいです。

このように様々な場面・主体・処理手順について、手段を提示できるようにノートに書いて覚えるという方法をとりました。

素材としては会社法100問をメインに使いましたが、答案例は全部は読まず、どのような手段・問題点を挙げているかに着目して呼んでいました。


■すべきだった勉強法

定型的場面の手段のインプットはもちろん効果的でしたが、本番ではなかなか定型的場面そのままというのは問われず、多かれ少なかれひねりが加えられているので、そんな中でも対応できる応用力がさらに必要でした。

そのためには様々な判例の事例や長文事例演習を積む必要があったと思います。

夏の間に、「読むと有効だろうな」と感じたツールは、商法判例集(有斐閣)、会社法演習教材(有斐閣)、ケースブック会社法(弘文堂)、法学教室の北村教授の巻末演習問題(2007年度)です。
このうち2つくらい読んでいれば、かなり実力がアップしそうです。