LITTLEWHEEL Modeler's Diary

モデルフィニッシャー北澤志朗が、カーモデル作りに明け暮れる日々の暮らしを赤裸々に綴ります。

「季節風問題」その後

2006年02月22日 11時54分09秒 | その他
もうこの問題には2度と触れたくなかったんだけど、私もチョロッと巻き込まれかかった事だけに、全くスルーというわけにもいかないですね。

「warachan'sモデル工房」の完全閉鎖、そして「町工場」のネット活動休止、というのは予想された中で最悪の結末ですね。非常に非常に残念。結局何一つ解決せず、このまま全てウヤムヤになってしまうのか。
まあ私は、何でもかんでも真相を究明して、真実は全て白日の元にさらけだすのが良い、とまでは考えません。当事者同士、納得いくまでの話し合いが出来ないままに決裂してしまった事が残念なのです。

warachanことFさんには、カーモデルという趣味を捨てて欲しくない。誰よりもカーモデルを愛していた人ですからね。いつかきっと帰ってきてくれると信じたい。
また、「町工場」というブランドが雪印みたいにダーティなイメージのままフェードアウトするのも残念。このままじゃ長年あのページを支えてきた読者の皆さんに悪いよね。
もっとも「話せば判る」というのも幻想かも知れないですね。人間はそんなに単純なものじゃないから。

この件を俯瞰した上で私が考えた事は、また別にもあります。

あれ以来、ごくタマにですが、私は例の巨大掲示板の「件の板」を覗く事があります。私の名前も時折出てくるので、この間みたいに焦って爆発しないように(笑)チェックしておくのもアリかな、と思ったからです。
で、改めて多くの発言を読んでみて、私は反省しました。
不特定多数が匿名で発言していますから、やはり、うなずけない暴言も多いけれど、決してそれだけではなかった。スジの通った良識ある発言も、いくつもありました。

つまる所、私がこれまで、あの掲示板に対して抱いていたイメージには、かなり偏見が混じっていた、ということを、ここで認めます。私は「偏見」を最も憎む人間であろうとしてきたはずなのに、自分自身が偏見を抱いていたワケで、これはイケマセンね。

考えてみれば、巨大掲示板というのはネットの縮図みたいなもので、ネットはまた実社会の縮図です。おかしな人もいるにはいるけど、ちゃんとした人の方が圧倒的に多い、という事は自明の理ですね。
ジュッパヒトカラゲに「幼稚な正義感」「野次馬根性」として切り捨てたのは私の間違いでした。全部が全部、そうではなかった。ということで、このブログの「私は季節風じゃないぞ」の文中の当該部分は削除しました。
あの記述で不快な思いをした方々には、この場で謝罪します。

それから、私に対する中傷に反論してくれた皆さんには、お礼を言わなくてはなりませんね。
どうもありがとう。心から感謝します。

さらに、もう1つ。実はコッチの方が大事かも。
今回の一件で、アマチュア・モデラーの皆さんの間に「プロモデラー/ライターって読者や一般モデラーを見下してる」みたいな空気が醸成されつつある気がするのです。

そんな事、無いですよ。
カーモデル関係のモデラー/ライター、私は何人も知っていますが、みんな良識人だし「自分達の仕事が成立するのは一般模型ユーザーの存在あってこそ」という事を、何よりもわきまえています。一般モデラーを見下すなんて、模型誌に作例や文章を掲載する身では、許されない事ですよ。

私が思うに、模型ライターというのは、模型趣味の楽しさ・奥深さを広く一般に訴えて、この趣味の世界の裾野を拡げていく事が一番の使命だと思うんですね。
それまで模型の事をよく知らなかった人たちに、
「模型って素敵な大人の趣味なんだね」
「私もやってみたいなあ」
と感じてもらう事で、モデラーを増やし、またすでにモデラーである人たちの社会的な地位も向上するように持っていく事。

「どうヨ俺ってすごいでしょ」
「プロの技を見よ! お前らアマチュアには真似出来まい」
みたいな考え方のライターがもしいるなら、ライターとして最低だと私は思います。大体人間としてカッコ悪いでしょう、こういうの。「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」ですよ。

以前ある模型誌の編集さんが言っていました。
「モデラー/ライターはもちろん上手に作れたり文章が上手だったりというのは必要だけど、一緒に仕事をしていく上で一番大事なのは、実は人柄です」
ま、これはどんな仕事でも同じ事ですけどね。模型誌も、人間関係が基本になって作られていくものです。
私ももっと自分を磨かねば。(ってこれ以上ツルツルになってどうする?)

まあ、そういうわけで、焦ったり怒ったり悲しんだり、色々ありましたが、それでも次の仕事は否応無しにやってくる。これからも読者の皆さんに楽しんでもらえるような、良い記事を書いていきたいと思います。
いろいろ仕込んでいますので、どうぞお楽しみに。
 

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (Zakkinen)
2006-02-22 18:14:44
はじめまして。いつも楽しく「リトルホイール」を拝見させていただいております。



私は件の事についてまったく知らず,北澤さんのブログを見てはじめて知ったのですが,ずいぶん大きな問題になったようですね。自動車模型という趣味が欧州などに比べて一般的でない日本ですから,模型業界は外の人間からすれば非常に狭いものだと思います。ですから元々少ない自動車模型愛好家同士がいがみ合ってどうするんだと私は思います。しかもそれが数少ない模型専門誌に記事を書くようなプロがしているようではいけないでしょう。

 元々自動車好きが高じて模型を趣味にするようになった私は当初,模型専門誌等を拝見する中で非常に閉鎖的な雰囲気を感じました。だからこそ北澤さんのように初心者にもわかりやすく扉を開いてくれるような記事をお書きになる方には非常に好感を持ちますし,それがプロの方の役目だと感じます。

 ただでさえ理解されにくい模型趣味なんですから,同じ趣味(プロの方にとっては仕事ですが・・・)を持つもの同士は楽しくやりたいものですね。



 長くなってしまってすみません。しかも北澤さんのブログに書き込むのにふさわしい内容かどうかも定かではありませんが,意見を聞いていただきたく書かせていただきました。乱筆・乱文お許しください。
趣味であるがゆえの閉鎖性 (kitazawa)
2006-02-22 22:04:54
Zakkinenさん、コメントありがとうございます。



好きで入れ込んでいる趣味というのは、どうしても少々閉鎖的になりなる傾向があります。本気でやればやるほど、経験や知識量や技量を競い合う雰囲気になりやすいんですね。そうなると初心者は入って行きづらい。



ただ、敷居の高さは「大人の世界」ヘの憧れも掻き立てます。だから、全く敷居が無いのも考えものです。要はバランスなんですね。入って行くのに、ほんの少しだけ決意が要る位がちょうど良いのかな、なんて思うのです。

で、新しく入ってきた人は暖かく歓迎されるべきでしょう。それがベテランの役目ですよね。Fさんはそれを長くやってこられた方です。そういう方が報われないのは残念です。



それから、基本的に趣味というのは自己満足的なものだし、自己満足で良いのだと私は思っています。上手かろうが下手だろうが自分が楽しんでいればそれでイイ。そして、同じように楽しんでいる他人の「楽しみ方」が私と違っても、それも尊重する。



カーモデルにもいろんなジャンルがあり、色々な作り方のアプローチがあります。そうした多様性をみんなが認め合うことが、その趣味の世界を発展させる一番良い方法だと、私は思っています。
ありゃりゃ (ようこかわちゃん)
2006-02-26 13:20:51
 今回のこの件は自動車模型内ではきわめてまれなケースです。スケールモデル内では一番開放的なジャンルが自動車なのですが、間口の広い分人口も広いことが起因してしまったのかなとも思います。

 webの世界では匿名性により顔がわからずなんでもいえることはひとつの強みかも知れません。

 

 かくいうようこかわちゃんも30過ぎくらいから少し肩の力を抜き、より簡単によりわかりやすく作る(いやわかりにくいか?)方向にスイッチしました。

 よって、前より模型を楽しんでます。

コメントを投稿