とうにクリスマスを過ぎて

クリスマスがもう終わった〜っと思った瞬間に思いついたタイトルです。
他意はありません。年末にはタイトル変更か?

ピル解禁の凍結

2017-06-29 19:09:06 | 日記
松村由利子さんが、毎日新聞の生活家庭部という、主に家庭面の記事を書く部署に所属していたとき、一度だけ大きなネタに遭遇したことがあったのだそうです。
1990年に承認申請されていたピルが、1992年に解禁「凍結」ということになりそうだ、という内容です。
ピル承認によってコンドームが使われなくなると、エイズが蔓延するというのが中央薬事審議会の解禁凍結の理由だったそうです。これをデスクに報告したところ、承認ならニュースになるが、凍結ではダメだと一蹴され悔しい思いをしたと書いておられます。(詳細は『31文字のなかの科学』)
この数日後、読売新聞が一面トップでピル解禁の凍結を報じ、松村さんの特ダネは幻となりました。
それから7年後、承認申請から9年経った1999年になって、ようやくピルが承認されたとき次のような歌が詠まれました。

山鳥の尾のしだり尾のながながし時たちにけりピル承認に
大滝和子『人類のヴァイオリン』

「この歌に出会ったときは、異国で同郷人に会ったような喜びを感じた」と村松さんは述懐しています。
また、前書のなかでこうも書かれています。
「バイアグラが承認申請からたった5カ月という早さで、ピルに先立って99年1月に承認されたのは、全く皮肉な出来事だった。どう見ても、薬事行政が女性よりも男性のことを優先したような印象をぬぐえなかった」と。