kirekoの末路

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小説の書き方についてのコメントレス&拍手レス

2008年12月02日 18時11分57秒 | メモ
桃栗三年、柿八年@kirekoです。

>コメントレス

皆さんの疑問への解答ありがてえこってす。
拍手のほうでも意見を頂いたので、拍手レスじゃなくコッチに載せときます。

■ちなみにkirekoが今回質問した内容
①書いている時に、これだけは注意していることはあるか。
②作品において、自分なりのポリシーがあるかないか。
③一人称と三人称、どちらが書きやすいのか。(ジャンルは不問)
④登場人物を喋らせる時、または文中の台詞を考える時、どういう気持ちで書いているか。
⑤オチを考えてから話を書き始めるか、それとも書き出してからオチを考えるか。

以下
赤字はコメントしてくれた人の意見。
デフォ字は、それについてkirekoが思ったこととします。


■葛城炯さんの話

 キャラ達が勝手に喋り、それを記述している感じです。
 なんか違うと思った時は全パターンを網羅する感じで選択肢を追求していきます。
 もっともラストシーンは先に決めておきますが、そのラストシーンに辿り着くまではグルグルと目つぶしのようにキャラ達に喋って貰います。


特に聞きたい④についての反応だったので、参考になりました。
キャラクターの対話や思考に、ある程度自由というか、話の幅がある葛城さんの作品の傾向からすると、なんとなく納得するコメント内容でした。
作品中の登場人物が勝手に喋ってくれるということや、ラストシーンを先に決めて書くなんてのは、オチが最初に浮かばない事の多いkirekoとしては、とても羨ましい事です。
で、ちょっと気になったんですが、選択肢の追求というのは、作品の中で出てくる色んな要素(例えば2分の1の確立でこうなってこうなるとか)の返答の仕方ということですか?
それとも、キャラクターが喋った台詞と展開を記述し、書き出せるだけ書き出した後に、書き手が良いと判断したところだけ取捨選択するって奴ですか?
また別の質問になってしまいそうですが、ちょっと疑問なとこでした。


■藤夜要さんの話
①書いている時に、これだけは注意していることはあるか。
 低レベルですんません、という感じですが、差別用語と誤解される言葉だけは一応気をつけていたり、とか。
 政治と宗教と心の病に関しても、差別的表現にならない様に、とか、誤解を招く架空の設定を既存の●●(病名、政党名、国名etc)に絡めないとか。
 ぇ、そういうことが訊きたい訳じゃあない、ですか。(アセ


現実味がありすぎる差別用語、固有名詞と絡めないというのは、読み手の誤解も感じ方も大小さまざまであり、色んな言葉があるので、上手い具合に使おうと思っても、意外と躊躇してしまう事が多い気がします。
作品のジャンル(時代背景を表す言葉であったり、空想作品や、ファンタジー作品ならと解釈する話)や、方向性(過去の人物の言葉や姿勢を取り上げたりして文中の比喩に用いたりする技法的な話)にも寄りますが、結構悩む所だと思います。

②作品において、自分なりのポリシーがあるかないか。
 主要登場人物の生育暦を作る。


これ。かなりビビッときました。
kirekoは設定を縛り過ぎると、文章が書けなくなる性質なので、生育暦なんて濃度の高い設定をつくれるのは、素直に凄いと思います。
あの世界の黒澤監督が、作品に登場する人物設定を描くのに、大学ノート一冊使ったという話もあるぐらいですから、良い作品を生むには、それだけ緻密な設定も必要なのかもしれませんね。

③一人称と三人称、どちらが書きやすいのか。(ジャンルは不問)
 むしろ自分が教えて欲しい(涙目)。
 三人称と擬似三人称と一人称と神視点と、未だわけがわかりません。
 たくさん意見が聞きたいです。
(↑これをお願いしたくてコメント欄に書き込みました。あはは)


神様視点だと温もりが足りない。一人称だと感情が入りすぎて周りが疎かになる。
完璧な三人称で作品を書く人も、気持ちが入ると一人称になる事が多いですから、例えばジャンルの違いがあったにしても、作品の中で何を優先して追求するか、というのが問題じゃないかと、個人的には思います。
個人の気持ちか?表現に富んだ描写か?はたまた展開の面白さか?
そういうバランスが保てる人が、やっぱりプロなんですかねぇ。

④登場人物を喋らせる時、または文中の台詞を考える時、どういう気持ちで書いているか。
 映画を見ている感覚で。
 生育歴が出来た段階で、もう自分の脳から飛び出した「別人」なので。
 勝手に動いて勝手に喋っている。
 それをレポート風に書いている気分。


おーなるほど。映画を見ている感覚ですか。
前の短編作品を思い出して、納得してしまったような感じがします。
しかし、葛城さんのとこでも書きましたが、登場人物が勝手に喋ってくれるだなんて、なんだか羨ましい感覚ですね。

⑤オチを考えてから話を書き始めるか、それとも書き出してからオチを考えるか。
 日常の誰かを見てワンシーンが浮かぶ
 ↓
 主要人物の生育歴書き出し~キャラ設定
 ↓
 その性格から、行動パターンを既知の人間(実生活上の)から想像・分析・予測
 ↓
 あ、何かおおよそのストーリーが出来てるっぽい。
 ↓
 レポート作成。気づけば話が終わってる。あれ?みたいなw


なんかこのフローチャート見てると「あれ?凄く簡単に出来そうじゃん」って思っちゃって困りますわー。
現実に見聞きした体験ネタを書き留め、作品にするというのは、kirekoも良くやる事なんですが、なかなかどうして、完成させるには難しいと思います。
特にストーリーに関して、方向性は決まっているのに、どうしたら良いかわからない時があって、よく相談をすることがあります。
うっ、これは関係ない話でしたね……。


■近藤義一さんの話
 ども、近藤です。
 最近よくお邪魔しますが、いかがなもんでしょうか。


海のダイヤモンドを探して、寒風吹きすさぶ大海原を駆けております。
こんなブログにお邪魔(?)してくれてサンクスです。

どういう風に小説を書いているか、ですが。
 ①リズムとかテンポ。拍子と言ったほうがいいかもしれません。
 ②面白いものを書く。
 ③一人称。というか、近藤は自分のことしか書けない病気。でもこれはあんまり考えないほうがいいんじゃないかと思います。使う言語が持っている特性と深くかかわっている様な気がするから、考え始めると三カ国語位学習しないと解決しないんではないでしょうか。
 ④他の登場人物との関係で決まるかな。男言葉、女言葉、上下関係等。従って、自分の気持ちよりも文章としてのバランスを考えていると思います。科白の内容は状況からの要求によって決まってしまうから。
 ⑤両方ですかね。落ちってのは近藤にしてみればグリコのおまけでして、まあおまけがなけりゃ只のキャラメルだけど。


流石は近藤さん、こんな時まで言い回しをクールに決めてくれますな。
⑤のグリコのオマケキャラメル以外は、かなり共感するところがありました。
特に③、④なんかは、kireko自身書いてる時に、ちょくちょく悩むところだったので、キュピーンと共鳴してしまいました。
⑤に関して、近藤さんの作品を読んで「オチが凄い」と思ってた読み手kirekoは、オチが銀のエンゼル五枚溜めた謎の玩具缶ぐらい大事だと思っていたので、ある意味、発言に拍子抜けしてしまったというのが正直なところです。

④について特に言うなら、kirekoさんの姿勢に近いと思う。例えば朝、登場人物たちが出会うという場面であればとりあえず「おはよう」という科白になるわけだけど、近藤がその役を演じる役者であった場合、どんなふうに表現するか、と考える。こいつは薩摩の出身だから「おはようでごわ、ごわごわ」にしてみよう、とか。しないけど。

近藤さんって薩摩隼人だったんですか!知らなかったぜ!(早とちり)
発言を読み取っていくと、なんだかとても近いものを感じます。
昨日の自分の記事を読み返して思ったのは、もしかして空想に強い小説家というより、舞台の台本を考える戯曲家や、映像をつくる脚本家に近い捉え方をしているのかもしれません。

 どうですか。やっぱり病気ですか。治りませんか。そうですか。
 ではまた。


各々程度は違えど、「考える」という部分は物書きとして同じ不治の病かもしれませんなあ。


■せびんさん
①特にない? よくわかんね
②ポリシーってなんなんでしょうね
③これは一人称。主人公の気持ちだけ地の部分に流しまくるのが好き。主人公の考えが解るから、主人公だけは動かしやすくなる。
④「こういうときこいつならどうするかなぁ」とトレースする。それがあまりに疲れるから長続きしないと。
⑤テーマとか概要考えて、出だしとオチを考えて書き始める。ただし台詞だけじゃなく、行動もトレースするので、たまにキャラが予定外の行動を取ることはある。


特に無いってことは、自然に出来ているか、気付いていないかのどちらかだと思いますが、前者だとかなり羨ましいスキルですね。
ポリシーっていうのは、ようするに「俺は、小説を書く時、誰に何を言われても、ぜってえ、これだけは、ゆずらねえぜコンチクショー!」って奴です。
③、④、⑤あたりは、書くものを読んでると納得できるような、出来ないような。
特に⑤は、あれだけ計算高い小説を書くせびんさんが言うと、「おまえわざとか?」と言い返してしまいそうな気がします。
逆にワザとじゃなかったら、相当の天然ということになりますがね。ふふふ。


■灯宮義流さん
①最近は文章を簡潔にすることを心がけています。
②漠然としていてわかりませんが、恐らく自分の訴えたい何かを篭めるというのは僕を含めて皆さんお持ちであるかと。
③場合によります。小説によっては三人称が窮屈になることがありますし、逆もまた然り。
④キャラクターを自分の身体に憑依させます。最近気づいたら、書きながらキャラの動きを自分がしてたりすることに気づきました。
⑤これも場合によりますね。まああんまり気負いしないで書けるのはオチを後回しにすることかなと。オチ前提なのは安定しますが、下手をすれば広がりがなくなりますので。


④に関しては、要するに自分が主人公になるということでしょうか。
質問事項の曲解だと思いますが、おそらく近藤さんの姿勢と同じような印象を受けますね。
やはり、何事にもバランスが大事であるということでしょうか。
書き方については、やっぱり人間似たり寄ったりがあると思いますので、こういう書き方の人も多く居ると思います。
ただ、それだけに②のポリシーが「何」だったのか、③と⑤の「場合による」の「場合」、例えば「コメディー」ならこう書くとかを、ジャンル別にして漠然と書いてくれると嬉しかったかなと感じました。


■二面相さん(サガネタのほうは、後ほど一記事設けます)
 えっと、質問ですよね。①については、以前自分のブログでやった「創作家にインタビューバトン」の解答が当てはまるような気がしてサガして……じゃない、パソめっ……えっと、探してみました。話作りにおいて重視している点、という質問があったのですが、「インパクト」「伏線」「余白、余地」「共感」「テンポ」「作風(それぞれの作品の雰囲気、イメージを大事にするということ)」とかなんとか答えてました。多い。
②:あるんじゃないでしょうか。
③:題材や作風、書きたいテーマによって、合う方で書いているつもりです。どっちの方が書きやすい、というのは特にないです。
④:……どういう気持ち? えっと、キャラの気持、ち?? 初めて考えてみましたがピンときません。勝手にしゃべってるということになるのでしょうか。でも、しゃべってくれなくなったよ事件はいまのところ起こったことがないです。かといって、台本持たせているというイメージでもなく……彼らは彼らで生きている、という感覚でしょうか。それもちょっと違うような。うぅん。
⑤短編ならオチありきです。長編でもオチは考えてから書きますが、途中で変わることもよくあります。あまりガッチリ練ってから書くのは好きではないので、書きながらけっこう変化します。読み返しているときに見つかった粗だったり矛盾だったりは、そのままオチへの伏線として利用できますし、モノによって色々です。


④に関しては、誰よりも明確な理由を出してくれそうだったので期待しましたが、「初めて考えた」という言い方からするに、勝手に喋ってくれると考えて良いのでしょうか。だとすると、かなり直感的というか、自然体で物を書いていることになりますね。スゲエナスゴイデス。
その他の答えに関しては、今まで出てきたコメント者たちの書き方と照らし合わせると、意外に複合的な捉え方で、ちょっと驚いたりもしています。
ただ、⑤に関して言えば、kirekoが長編を書く時に目指している「アドリブ進行で面白いものを書く」という点に似ている気がしました。
似ている気がするだけかもしれませんが、ガッチリ練ると次が書けなくなるkirekoに必要な、構成と展開のアドリブ力があることは羨ましいです。


>総括

共通する部分があったり、なかったり
書く姿勢と書くものの軽重は違ったり
そんな書き手の微妙な差異が見えて、なかなか面白かったです。
設問④に関しては、もっと意見が欲しかったのですが
読んでいく内に思ったのは、少々の誤差はあれど
結局のところ
「自然に湧き出てくる」か、「文脈を計算して考えて割り振る」か
という書き手の得意不得意、スタイルの違いだというのがわかりました。

とはいうものの、まだ疑問は明確に解けたわけではないので、
「私はこういう書き方してるよ」と言う方が居れば、
是非コメントやWEB拍手などで教えてください。

今回、コメントや、拍手でスタイルを書いてくれた書き手の皆々様、ありがとうございました&お疲れ様でした。


■疑問が疑問を呼ぶWEB拍手(何か一言あったらどうぞ)


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5 コメント

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ん~ (葛城炯)
2008-12-02 18:29:39
 例として……
 この場面でAがこうなったらBがこう反応して……するとCの立場がない。
 ならば、Aの反応をCがするとこういう台詞になって、Bはこう言い返すな。
 ……みたいな感じで喋る順番、反応する順番と方向を納得する中間段階に行くまでツリーを潰していくような感じです。
 迷路を壁に片手だけ付けて歩き回るようなモノです。
 もちろん、何気に思いついた最初のパターンで行く時はそのままです。
返信する
ホホホ (kireko)
2008-12-02 19:55:41
自分も良くやりますが、なるほどQ&A方式ですな。
会話の計算式というと、何か硬いイメージがありますが、ツリーの潰し方とか、話の進ませ方とかが、書き手として凄く共感もてますね。

今度書くもので迷宮入りしたら、誰かに相談する前に、壁に片手付いて歩く事にします!
返信する
④に関して。 (灯宮義流)
2008-12-03 02:40:03
概ねそんな感じですが、自分を主人公に、ではなくて「イタコみたいにそれぞれ書くときには自分の中にキャラを取り込む」ことをしています。
メイン、サブ、脇、男、女、狂人、善人、野生動物、怪物と。何であるかは関係ない……かな?
二人いる時は少し偏りますが、二重人格が中で共鳴したり反発したり、みたいな感じになってるのかなと。
自分自身を開発している最中なので、迂闊に「こうだ」と決め付けるのも問題なのですが。

あとポリシーについて、改めて
「俺は、小説を書く時、誰に何を言われても、ぜってえ、これだけは、ゆずらねえぜコンチクショー!」
と明確に言われると、なんとなく見えてきました。
必ずメインにヒト以外の「動物」要素を仕込むことです。うーん、なんか違うでしょうか?
短編はともかく、長編には必ず動物が絡んだ要素を作ります。
というか、気付いたら作っています。

なんか補足じゃなくて蛇足になってたらごめんなさい。
返信する
今更感あふれる感じ (服部匠)
2008-12-03 11:17:44
おそらくキレさんの疑問の発端になった人物(自称)参上。
ためらったのは、自分の技術力不足と、心意気が皆さんよりも恐ろしく低いとおもったからです。なにこのブログ猛者が集まってるの?私直ぐにオダブツしそうだよ。

①解りにくい表現を避ける(ごくごく最近ですが)
②一場面でも印象に残りそうな場面を書くこと。うん。出来てるかはわかんない。
③恋愛モノ、キャラクター先行型のものは一人称だけど、二次や話自体を作りたかったものは三人称がよいらしい。
④登場人物になりきって台詞を言っている。ハタからみたらあまりにも危険人物。
一応、物語の大きな骨子はあるんだけど、それだけをキャラに伝えて「そういう感情だったらどうしゃべる?」と聞く感じ。んで、その台詞が似合わないようだったら変更するとか、話の筋の順番を変えるとか…の調整をする。
あとはキャラに必死に聞いてみる(笑)
昔はキレさんが言っていたように「キャラクターがしゃべってくれる」だったのが、最近やっと少しづつだけど主導権をこっちが握るようになりました。
これは実は二次創作の影響が強いかもしれません。だって他人様のキャラだから、イメージ総崩れはまずいでしょう。
⑤オチ…というよりも「どこどこのこういう場面が見たい!!」と思って書き出すので…。ソレがオチだったり、起承転結でいう転だったり起だったりばらばらですが。
私はストーリーテラーではないとは思われます。その場限りの使い捨ておもちゃに近い感覚。

最近はポリシーも何もへったくれもなく、自分が書きたい場面を書いてるようなきがします。


長い長い自分語りすみません、皆さんの意見参考になりました。
ここのブログをみると、いつでもどこでも気持ちが背水の陣です。油断したらバッサリ切り落とされる!
返信する
常時背水の陣なブログ (kireko)
2008-12-03 12:29:04
>宮義くん
④と②はわかった。
あとは③と⑤について詳しく。

>たくみ様
わざわざネタバレしにくるとは、やるな。
その殊勝な気持ち痛み入る。
細かいところは記事にまとめます。
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