観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
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「あの日、僕らの命はトイレットペーパーよりも軽かった~カウラ捕虜収容所からの大脱走~」

2008年07月10日 | 映画・ドラマ
 今から64年前の1944年、第二次世界大戦時下のオーストラリア。シドニーから西に320キロの小さな町、カウラには当時、大規模な捕虜収容所があった。
 終戦間近の8月。そこで日本人捕虜1140名の史上最大の脱走事件が
起きたのだった。
 しかし、この脱走は、「生きて虜囚の辱めを受けず。死して罪禍の汚名を残すこと勿れ」の「戦陣訓」の下、生きるためではなく、死ぬためのものだったのだ。
 彼らは何を思い脱走へと踏み切ったのか…、彼らの胸に去来するものとは…を大泉洋、小泉孝太郎らが語りかける。
 現代と、過去、そしてオーストラリアと日本と、時代と環境を超えた人々の思いが交差する。
 生き残った若い兵士けんちゃん(小泉孝太郎)の現在を山崎努が演じた。
 生きることを切望し、生とは何かを常問いかけ、命の大切さを誰よりも重んじる、人間味あふれる軍曹を大泉洋。その配下の晋平を小泉孝太郎が演じており、2人はシリアスに、賢明な演技なのだ。
 それは、それでいいのだが、なぜかリアリティを感じない。やり切れないような切ない、ストーリで全編を通して涙の場面はあったのだが、目頭が熱くなることないまま、ラストの現在の山崎力のシーンで、彼が画面に現れてものの10分で、涙があふれてきたのだった。
 これはもう山崎力の上手さにほかならない。
 彼の圧倒的な存在感を示したドラマ。
 物語は実話。しかもかなり重いテーマで、観ておく価値はある。
 ただ、大泉さん、脚悪い役立ったけど、立ったり座ったりで時々、すでした。歩くシーンも。「あれっ、治った」と思って観てると、また引きずったり。これはいけなかったねぇ。
 ほかに、淡島千景、加藤あい、袴田吉彦、六角精児、近藤公園、不和万作、永堀剛敏、光石研、東根作寿英、弓削智久、阿部サダヲ、田島亮、関戸将志、戸田菜穂、市毛良枝、根岸季衣らが脇を固める。


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