冬の国から夏の国へ

2013-04-24 22:41:57 | 鳥(Birds)


ムラサキサギ(Ardea purpurea manilensis) Purple Heron


2012年の年末。私は1人でボルネオ島に降り立った。
実は、単独で海外に行くというのは今回が初めてだった。学生の時は休暇の重なる友人を誘えばふたつ返事でOKだったのだが、今となってはそう簡単にはいかない。計画段階では何人かで話を進めていたのだけれど、日程や予算が合わずに結局最後は1人きりになってしまったのだ。
けれど実際に飛行機に乗り込んでみれば不思議と不安はなく、熱帯の鳥達にこれから会いに行くのだ!という期待で私の目は爛々と輝いていた。
今回は羽田発のシンガポール航空で、シンガポールでの乗換えを経てコタキナバル空港へ到着するルート。
シンガポールでの乗り換えの際。ウイング間を移動するモノレールの中から、空港敷地内の芝生を歩く10羽程度のジャワハッカを見つけた。日本を出た時点でもう鳥見は始まっているのだ。

初日は国内線の乗り継ぎの関係で、終日コタキナバル市内で時間を潰す必要がある。
コタキナバルのホテルに荷物を置いたら、早速カンカン照りの外へ繰り出した。
はじめの目的地は、リカスにあるKota Kinabalu Wetlands。ここは広大な干潟にマングローブがぎっしり茂る湿地で、マングローブ林の中にはボードウォークが走っている。




Kota Kinabalu Wetlands, Entrance


タクシーの運ちゃんに手を振り、意気揚々と湿地の入り口に臨む私。
しかし今は午後1時、鳥の気配は少ない。






入り口のところで小さなアカガオサイホウチョウを見かけたくらいで静かなボードウォーク。
1度だけ木道の下から深いブルーのルリカワセミが飛び出して、マングローブの奥に姿を消した。
木道の最奥部にはバードハイドがあって開けた環境を見回せるようになっていた。
バードハイドの丁度対面に茂る背の高いシダの林がムラサキサギのねぐらになっているみたいで、時折仲間同士場所の取り合いになっては飛び立つのが見え隠れする。
ハイドの足元ではコサギがうろうろしていて、ミズオオトカゲがその間をするりと通り抜けて行くのが見えたり、たまにけたたましく鳴きながらナンヨウショウビンが飛んで行くのが見えたりと、何とも眠くなる光景だった。






日が傾き始め、ボードウォークを戻りだした頃から少しだけ鳥の気配が多くなってきた。
ムナオビオウギビタキやキバラタイヨウチョウが林縁に現われ、ナンヨウショウビンが採餌をしはじめた。



カノコバト(Streptopelia chinensis tigrina) Spotted Dove


湿地入り口の事務所まで戻ってくると、カノコバト、シキチョウ、アカメチャイロヒヨ、シロハラクイナなど先ほどまでは姿が見えなかった面々が出てきているではないか。
木が茂りすぎて開けた場所が少なく、少々鳥が見づらいこの場所で夕方を迎えるよりは別の場所へ移動した方が面白いかもしれないと考えた私は、思い切ってタクシーを呼んだ。時刻は16時、日没まであと1時間半もない。






【Kota Kinabaru, Borneo(ボルネオ), Malaysia/29th Dec, 2012】


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