反転授業実践ブログ

反転授業の取り組みその他を周知させていただきます。

非認知能力(non-cognitive skills)

2015-07-23 22:24:27 | 日記
書店で平積みされている「学力」の経済学という本のなかに
”勉強”は本当にそんなに大切なのか?という章があります。
そこで人生の成功に重要な非認知能力のことが記述されています。
実は今までいろいろなところでお話をさせていただく中で、
反転授業✖協働学習で見える(測ることができる力)と見えない力(測れない力)という表現を用いてきました。
測ることができる力が認知能力ということになります。
測ることができない力が非認知能力ということになります。
非認知能力とはノーベル経済学賞(2000年)の受賞者、ジェームズ・ヘックマン教授の研究は、幼児教育をおこなった子どもと何もしなかった子どもを追跡調査し、40歳の時点で比較したところ、高校卒業率、平均所得、生活保護受給率、逮捕者率などに差が現れたというものです。1960年代からアメリカで実施された「ペリー幼稚園プログラム(Perry Preschool Project)」といわれる比較実験です。
さらに調査さを深めて、対象となった子ども達が成長して40歳に達した最近まで定期的に調査が実施され、比較分析の結果がまとめられているのですが、就学前教育を受けた人達は、受けなかった人達に比べて、認知能力は短期的な影響しかなかったが、5回以上の逮捕歴をもつ人の割合が19%低かったとされています。また、月収2000ドルを超える人の割合は実験群が対照群の約4倍、マイホームを購入した人の割合も約3倍であったように長期的な影響をもたらしていることが出ています。
 ヘックマン教授らの論文によると、就学前の教育を受けた子ども達が最も伸びたもの、それは、学習意欲をはじめ、誘惑に勝つ自制心や難解な課題にぶつかった際の粘り強さなどの「非認知能力」であった、とされています。
 非認知能力とは やり抜く力がある 意欲的である 粘り強い 自制心がある メタ認知力 リーダシップがある 立ち直る 創造性 
Big5 と呼ばれる性格的な特性などである。
心理学的には、ビッグ・ファイブと呼ばれる5つの要素で性格とらえる考え方に信頼が高い。
人間の性格を構成する5つの要素は、
(1)経験への開放性 (Openness to Experience)  好奇心が強い
(2)勤勉性 (Conscientiousness)  まじめ
(3)外向性 (Extroversion)    人と騒ぐのが好き
(4)協調性 (Agreeableness)  空気を読むのがうまい
(5)情緒不安定性 (Neuroticism) イライラしやすい・落ち込みやすい

学校教育における目的は認知能力だけでなくもう一つの目的が、「人格形成」なのです。
反転授業✖︎協働学習はこの非認知能力を育成するものにつながると考えられます。

算数・数学教育教授論にて実践報告をした感想より

2015-07-22 22:59:45 | 日記
 ゲストティーチャを行った感想文より

 多くの学校では何事にもおいてもルールが設定することから始まります。決めるのに必要のないルールまで
設定し、生徒に遵守させようとします。しかし制限は可能性を制限してしまう。先生の常識(固定観念)が生徒の
可能性を押さえ込んでいないか改めて考えるきっかけになりました。ICT導入に対しての基本姿勢ともいうべき
活用を限定しない・活用については先生に委ねる・活用については生徒に委ねるこの自主性を重んじた学校に基本姿勢が
反転授業という新しい取り組みを進化させたと思います。

 反転授業による学習は成果の面から見たら、即効性はなくすぐに学力がつくというものではないが
今の世の中で求められている力(主体性、課題解決力、情報発信力)を身につけられるものと考えた。
子供たちがお互いに教えあう活動を通じて学習を作り上げていく形を目指したいと思いました。

 講義を聞いて印象深かった点が3点
1つ目は教育理念として生徒のT字型の成長をあげていること。一斉授業でも生徒の自律性を促すことは可能ですが、
協働性は?わからない問題は生徒たちが勝手に教えあうのではなく意図してそのような仕掛けを作って学びあいを通じて
人と関わっていくことを体験させている。
2つ目はわからない生徒も友人の協力を得ながらかならず主役になる場面ばあるということです。
3つ目はルーブリックを利用して生徒相互や取り組み過程を評価することで、結果のみを求めるのではなく
そのプロセスが重要だということが認識されることです。

 数学を教えていると数学という内容だけに関わってしまいがちですが、数学を通して社会で必要なコミュニケーション能力や
一緒に課題を解決する力を身につける授業展開を考えていこうと思いました。そして生徒の主体性を求められるような授業を
考えていきたいと思いました。

 ※ この1時間では十分なインターラクティブな話し合いの時間が取れなかったので
  もう一度お話をさせていただく機会をいただけます。7月の最終週に再び参加させていただきます。

算数・数学教育教授論 1/2

2015-07-07 20:21:57 | 日記
 講演した大学に向かうのに高速バスに乗り、始めて途中下車をしました。
高速道路から歩いて降りるということが初めてでした。
その大学の教員養成系の大学院で算数・数学教育教授論という講義のなかで反転授業✖︎協働学習の実践報告を行いました。
90分の時間に講義内容が持つかなという心配をしましたが、受講生14名の教育に対するモチベーションの高さに助けられました。
グループ討論などはものすごく活発でこちらがファシリーションしなくてもどんどん会話が弾みました。
私の方も、なんとかして既存の教育デザインに対して一石を投じようと議論を深めようと思っていたのですが、
1時間程度、こちらからの実践報告を伝えることのみで終りました。
もっと各学生の考え方や新しい授業観についてどう考えるかといった意見交換をしたかったのですが、
90分ではできませんでした。そこで改めて大学院の先生からもう一度授業に来て欲しいというオファーがあり、
授業の都合をつけて再度参加させていただくことになりました。
 教員に携わる方に直接お話しさせていただけたことは、反転授業研究会としてとても有難い機会となりました。

 大学の共通講義等の様子です。
 

ゲストティチャーとして講義してきます

2015-07-07 07:42:52 | 日記
ある大学でゲストティーチャーとして講義をしていただけないかというオファーをいただきました。
「算数数学教育教授論」という講義で教育関係に就ているまたはこれから就こうとしている学生さんを相手に自分が行ってきた
反転授業✖︎協働学習のティーチングスタイルを話ししてきます。
数学を専門にされている方々の前でお話しさせていただくのは、昨年秋の大阪でのセミナー依頼です。
数学のセミナーといえばやはり数学の内容が中心となり、教授法というものにはなかなかフォーカスされにくい部分があります。
今回は、ぜひこれからの教育関係者に数学教授法を一考していただきたいというかねてからの思いが叶ったお話でした。
学校での学びは今までと同じでいいのかそれとも時代の変化に応じて学び方を変化させるべきなのか
受講されている学生さんに問いかけてみたいと思います。
ファーストラビットではありますが、最高のものができているわけでもなくまた知見に満ちたものでもないので
今日も共に学ぶといった姿勢で臨んで参ります

明日は久しぶりにセミナーにて話をします。

2015-07-02 23:19:35 | 日記
来週から期末考査に入ります。
すでにテスト範囲は終了して、見直し定着活動に入っています。

ところで久しぶりに英語科中西とともにセミナーにて講演をします。
昨年の秋以来の2人での講演となります。
その案内はこちらになります。


学校長 各位
スタートアップセミナー
主催:ユーデック教育研究センター
子どもたちの未来のために
~明日に生き残る学校づくりをともに考える~
アクティブラー ニング 導 入 に 必 要 な 要 素
【講師:大矢 純 氏/授業学研究所 所長】
ともに考え、ともに歩む
ユーデック教育研究センター
TOP SEMINAR
YouDEC
本格的少子化時代が進行するなか、2020年大学入試大改革を控え、大学経営はかつてない変革の時代を迎えています。 大学がそうした変革の時代にあるとき、中等教育の世界が例外でいられるはずはありません。『明日の日本に生きる子どもたち、そ の生きる力の基盤を創る教育とは?』 『選ばれる私学になるためには?』 そうした「教育」の現状と未来を俯瞰し、特に“私”の教 育現場(私立学校、私塾等)に立つすべての皆様のお役に立ちたい...。ユーデックは、その熱い想いを具現化することを目的とし て、2014年10月、「ユーデック教育研究センター」を発足させました。本日ご案内するセミナーは、その発足を記念するととも に、あらためて皆様にお見知りおきいただくための“スタートアップセミナー”として企画いたしました。内容は、当センターが今後研 究を進める対象の一端をご紹介するとともに、教育現場の“今”をご紹介させていただくものです。皆様のご出席を心よりお待ち申 し上げております。
ユーデック教育研究センター

プロフィール
山梨・秋田・埼玉・岡山な どの県教育委員会、日本 私 学 教 育 研 究 所 、東 京・ 埼玉・大阪などの私学中 高協会・連合会をはじめ 全国各地で校内研修を
児童・生徒のやる気を引き出す「学習する空間づくり」は、授業効果を高めて合格実績向上に役
立つだけでなく、未来の日本を担う子どもたちを育てるのに大きく寄与します。さらに、昨今はアク
ラ ティブラーニング導入に必要な要素として注目され、私学協会や教育委員会等で多数の講演・研 担当。著書に「生徒のや
ム 14:50 修を行っています。今回はその要素を凝縮してお伝えします。

15:00 反転授業の可能性
【講師:中西洋介氏(英語科)・芝池宗克氏(数学科)/近畿大学附属高等学校教諭】
る気を100%引き出す授 業」(幻冬舎経営者新書)。
今、注目されている「反転授業」という授業方法。これは授業や講義を予習し、実際の授業では応用的 な活動を行うという方法であり、究極の授業ともいえます。近大附属高等学校では、2013年度から英 語・数学で導入しており、導入に至った経緯、教育効果、課題等をお話しいたします。お楽しみにして ください。
15:50

16:00 『学校改革における校長の果たすべき役割』
【講師:小池 仁 氏/小池教育研究所共同代表】
プロフィール
プロフィール
2013年4月よりiPad導 入に伴い反転授業を開 始。翌年12月にその実 践や考えをまとめた「反 転授業が変える教育の 未来―生徒の主体性を 引き出す授業への取り 組み」(共著/明石書 店)を出版。
7つの学校法人に勤務。 校長、法人理事等を歴 任 。私 学 教 育 、特 に 学 校 改 革 に 精 通 。「 情 熱 、 見
組織におけるリーダーシップやキャプテンシーが、学校改革においても最大のポイントであるともいわ 識、実績、人脈、どれを れています。学校改革とは“生まれ変わる”ことですから、法人も教職員も決意と覚悟が求められます。 とっても日本で有数の私
学 人 の 一 人 」( 森 上 展 安 その中で、一番決意と覚悟を求められるのが校長です。小手先の改革ではない、真の改革とリーダー 氏)と、関係者からの評
像を具体例とともにお話いたします。 『グローバル人材・青少年育成カレンダー』(好学出版刊) 価も高い。『秀言百選』 16:50 (アプリス刊)
17:00 【最後に】「夢・未来の会」の紹介。
2015年7月3日(金) AP大阪駅前梅田1丁目へのアクセス JR「大阪駅」中央南口より徒歩約2分
時間:14:00~17:00(開場13:30)
場所:AP大阪駅前梅田1丁目
〒530-0001 大阪市北区梅田1丁目12番12号
東京建物梅田ビル地下1F・2F