反転授業実践ブログ

反転授業の取り組みその他を周知させていただきます。

2020年度の2学期がスタートです

2020-08-16 15:30:58 | 学校
 コロナの影響で、予定よりも1週間早く明日から2学期がスタートします。
この夏は、クラブの合宿など予定していた宿泊を伴う行事もなくなり、学校以外は家で過ごしました。
けれど休暇の3分の1は学校で過ごすことになってしまいました。

 それは秋の文化祭に向けてクラスで準備するための責任者として登校したからです。
1学期予定されていた学習以外の行事がことごとくなくなったので、生徒同士の人間関係もしっかり構築出来ていないことを憂いていました、
そこで生徒に「折角だから高一でまだ時間に余裕のある時期に、このクラスで何か作ったら。」という呼びかけに、
生徒が呼応してくれて、自主映画「現代版 浦島太郎」を撮影することになり、生徒の見守りということで登校していました。
場面場面に応じた配役や裏方で登校し15名程度の生徒が日替わりで登校してくれました。
生徒同士はそれなりに話ができて、やっと友達と話ができたとか初めて話をしたなど、イベントがなくなった1学期でしたが
この撮影を通じてそれなりにクラスとして楽しんでくれたようでした。

 この秋の文化祭はクラウドによる実施ということで、どれだけ盛り上がるかわかりませんが、まずは自分たちが楽しもうを合言葉に
何かを創造するという過程を経るなかで、このような取り組みをしなかったら得られないものが得られたと考えています。
 具体的に1つ書けば、「思い出」ということになります。私が経験した40年ほど前の文化祭では、自主映画を作るクラスが多く
脚本から演技アフレコと編集と、映画を作りの中からその後の人間関係へと発展したことを経験しています。そしてそのことは時を隔てて今でもつながりへとなっています。
この経験が今につながっています。当時は、ロケ地を探したりとか小道具を作ったりといったりと撮影にずぶん時間がかかりましたが、
今はiPadを利用することや映像編集に長けている生徒のおかげでかなり撮影は楽になり1週間程度で撮影はクランプアップしました。
撮影は終わりましたが、編集担当者の技術で映画のクオリティも変わるご時世です。グリーンバックを利用したりと、編集をイメージして
撮影が進んでいました。
またコロナの影響で、多くの家庭で予定が詰まっていなくて、急な撮影予定でも生徒が集まれる状況にあったことも幸いでした。
全員登校というわけではなかったですが、場面場面に応じた配役や裏方で登校している生徒はそれなりに話ができて、何気なく話をしたり接するなかで、
生徒がみせる授業中とは異なるさらにはこんなこともできるとこんなことまで知っているなどのスキルを見ることができる機会になりました。


 今の高校生が今の感性で作った作ろうとしている取り組みがすぐそばで見られたことがハッピーでした。 
 以前にも書いたと思いますが、個人の学びから得られる力もありますが、協働や対人関係から学ぶことも
やはり大きく、授業だけが学校でないということを改めて感じました。

 学習に関しては、1学期の遠隔授業で教える側も学ぶ側もそれなりにツールが使えるようになり、
多くの科目で夏季課題の提出も物理的なものからネットを通じての提出となっています。
重たいノートを運ぶことなくまたコメントを書き加える楽になりましたが、同じ姿勢で画面を見てしまうので目に対する負担は大きくなりました。
 反転授業も本格始動です。数学Aで1学期に積み残していた確率の最後の節 いろいろな確率 は
解説動画を利用しての予習が夏季課題になっています。授業は確率の総合演習から授業を行います。
コロナ禍で教室内における協働的な学びが行いしにくいのだけが問題です。




反転授業の利用はともかく・・・・

2020-07-19 18:51:37 | 学校
昨年1年、担任業務を離れて
この4月から担任業務を行っています。
やはり生徒との距離感が近く大変ですが、やりがいも大きいと今更ながら
実感しています。

コロナ禍で全国的にリモート学習が進み、今更ながら反転授業がフォーカスされている気がします。
反転授業を行うというより遠隔授業を行ってそれからどうするのと言う
流れだと思います。
否応なしに通常授業ができない状況下で、どのような授業デザインがあるか問い観点から
注目されていると思います。

このブログを継続的に読んでくださっている方はご理解いただけると思いますが、
実は私もどのように授業デザインをしようか模索中です。
と言うのも、共同的な学びが非常に困難な状況で目的を見失っています。
オンラインでの協働的な学びができないとは思わないですが、
高校生にとっては自ら取り組もうとする心構えができていないものは、
やはりリアルにコラボレーションしていく中で他人生徒に巻き込まれていくことが多く
そこに有効性を感じています。

リモート学習についてはいろんな記事を目にしています。
不登校だったオンライン授業でリズムができたと言う生徒がいる一方で、
3月から5月までオンライン学習だったためリズムを作りにくく欠席がちになった生徒もいます。
それぞれの生徒が適合できる授業形態を選択できることが望ましいと思いますが、
一律の授業を提供しないと公平性に欠けるとも言われてしまいます。

7年前に反転授業を行ったときは解説動画については緩やかな広がりでしたが、
コロナ禍で全国的に授業スタイルの選択肢が増えたことは明らかでしょう。

新刊紹介
反転授業研究会 問学教育研究
中西洋介 「反転授業の実践知」 明石書店 2000円+勢
出版されました。

反転授業のみならず、自身の授業デザインを考える上で非常に参考になるものです。
ぜひ一読をお勧めします。




5月7日? 授業開始に向けて

2020-04-02 22:41:10 | 学校
年度始めの教科会議が開かれて、登校ができない状況でできる強化指導のあり方を模索しようという話になりました。
どの先生も、手探りながら協力して解説動画を作って、生徒が自分で問題を解けるようにしようという動きが出てきました。
それにしても終わりが見えない休校処置ではありますが、まずは命(健康)が大事、その上でできることを協力して行おうという
空気感が出てきました。
   

令和2年度が始まりましたが・・・

2020-04-01 22:02:00 | 学校
 昨年度は30年続いていた担任もなくなり、別の立場でどのような授業展開ができるか考えていると
ブログの更新が疎かになりました。どの学校も同じ状況だと思いますが、年度末に向けて準備してきたものが全て中止になりそのことに奔走していたのが現実です。
 ところで新年度の会合があり、新型コロナウィルスの影響で通常授業ができない場合を想定し、近大附属が備えているICT環境を十分に利用して、各自どのような教育手法があるか
考えるような指示が出ました。その中で、ウェブ授業で考えられる3つの形があげられました。
 (1) 教室で授業を行いそのまま動画配信をする
 (2) 伝えたい内容を動画にする
 (3) Web上にある利用できそうな動画を利用する

2013年から反転授業に取り組んでいた私はやはり(2)の形を利用することを考えています。
ただし、反転授業が効果的に行える状況はいろんな場所でお話しさせていただいたように、生徒と教師の人間関係が最も重要です。
新入生を迎え、面と向かって話す機会が作れない状況では反転授業の授業デザインを伝えたところで、上滑りしてしまうと思います。

そこで生徒が登校できない状況を想定して、数学の授業は反転✖︎Zoom✖︎形成的評価でやってみようと考えています。
Zoomの利用が上述した人間関係構築のためであって、知識の一斉伝達をZoomで全て行おうというものではありません。

反転授業開始時もそうでしたが、授業モデルが認知されているわけではない状況で授業デザインを模索していこうと思っています。

 

ひょうご学力向上サポート事業研究協議会にて話をさせていただきました。

2019-10-30 22:32:36 | 学校
ひょうご学力向上サポート事業研究協議会が行われ、話をしてきました。
昨年度兵庫県のある別の学校が反転授業に取り組まれ、先駆的に行っていた私に講演依頼があり、
その話を聞いた先生が、この春から反転授業に取り組まれているという縁ができました。

この春から反転授業に取り組まれた先生はあと数年で定年という年齢にも関わらず、
新しい学び方に挑戦して生徒のために授業を変えていきたいという
熱いおもいをお持ちの先生でした。若手の教員も反転授業は利用されていませんが、
協同的な学びの習でジグソー的な動きを取り入れた演習授業を行なっておられました。
両名の先生からは、「反転授業が変える教育の未来」の本がなければこのやり方に出会っていないし今の教え方にはなっていますとまで
言われて、大変光栄に思いました。

ただ、反転授業に取り組まれた先生はすべてがうまくいっているのではなく、
私が反転授業に取り組み始めた初期の頃同様に生徒からいろいろな感想が上がっています。
その一例を紹介します。

 進むのが早いと感じる。
 反転授業より先生の解説を聞きたい。
 反転授業はちょっとしんどいけど頑張れば頑張るほど力がつくのでしっかり頑張っていきたい。
 このまま続けてほしい
 従来の形に戻して欲しい   など

学びは教師から噛み砕いた内容を聞いて理解するものだという展開慣れした生徒には
自分で取り組んで理解するという形を受け入れ固い生徒もいます。
教える(新しい授業スタイルを取り入れる)教師側に、なぜ取り組むのかという確固たる信念がないと
生徒への信頼感も構築できなくなります。