【山口・萩市】旧萩城の外堀の総門から外側に広がる城下町は碁盤目状に整備され、江戸屋横町・伊勢屋横町・菊屋横町で囲まれた区域に中・下級の武家屋敷が軒を連ねていた。 現在も町筋はそのまま残っていて、黒板塀や白壁となまこ壁が美しい町並みが続いていて往時の面影をとどめている。
横町名は、萩藩の豪商である江戸屋、伊勢屋、菊屋の商家が並んでいたことに由来する。 町筋には明治維新の志士ゆかりの史跡が点在している。 黒板塀がつづく風情ある江戸屋横町には「高杉晋作・伊藤博文ゆかりの円政寺」、「蘭方医・青木周弼の旧宅」、「維新三傑の一人の木戸孝允の旧宅」、また菊屋横町には「藩の豪商・菊屋家住宅」、「第26代総理大臣・田中義一の誕生地」、「幕末の風雲児・高杉晋作の誕生地」など興味深い史跡・遺構がある。 萩城下町は平成27年(2015)、「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に登録された。
萩藩時代の面影を色濃く残す城下町....往時の人々に思いを馳せながら、維新ゆかりの地を歩く。
幕末から明治期の日本を大きく動かした人々の旧居など趣のある建物が連なり、界隈から木戸孝允らがふらっと現れてきそうな雰囲気が漂っている。
江戸屋横町にある鎌倉時代創建の円政寺..参道に石造り台輪鳥居と山門が建つ..「神仏混淆を残す珍しい寺」とある
「高杉伊藤両公幼年勉学之所・二孝子祈願之金毘羅社」と刻まれた兜巾型石柱/「日本古寺百選の一カ所」とある
蘭方医・青木周弼の旧家
門前に「青木周弼・青木研蔵・青木周蔵 萑旧宅地」と刻まれた兜巾型石柱/木造桟瓦葺建物の正面..2階建てだが訳あって平屋建てのように建築された
木戸孝允旧宅の趣がある黒板塀 敷地内に聳える大きな松の木
長州藩士として討幕に努め、薩長同盟を推進した木戸孝允の旧宅..切妻造桟瓦葺門の門前に「木戸孝允誕生地」と刻まれた駒型石柱が立つ
木戸孝允旧宅の玄関前..玄関まで切石の飛石が敷かれている
伊勢屋横町の風景..白壁の建物が並ぶ
ナマコ壁を設けた美しい白壁が続く
切妻造桟瓦葺の門の旧久保田家住宅..建物は江戸時代後期の建立
旧久保田家は呉服商・酒造業を営んでいた
菊屋横町に建つ菊屋家住宅(江戸時代前期建立)の門から眺めた敷地..菊屋家は藩の御用商人だった
立憲政友会総裁・貴族院議員だった田中義一の誕生地..田中義一は第26代内閣総理大臣(昭和二年~四年)を務めた
江戸時代後期の長州藩士・杉田晋作の誕生地..杉田は明倫館&松下村塾の門下生で、尊王攘夷や倒幕運動を活動した
切妻造桟瓦葺の門/晋作広場に立つ杉田晋作立志像..平成二十二年(2010)造立
「萩城下町(旧町人地)」の案内板..分かりやすく、なかなかいい!